宮城峡ウイスキーのおすすめ7選｜おすすめヴィンテージや飲み方も紹介

日本で初めて国産ウイスキーを製造したことで知られる竹鶴政孝が創業したニッカウヰスキーが持つ2ヶ所の蒸留所のうち、宮城県仙台市に位置する宮城峡蒸溜所で製造されているのが、シングルモルトウイスキー「宮城峡」です。

もう1つの北海道にある余市蒸溜所で作られるウイスキーとは異なる、華やかな香りとまろやかで飲みやすい味わいが、宮城峡ウイスキーの特徴です。現在はシングルモルト宮城峡1種類のみ販売されていますが、10年以上熟成させた原酒で作られたヴィンテージも高い人気があります。

今回は、ニッカウヰスキーのウイスキー・宮城峡の特徴や余市との違い、ラインナップに加えて、宮城峡のおすすめの飲み方などについても解説していきます。

「宮城峡」とは、宮城県仙台市にあるニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所で作られているシングルモルトウイスキーです。ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝が、自社のウイスキーと蒸留所近くを流れる新川の水で割った水割りの味に感動し、この地に蒸留所建設を即決したといわれます。

宮城峡は、実際に新川の伏流水を仕込み水と使用して作られており、もう1つのニッカウヰスキーの蒸留所「余市蒸溜所」のウイスキーとは対象的な独特の香味とまろやかさ、華やかな味わいを持っています。

ウイスキーというと独特のクセがあるので、その強いクセが苦手な方が多いものです。一方、宮城峡はクセの少ないシングルモルトウイスキーです。バニラや洋ナシを思わせるフルーティな香りとまろやかな口当たりと甘み、りんごのような甘酸っぱさで、ウイスキー初心者にもおすすめの飲みやすい味わいが、宮城峡の特徴といえます。

ニッカウヰスキーは、宮城峡のほかに北海道の余市にも蒸留所を構えています。この2つの蒸留所で作られるウイスキーは、味にも大きな違いがあります。前述のようにまろやかで飲みやすい宮城峡に対し、余市で作られるウイスキーは重厚でピートのクセが強いスモーキーで力強さを感じる味わいです。

それぞれまったく異なる2つの蒸留所のウイスキーを味わえるのも、ニッカウヰスキーならではです。

現在、唯一販売されていて入手しやすいのが、ノンエイジウイスキーの「シングルモルト宮城峡」です。口当たりがスムースで、やさしくまろやかな飲み口と甘くフルーティーな味わいの中に苦味も感じられます。ウイスキー初心者の方やウイスキーに慣れていない方でも飲みやすい、いわばエントリータイプのウイスキーといえます。

酒齢10年以上の宮城峡の原酒のみをヴァッティングして作られたウイスキーです。ノンエイジよりもフルーティーな甘みやなめらかさが際立ち、青りんごや洋ナシなどを思わせる香りに香ばしいコクと深みのある味わい、スムースで柔らかな舌触りに仕上げられています。

熟成樽由来のオークの余韻も感じられる、満足感の高い1本です。

世界的な酒類品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で複数回の金賞を銀賞に輝いた実績を持つ、酒齢12年以上の原酒で作られたウイスキーです。いちごや青りんごのような甘み味わいがより深くなっており、よりフルーティーな味わいが楽しめます。

さらにスモーキーな香りとオーク樽由来のまろやかな風味、カカオのようなビターさが混じり合うバランスの良さで、完成度の高い1本です。

酒齢15年以上の原酒をヴァッティングしたシングルモルトウイスキーです。シェリー樽で熟成した原酒を多く使用しているため、シェリー樽由来のレーズンのような華やかで芳醇な香りが楽しめます。濃厚でなめらかな飲み口に、バニラのような甘みやナッツを思わせる香ばしさが感じられる、複雑で円熟味のあるウイスキーです。

3500本限定で2017年に販売されたこちらのウイスキーは、ヴァッティングした原酒をポルトガル南部・セトゥーバルで栽培された極甘口のシェリー酒「モスカテル」の酒精強化ワイン樽で約1年間追加熟成させたものです。華やかな味わいの宮城峡に甘くコクのある味とマスカットを思わせる香りや樽由来のビターな味わいが加わった、長い余韻を楽しめる1本です。

こちらも4000本限定で販売された、スペイン南部・サン・ルーカル・デ・バラメーダ地区で作られる酒精強化ワイン・シェリー酒の一種「マンサニーリャ」の樽でシングルモルト宮城峡を熟成したものです。ドライフルーツ・いちじく・ミルクチョコレートのような甘い香りとまろやかな口当たりに、樽由来の苦みが調和した味わいです。

2009年に1500本限定で販売された、20年熟成した4種類の原酒をヴァッティングして作られたヴィンテージのシングルモルトウイスキーです。あんずジャム・マーマレード・カスタードクリーム・オークの香りにフルーティーなカシスやラズベリーを思わせる濃厚な甘さの後に、オレンジの酸味と苦味の後味が感じられます。

宮城峡蒸溜所の開業50周年記念で発売された、わずか700本限定の超レアウイスキーです。1960年代から2000年代までの10年ごとに厳選された5種類の原酒をヴァッティングして作られています。絶妙に調和した5種類の年代の原酒の深いコクと豊かな味わいで、50年の宮城峡蒸留所の歴史を感じさせる貴重なウイスキーです。

ヴィンテージの宮城峡ウイスキーを飲むなら、ウイスキーそのものの味をダイレクトに味わえるストレートがおすすめです。宮城峡ならではの華やかでフルーティーな香りや甘さ、樽由来の独特の香りなどをそのまま楽しめます。

ヴィンテージだけではなく、もちろん現在唯一販売されているノンエイジの宮城峡もストレートで十分楽しめる味わいです。

ノンエイジの宮城峡はさまざまな方法で飲めますが、前述のようにストレートでも楽しめるウイスキーです。ウイスキーを飲み慣れていない方、またはストレートでは強すぎる場合は、ソーダで割ってハイボールにすると、炭酸がウイスキーの甘さを引き立てておいしく味わえます。

宮城峡の味や香りを味わうには、ロックで飲むのもおすすめです。

ウイスキー初心者、または食中酒として宮城峡ウイスキーを楽しみたい方におすすめの方法は、水割りです。ニッカウヰスキーでは、水割りを作る際に「ウイスキー1：水2：氷3」を推奨しています。氷を入れないのであれば、水とウイスキーを1：1で割ってみましょう。

ウイスキーに慣れてきたら、ストレートの宮城峡に少しずつ数滴ずつ水を加えて味の変化を楽しむ方法もあります。

現在唯一販売されているシングルモルト宮城峡なら、酒店やネットショップなどで購入可能です。しかしその他の銘柄は終売となっているため、ネットショップでも在庫に限りがあります。在庫がある場合でも終売品や限定品は価格が高騰しており、非常に高額な価格が付けられているものも珍しくないので、終売品は簡単には入手できないと考えておきましょう。

宮城峡はウイスキー独特のクセが少なく、フルーティーでまろやかな甘さで飲みやすいウイスキーです。ヴィンテージの入手は困難な状況が続いていますが、シングルモルト宮城峡からまずは宮城峡の味を楽しんでみましょう。