聖書のおすすめ10選｜旧約聖書や読みやすい・わかりやすい本も｜どれを買えばいい？

聖書はキリスト教徒、ユダヤ教徒の教典であり、人類史上最大のベストセラーと呼ばれています。発行部数は3880億冊を超えており、翻訳された言語は3200以上と言われています。聖書は愛に関する名言やゆるしに関する名言などが書かれており、名言の宝庫です。

興味深い物語や心に響く名言が綴られた聖書ですが、難解で分量が多いので通読が難しい本でもあります。翻訳形態や教派などによってさまざまな聖書があり、旧約聖書や新約聖書・読みやすいもの・わかりやすい日本語訳の本・入門書や通読のための解説本から訳の種類もさまざまです。

そこで、今回は聖書の選び方と初心者にもおすすめの読みやすい商品などを紹介します。「たくさんあるけどどれを買えばいいの？」と、購入を迷われている方はぜひ参考にしてください。無料で聖書が読めるサイトやアプリ・聖書のおすすめ箇所も紹介しますので、最後までご覧ください。

旧約聖書は、ユダヤ教とキリスト教の正典で全39巻から成ります。イエス・キリスト誕生以前にユダヤ人がヘブライ語で記載した書物です。モーセ五書・預言書・諸書から構成され、イスラエルの民の歴史が綴られています。

キリスト教の礼拝でよく読まれる詩篇を含み、旧約・新約と概念がないユダヤ教では単に聖書（タナハ）と呼ばれています。映画『十戒』『天地創造』などをはじめとして、無数のエンターテインメント作品の題材とされており、旧約聖書を知らない方はまれです。

難解で長い旧約聖書ですが、わかりやすい入門書や解説書が出ています。興味がある方は、手に取りやすいと感じるものから選ぶのをおすすめします。読書、学習、礼拝などの用途、旧約のみ、新約・旧約両方などの構成、自分の必要にあわせてお好みの旧約聖書を選んでください。

新約聖書は、旧約聖書とならぶキリスト教の正典で全27巻から成ります。イエス・キリスト誕生後にキリスト教徒がギリシャ語で記載した書物です。

イエスの生涯、死と復活を記録した福音書、弟子たちの書簡、ヨハネの黙示録などで構成されています。約束の救い主が到来したと報せ、イエスが旧約聖書の預言したメシアだと綴られています。キリスト教の礼拝でよく説教に用いられている聖書です。

新約聖書を初めて読む方は、旧約聖書と同様に入門書、解説書などの読みやすいものから選ぶのが無難です。新約のみ、旧約・新約両方などの構成がありますので、自分の都合にあわせて選択しましょう。

旧約聖書続編は、教派により聖書の正典かどうかの位置付けが変わる文書です。カトリックとプロテスタントの聖書共同翻訳事業で、旧約聖書・新約聖書の間に配置されるように取り決められた一群の文書を指して旧約聖書続編と呼称されました。

各教派での旧約聖書続編の位置付けは『カトリック・第二正典』『聖公会・アポクリファ』『プロテスタント・外典』です。カトリックでは聖書の正典に含みますが、プロテスタントでは聖書の正典に含んでいません。

旧約聖書続編については『カトリック教徒の方：あり』『プロテスタント教徒の方：なし』で選ぶのが無難です。授業・礼拝で使用する場合は、お間違いのないように学校・教会へ確認をとってから購入してください。一般読者の方はお好みにあわせて選べば問題ありません。

文語訳聖書とは、キリスト教諸教派により文語体で訳された聖書です。『明治元訳聖書（旧約部分）』と『大正改訳聖書（新約のみ）』から成ります。明治時代には数多くの聖書が文語体で訳されて宣教に用いられました。

第二次世界大戦後まで外国語の和訳といえば文語が一般的でした。美しい日本語で綴られた文語訳聖書は近代日本文学でも多々引用され、今日でも愛読者が絶えない名訳です。

文語体、かつ古い訳ですので、学習用や資料向きの聖書です。現代では不適切となった差別用語なども当時のまま記載されていますので、不快に思われる方はご注意ください。

口語訳聖書は口語体で翻訳された聖書です。第二次世界大戦後、なじみにくい漢文風の文語体から、読みやすい現代語の口語体へ、移行が加速しました。日本聖書協会が口語訳で訳した口語訳聖書を出版し、当時大多数のプロテスタント教会で広く礼拝に用いられました。

現在は、口語訳の聖書は数多く出版されており、日本聖書協会が最初に出版した口語訳聖書は著作権が切れてパブリックドメインになっています。

パブリックドメインなので格安で購入できますが、文語体聖書と同様に古い訳ですので、こちらも学習用や資料向きです。また、おすすめの言葉を読みやすい訳で知りたい方にも適します。しかし、不適切な差別用語を含む点は考慮に入れてください。

聖書の原文は英語ですので、日本人がそのまま読むと間違って解釈してしまう場合もあります。しかし、販売されている聖書の中には、イタリア人神父がきれいな日本語で翻訳してくれているものや、シスターたちが子どもたちにわかりやすく翻訳してくれているものなどがあります。

まずは日本語訳で聖書を理解して流れなどを掴むと、より一層、原文の理解を深められます。また、学習や研究などで聖書を使う際も、大意を日本語で掴んでから英語で聖書を読み進めていくのもおすすめです。

1987年刊行の新共同訳聖書は、教会で朗読するための翻訳と基本方針を掲げ、プロテスタントとカトリックが合同翻訳した口語訳聖書。新共同訳聖書は現在日本の8割以上の教会、ミッションスクールで広く使用されている標準的な聖書です。

2018年12月刊行の聖書協会共同訳聖書は合同翻訳の最新版に相当します。次世代標準を目指しており、礼拝、学習ともに、これからの標準的な聖書となる公算が大きい書聖です。固有名詞・書名は新共同訳聖書に準拠しますが、ゼロから翻訳されています。

両方の聖書ともに読みやすく、わかりやすい聖書です。現在主流の新共同訳聖書、次世代標準を目指す聖書協会共同訳聖書のどちらを選択するかは、学習、礼拝などの使用目的や、ご自身の好みにあわせてください。

新改訳聖書は、プロテスタント系の日本聖書刊行会より発行されている口語訳聖書です。2017年10月に最新版の『聖書 新改訳2017』が刊行されました。旧約聖書・新約聖書から成り、旧約聖書続編（カトリックの第二正典）を含みません。

聖書の原典（ヘブライ語・ギリシア語）に忠実でありながら、簡潔で読みやすい日本語訳を実現している聖書です。プロテスタント教会の礼拝で使用される場合も少なくありません。プロテスタント教徒の方に向いた聖書です。学習、礼拝などの使用目的にあわせて選んでください。

フランシスコ会訳聖書は、カトリック公認訳の作成を目標として、フランシスコ会聖書研究所が55年の長い歳月をかけて訳した口語訳聖書です。完成に時間を要した理由は、同時期にフランシスコ会聖書研究所長を含むカトリックの方々が、新共同訳の翻訳に取り組んでいたためです。

新共同訳がカトリック公認訳となった後も、フランシスコ会訳聖書の翻訳は地道に続けられ、2011年8月、ついに旧約聖書・新約聖書を一冊にまとめた合冊版が刊行されました。

フランシスコ会訳聖書は『難解な箇所・歴史的に異説のある箇所・カトリックとしての見解』などを、わかりやすく解説した豊富な注釈により、カトリック教徒の方を中心に高い評価を得ています。カトリック教徒の方、より聖書の理解を深めたい方におすすめします。

わかりやすく漫画で描かれた聖書から、エッセイ風で笑いながら読める聖書の解説書まで、 聖書を楽しみながら理解できるように工夫の凝らされた聖書解説書籍は数多くあります。聖書は難解です。聖書解説書籍から読んだほうが、結局理解を深められます。

聖書解説書籍には、目からウロコが落ちるような独自の味わいを持ち、輝きを放つものが多数存在します。訳者、著者の思いが詰まった解説書・漫画・絵本・アートブックなど、多彩な聖書解説書籍をお手にとって、心ゆくまで聖書をお楽しみください。

『聖書に興味はあるけど読んだ経験がない』といった子供や初心者が、入門書としてわかりやすい聖書をお求めなら、聖書を題材とした解説書・漫画・絵本・アートブックなどから選ぶのがおすすめです。

おすすめ個所などわかりやすく抜粋されたエピソードから、聖書の大まかな流れを理解できるので、本格的に聖書を楽しむための第一歩となります。流れを知らずに聖書を読むと、それは厳しい作業と化します。あらかじめ解説書などを読んでいれば、聖書が読みやすくなります。

聖書を題材とした解説書・漫画・アートブックなどを読んだ経験があり、読書として本格的に聖書を楽しみたいと考えている方は、 日本語訳の聖書として読みやすいと評判の新共同訳、聖書協会共同訳を読んでみてください。

新共同訳は日本の大部分のカトリック教会、プロテスタント教会で使用されている実用的な聖書なので安心して読めます。また、その最新版に相当する聖書協会共同訳もおすすめです。

ミッションスクールでの学習、信仰、聖書研究などが目的で、聖書をより深く勉強したいと考えている方は、さまざまな聖書を読むのがおすすめです。教派や翻訳年代が異なるさまざまな聖書を読んでみましょう。

新共同訳、聖書協会共同訳をはじめ、新改訳、フランシスコ会訳、口語訳、文語訳など、聖書の種類は非常に多いです。時代が変わると日本語訳も変遷し、解釈の違いも出てきます。さまざまな日本語訳の聖書を勉強すると、より理解が深まります。

礼拝目的で聖書の購入をご希望される方は、事前に教会の関係者へどの聖書を使用しているのか確認をとってから購入してください。

一般的に日本のカトリック教会、プロテスタント教会ともに新共同訳が広く使用されています。しかし、プロテスタント教会では新改訳、カトリック教会ではフランシスコ会訳を使用しているところもあります。

また、これからは次世代の聖書協会共同訳へ移行する教会も出てくるはずです。先を見越して聖書協会共同訳を購入する選択肢もありますが、教会に確認をとってから購入するのが安心です。

英語の勉強をしながら聖書を読み進めたい方は、英和対照がおすすめです。英語と日本語どちらも見ながら読み進められるので、英語の勉強にとても役立ちます。日英どちらの聖書を用意するよりも手間が省けるので、ぜひ購入を検討してみてください。

ネット上には、無料で聖書が読めるサイトや無料配布されている聖書もあります。日本聖書協会の公式ホームページで聖書を読めます。有名なエピソードをピックアップした聖書ものがたりは読みやすく、ビデオクリップもあるため初心者にもおすすめです。

また、紙の本が欲しい方は、教会で無料でもらえる場合が多いため、まずは問い合わせてください。

スマホアプリでも聖書を読んだり、総勢150名以上の有名声優の朗読による「聴くドラマ聖書」などを聴けます。こちらも無料で利用できるので、便利です。聖書を持ち運ぶのに抵抗がある方は、スマホにダウンロードすればいつでも読めます。以下で評価が高いおすすめアプリを紹介しますので、そちらもぜひチェックしてください。

聖書の著作権が切れたものを無料で読める時代ですが、中にはカルト団体が勝手に翻訳に手を加え、自分たちの宗派の都合のいいように書き換えているものもあり、大変危険です。少しでもおかしいと感じたらそれ以上近づかず、遠ざかるようにしましょう。

聖書はほかの本に比べて、購入した1冊を長く愛用している方も多くいます。聖書は分厚くて重いイメージもありますが、持ち運びしやすい単行本サイズのものもあります。

聖書をどこまで読み終えたか、また、お気に入りのページをわかりやすくするためには、しおりやブックマーカーがあると便利です。そして、持ち運びする際に本がよれたり汚れたりしないように、ブックカバーを使うとよりきれいに本を保てます。

聖書をまだ読んだ経験がなく、聖書自体も分厚いためどこから手をつければいいかわからない方もいますよね。そんな方には、以下の4つの章から読むと、スムーズに聖書の世界に入り込めます。

• 詩篇
• 箴言
• ルカによる福音書
• ヨハネによる福音書

いずれのおすすめ箇所も、聖書全体の中でも特に重要なポイントがまとめられている章なので、多くの知見を与えてくれます。

日本人にとって聖書は『誰でも知っているけど、内容がわからない』といった不思議な本です。聖書を楽しむのは難しいかもしれません。聖書を読むのがキツイと感じる方は、興味のある聖書関連書籍に手を伸ばしてみる、もしくは好きなところだけ適当に読み進めてみてください。