【代表作や有名作品も】宮沢賢治作品のおすすめ人気ランキング10選

「宮沢賢治」と聞くとまず童話を思い浮かべる方も多いはず。童話は子供が読むものと考えてしまいがちですが、宮沢賢治の作品は子供だけでなく大人に向けた作品もあり、対象年齢を問わず執筆した作品が多いです。

小説にくらべて短く読みやすい宮沢賢治の作品は、移動時間やちょっとした作業の合間に読めるため、童話や詩の世界観にひたって気分をリフレッシュできます。

今回は口コミと一緒に宮沢賢治作品のおすすめランキングを紹介していきます。代表作や有名な作品も多いので、気になる作品があればぜひ購入を検討してみてください。

宮沢賢治は日本を代表する童話作家・詩人です。1896~1933年とわずか37年の短い生涯でしたが、後世に残る名作を数多く生み出しました。宮沢賢治作品は文学としてのクオリティがとても高く、国語の教材などでも扱われていますね。

宮沢賢治作品は童話から詩集までさまざまなものがありますが、それらに一貫して見られるのが以下の特徴です。中でも「イーハトーブ」（宮沢賢治の創り出した理想郷）の描写は、数々の作品で色濃く見られます。

【宮沢賢治作品の特徴】

• 繊細で情景が目に浮かぶようなふるさとの自然描写
• イーハトーブの世界観
• 独特なオノマトペ
• 童話とは思えないほどの難解さ

宮沢賢治は岩手出身のため、彼の作品に登場する自然やイーハトーブの描写の中には、岩手の風景に影響を受けたと思われるものも数多く登場します。また、彼の遺した有名な言葉に「永久の未完成これ完成である」といったものがあり、真意こそ語られていませんが、こういった言葉・考え方が彼の作品の根底には根付いているのです。

宮沢賢治の童話は自然の描写と共に擬音語・擬態語であるオノマトペを使って、実際にそこで音や風景を見ているかのような気持ちにさせてくれる作品が多くあります。ときにつじつまがあっていないように感じられる場面もありますが、よく考えると場面の裏にある物語を想像できたりと、奥の深さを感じられます。

童話でありながらも、より深いところに宮沢賢治の思想が盛り込まれ、大人でも十分に魅力を感じられる点が人気を集めている理由です。中でも長編童話として位置づけられている4作品は、少年小説として子供や小学生向けでもあり大人向けでもあるという、特徴的な童話です。

宮沢賢治の詩の中で一般的に有名なのが、雨ニモマケズです。理想や今、自然などを思いのままにしたためた詩は、宮沢賢治のあるがままを感じ取れる作品です。生前に詩集として発表したものもあれば、雨ニモマケズのように亡くなった後にトランクから出てきたり、最近になって発見された詩もあります。

詩の作品をまとめた詩集は亡くなった後にも出版されているので、宮沢賢治が感じた世界や人間性を短い詩の中から読み取れます。凝縮した感情と短い言葉で風景を描く詩は、宮沢賢治そのものを表している作品です。

全集や童話集などの形で宮沢賢治の作品を集めた作品集は、宮沢賢治の作品をまとめて読めるので、リズムよく読み進められます。また、代表的な作品を読みながら他の作品に触れられる利点もあります。

宮沢賢治の作品にはそれぞれに特徴があるため、さまざまな作品を読んでその空気感に触れると宮沢賢治の魅力を再発見できます。宮沢賢治に限らず童話や詩は短いので、出版されている本のほとんどは全集や童話集、詩集の形を取っています。

宮沢賢治作品は、さまざまな想像を膨らませてくれるだけでなく、映像や匂いを感じられるような独特の臨場感があるため、映画化や絵本化されたものもあります。

簡単そうでありながら奥が深い宮沢賢治の作品を読んだ後に、違う形式の芸術として映画や絵本を見れば、作品の違った見方を発見できるかもしれません。同じ本を読んだ人との会話を楽しむように、作品に触れながら映画や絵本を作った製作者との対話をすることで、同じタイトルで2度楽しめるのです。

宮沢賢治の人生の中で、作家としての収入は微々たるものでした。今では誰もが知っている注文の多い料理店も賢治の生前に販売されましたが、当時はなかなか売れず本人が借金をして買い取るほど。

唯一生前に出版した詩集の春と修羅も収入には結びつかず、他にも童話のやまなしやグスコーブドリの伝記、雪渡りなどを発表しましたが、原稿料は僅かなものでした。しかし、生前に発表していた作品がもととなり、宮沢賢治が亡くなったあとに作品を世に広めようという動きが起こりました。

作品の収入こそ微々たるものでしたが、宮沢賢治の作家としての行動は、一部では生前から注目を集めていました。賢治の没後、彼の作品の多くは草野心平によって世に出されました。中には雨ニモマケズなど有名な詩も含まれており、これらの出版をきっかけに、道を追い求める求道者としての宮沢賢治のイメージも生まれてきます。

のちには宮沢賢治作品の草稿を調査する活動もあったため、長年「生前に創作された作品は出尽くした」と思われていましたが、地形図の裏に書かれた詩が発見され、2009年に発表された新校本 宮澤賢治全集の別巻の中に入れられています。

宮沢賢治は、動物が登場する作品を多く書きました。さまざまな動物がいますが、その中でも猫が登場する物語が多く、猫の性格を上手く取り込み、ときに恐ろしくときに心地のいい存在として描かれています。

また、風や太陽、雨などの自然も物語を動かすきっかけとして重要な役割を果たしています。賢治の描く風は、やさしいときも荒々しいときもあり、時々隙間から入り込んでくるなど、猫との共通点が見られるのが特徴です。猫が主人公の作品でも、じつは物語の重要な役割を演じているのは風といった作品もあるくらいです。

宮沢賢治は仏教を信仰していました。その教えが核となる作品も多くあり、宮沢賢治の考え方の基礎となっています。晩年の作品である銀河鉄道の夜は、宗教観が現れている作品として有名です。賢治の作品と宗教に関しては、「キリスト教の救済信仰に基づいている」「法華経に基づくものである」といった論争がありますが、宗教的寛容に達していたとの見方もあります。

また、宮沢賢治は故郷の岩手県をモチーフとした理想郷「イーハトーブ」を創造しました。郷土愛の表れで、作品中にもイーハトブなど形を変えて登場しています。宮沢賢治は、イーハトーブの中に郷土と郷土に生きる理想的な子供を描いています。

オーディオブックとは、本を朗読した音声コンテンツです。文字を読むのではなく、耳で音声として物語を楽しめるので、読書が苦手な方や作業をしながら読書をしたい方に人気です。

宮沢賢治作品のオーディオブックは、声優バージョンだけでなく有名俳優が朗読しているバージョンなどさまざまなものがあるので、同じ作品を朗読者別に聴き比べるといった楽しみ方もできます。ただし、先述の通り宮沢賢治作品は複雑なものが多いため、オーディオブックで楽しむ場合は事前に軽くあらすじをさらっておくのがおすすめです。

よだかは醜い見た目から仲間や鷹からいじめられ、故郷を離れます。虫を食べるのも命を奪っているのだと絶望し、命を捨てようと考えます。弱い者いじめや差別などをしないようにといった教訓を伝えるために教科書に載っていたこともある作品です。

レビューを見てみると、中村道雄氏の組み木絵がよだかの体温を感じられるくらい素晴らしいといった評価が多く見られます。宮沢賢治の引き込まれる世界観との調和で、ひとつの作品としてできあがっています。よだかの星をもう一度読みたい方におすすめです。

雪国の子供たちと子狐との交流を描いた童話です。狐たちは自分たちの信用を取り戻すために子供たちを幻燈会に招き、双方の誤解をといていくストーリー。雪渡りは雑誌で掲載されたデビュー作で、宮沢賢治が原稿料を得た唯一の作品です。

レビューを見てみると、モノトーンの絵が物語の中に入り込ませてくれるといった評価が多く見られます。絵本ならではの世界が宮沢賢治の童話の世界感とぴったりとはまり、お互いのものを高めてくれます。小さな子供から大人までが楽しめる作品です。

農業のなどの実体験などが物語の中に反映されている作品です。イーハトーブの冷害を回避するために火山を噴火させて二酸化炭素で地球を温める話です。郷土愛や自己犠牲などが散りばめられた作品で、生前に雑誌で発表された童話のひとつです。

レビューを見てみると、愛が込められたいい作品といった評価が見られました。郷土愛を感じられ、物語のドラマチックな面も感情を揺さぶる要素となっています。子供や大人が読める少年小説として宮沢賢治が位置づけており、じっくりと読みたい方におすすめです。

猫の事務所で働く5匹の猫、その人間模様を描いた作品です。いじめを受けているかま猫は仲間の応援もあって仕事を一生懸命していましたが、かま猫が休んでいるときに策略され、仲間にも裏切られてしまいます。宮沢賢治が生前に雑誌に発表した作品です。

レビューを見てみると、子供たちにもわかりやすい内容で読み終わった後も余韻が残ると高い評価を得ています。この本は大人の絵本として出版されているものですが、子供に読み聞かせをしたり、少し大きいお子さんにも読める本となっています。絵と共に宮沢賢治の世界に触れたい方におすすめです。

宮沢賢治の想いや生活、宗教観から興味のあるものなど、すべてを感じられる詩です。この春と修羅は生前に唯一発売された詩集で、収入には結びつきませんでしたが、宮沢賢治の才能を世の中に発表する意味では、大変な価値がありました。

レビューを見てみると、宮沢賢治の独特の詩の世界が広がる、サイズが読みやすいといった高い評価を得ています。心象スケッチという手法で書かれ、内面の移り変わりと内面を外側から見た別の視点を取り込んでいます。宮沢賢治の詩を読む最初の一冊におすすめです。

宮沢賢治が少年小説と呼んでいた4冊の中の一冊が風の又三郎です。不思議な転校生との12日間を描いた作品で、子供たちの心のうちが生き生きと描写されています。他にも自然描写が豊かな作品や子供たちの心を描いたものなどを中心に16篇が収録されている短編集です。

ストレスフルな日常の中で、子供の声や自然の美しさを感じられる宮沢賢治作品が恋しくなるなど、レビューでも高い評価を得ています。自然を生き生きと描写する宮沢賢治は自然の中を歩き、感じたことをその勢いのままメモに残していました。心の換気をしたい方におすすめです。

音楽好きの宮沢賢治は、農民楽団の実現や作曲をするためにチェロを練習していました。その経験がこのセロ弾きのゴーシュに活かされています。童話集の形を取っているこの本は、セロ弾きのゴーシュの他に、生前に新聞や雑誌に発表した作品も収録されています。

レビューを見てみると、子供にとっては素直に読める童話で、大人にとっては思いやりや共感などを考えさせられる内容と大人でも子供でも興味を持って読めるといった高い評価がありました。スッキリとした気分になりたい方におすすめです。

自然を感じ、宗教を心の支えにし、貧しい農民との交流をしていた宮沢賢治が、書き溜めた詩の中から146篇を厳選して収録した詩集です。見たものを宮沢賢治の心のフィルターに通して感じたことを言葉に綴った詩には、不思議な輝きを放つ魅力があります。

レビューを参考にすると、旧仮名遣いのまま詩を掲載しているので宮沢賢治の思い描いた世界をそのまま感じることができると高い評価がありました。その反面、旧仮名遣いが難しく初心者にはおすすめしないといった意見も見られます。旧仮名遣いは読みづらいですが、口語として頭の中で変換すれば読みづらさも無くなります。文字の雰囲気も含めて宮沢賢治作品を感じたい方におすすめです。

銀河鉄道の夜は宮沢賢治を代表する長編童話のひとつで、メッセージ性の強さが特徴です。子供にも大人にも向けた少年小説として、宮沢賢治自身がひと括りにしていた4作品のうちのひとつで、物語の中で宮沢賢治が伝えたかったことを知れる作品です。

レビューを見ると、暗い物語のなかに幻想的で美しさを感じるといった高い評価が見られました。「死」がテーマでありながら、幻想的で美しい描写や心に残る名言など、引き込まれる要素がふんだんに散りばめられています。映画や漫画、絵本にもなっているので、読んだ後にそれらの作品を改めて見てみるのもいいかもしれません。

イーハトヴ童話という副題の付いた9作品をまとめた短編童話集の注文の多い料理店は、宮沢賢治が生前唯一発表した童話集です。本来はイーハトヴ童話集として12巻を予定していましたが、結局刊行されたのはこの注文の多い料理店のみで、童話集としての出版は叶いませんでした。

レビューを参考にすると、子供のときに読んだけれど大人になってから読み返すとさらに面白いといった高い評価が得られています。言葉のリズムや言い回しなど、テンポよく読み進められる宮沢賢治作品ですが、大人になるとその背景にあるものも考えられます。子供の読み聞かせにもおすすめです。

宮沢賢治作品は、短編集から読み始めるのもおすすめです。短編集なら、ひとつひとつが短くサクッと読み進められるうえに一冊で多くの賢治作品に触れられるため、初心者の方や読書が苦手な方でもチャレンジしやすいです。

【宮沢賢治のおすすめ短編集】

• 注文の多い料理店（新潮文庫）：「注文の多い料理店」全編・「雪渡り」・「茨海小学校」・「なめとこ山の熊」など短編童話19編を収録
• 新編　風の又三郎（新潮文庫）：「風の又三郎」・「やまなし」・「二十六夜」・「祭の晩」・「グスコーブドリの伝記」など短編童話16編を収録
• 新編　銀河鉄道の夜（新潮文庫）：「銀河鉄道の夜」・「よだかの星」・「オツベルと象」・「セロ弾きのゴーシュ」など短編童話14編を収録

ここまで、宮沢賢治の魅力やおすすめ作品をご紹介してきました。宮沢賢治の作品には、シンプルに情景を感じられるものから、深い世界観を持ち考えさせられるものまでさまざまなテイストのものがあります。日々のリフレッシュをするために、宮沢賢治作品を読んでみませんか。気分が変わって、いつもの日常が違って見えてきますよ。