フィルムカメラに挑戦！使い方の基本を解説【初心者でも簡単】

独特の味や雰囲気のある写真を撮れるフィルムカメラ。最近のブーム再加熱によって、新たにフィルムカメラに挑戦しようとしている方も多いです。しかし、フィルムカメラは多くの操作を手動で行うので、どう使うのかわからないですよね。

しかし、フィルムカメラは覚えるべきところを覚えてしまえば、初心者の方でも簡単に使えます。今回はそんなフィルムカメラの基本的な使い方を解説していきます。

またフィルムカメラにはいくつか絶対にやってはいけない注意点もあるので、この記事で紹介をしています。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

フィルムカメラの使い方を知る前に、まずはフィルムカメラのパーツについて確認しましょう。モデルにもよりますが、一般的なフィルムカメラには以下のパーツが設けられています。

レンズパーツはピント調節や絞り調節用のパーツ、背面パーツにはフィルムセットに関するパーツが集まっています。上面は省略していますがパーツの数がかなり多く、ほかにもシャッターボタンや巻き戻しクランクといった重要パーツが存在します。

そのため初心者だと上面パーツを使いこなすのが難しいかもしれません。しかし、すぐに慣れるので、何回か使ってみましょう。

フィルムカメラのフィルムは、以下のようにセットします。

1. 巻き戻しノブを引き上げ、カメラの裏蓋を開ける
2. フィルムを入れ、巻き戻しノブを下げて固定する
3. フィルムを引き出して、フィルムの先端を巻き取り用スプールに差し込む
4. フィルムの穴にツメが掛かるように巻き取り用スプールを少し回す
5. 巻き上げレバーを回してフィルムを巻き上げたら、空シャッターを切る
6. 裏ぶたを閉じる、その後巻き戻しノブをゆっくり回してフィルムのたるみをとる
7. フィルムカウンターが1になるまで空シャッターを切る
8. フィルムの感度と同じ数値にカメラ側のフィルム感度指標を合わせる

上記を行う際には、カメラに対して正しいフィルムを使うこと、フィルムを巻く際はゆっくり丁寧に巻き上げることを意識しましょう。力任せに巻き上げると、空回りの原因になります。

フィルムがたるんでいると、正常に撮影できないなどの不具合が発生します。必ず「フィルムのたるみを取り切る」ことが重要です。また、フィルムをセットする際は必ず、日陰で作業してください。フィルムは光に当ててしまうと壊れる原因になります。

何もしていない状態でファインダーをのぞき込むと、ぼんやりしています。ぼんやりしている＝ピントが合っていない状態なので、品質のいい写真を撮るためにしっかりとピントを合わせましょう。まずは距離リングを調節します。

リングを左方向に回すと近くに、右方向に回すと遠くにピントが合う仕組みとなっているので、ファインダーを見ながら丁寧に調節しましょう。その際にスプリットプリズムと呼ばれる部分も確認します。

ピントが合っていないとスプリットプリズムの上下がずれるので、上下が合うように調節するとピント調節が上手くいきます。

フィルムカメラの露出とは、撮影する写真の明るさを指します。露出を調節するのに重要なポイントは以下の3つです。

• ISO感度：フィルムによって決まっており、数値が大きいほど明るくなる
• F値：絞りリングを回して調節、数値が小さいほど明るくなる
• シャッタースピード：シャッタースピードダイヤルを回して調節、数値が小さいほど明るくなる

ISO感度はフィルムによって100などの数値が設けられており、この数値が大きいほど明るくなります。そのためカメラ側でISO感度を調節できません。一方でF値やシャッタースピードは、逆に数値が小さいほど明るくなる仕様となっています。

もちろん絞りリングやシャッタースピードダイヤルで調節するので、フィルム関係なくカメラ側で調節が可能です。ちなみに「絞り優先」機能があるフィルムカメラでは、F値に合わせて自動でシャッタースピードを合わせるので、初心者にもおすすめです。

フィルムカメラにはいくつかの撮影モードが用意されています。別の言葉では「露出モード」とも言われており、主なモードとしては以下が挙げられます。

• マニュアルモード:シャッター速度と絞りを手動で設定するモード。
• 絞り優先モード:カメラのF値を設定すると、その他の値をすべて自動で設定してくれるモード。ピントが合う範囲や意図的なピンボケを調節できる。
• シャッタースピード優先モード:カメラのシャッタースピードを設定すると、その他の値をすべて自動で設定してくれるモード。被写体の静止の程度を調節できる。
• プログラムAEモード:すべての値が自動的に設定されるモード。

絞り優先モードやシャッタースピード優先モードは、「一部を設定するとほかも自動で設定される機能」です。一方でマニュアルは「すべて手動で設定」するモードであり、逆にプログラムAEモードは「すべて自動で設定」するモードとなっています。

ピントや露出、撮影モードの設定が終わったら、シャッターボタンを押して対象を撮影します。フィルムが感光してしまうので、シャッターを切っている最中は絶対に裏蓋を開けないようにしましょう。

もし、シャッターを切っている時に不具合を感じたら、裏蓋を開けるのではなくフィルムを巻き戻すのが適切です。またフィルムカメラのモデルによっては、巻き上げレバーを上げないとロックされてシャッターが切れない場合があるので気をつけてください。

撮影が終わったら次にフィルムを外します。カメラ底面にある巻き戻しボタンを押しながら、巻き戻しクランクを手ごたえがなくなるまで回すのがフィルムの取り出し方のコツです。そして裏蓋を開けると巻き終わったフィルムが出てくるので、巻き戻しノブを上げてフィルムを取り出します。外したフィルムは写真店に持っていき、現像してもらいましょう。

フィルムカメラのピントが合わない原因は、以下の理由が考えられます。

• 被写体との距離が近すぎる
• フォーカスエリアに被写体が映っていない
• シャッターを切る際、カメラを動かしている
• レンズに手が映り込んでいる
• 被写体がピントに合いにくい可能性
• 故障の可能性

これらが原因と思った際は、以下の方法を試してみてください。

• レンズの最短撮影距離よりも距離をとる
• フォーカスが合うように設定
• カメラをしっかり構えて撮影する

これらの方法を試してみても解決しない場合は、カスタマーサポートへの連絡をおすすめします。

フィルムカメラの巻き上げが空回りする原因は、レバーが途中で止まっている、または故障が考えられます。

レバーが途中で止まっている場合は、裏蓋のボタンを押しながらレバーを巻き上げてみてください。また、フィルムカメラは製造から何十年も経っている場合が多いので、レバーが止まった場合は故障の可能性が高いです。故障と思った場合は分解はせず、修理依頼をしましょう。

フィルムカメラの魅力は、調節次第で味のある写真を撮れる所にあります。実際に上級者は「あえて暗く撮る」「あえてぼかす」といった撮影も行っているようです。これを機にフィルムカメラの基本を覚えて、美しい写真撮影に挑戦してみましょう。