セゾンビールおすすめ15選！特徴や作り方は？IPAとの違いも解説

夏は特にビールが美味しく感じられる季節です。汗をたくさんかいた後に飲むビールは、のどの渇きを潤すだけでなく、疲れた体を癒してくれます。お気に入りのビールを飲むのもいいですが、この夏は「セゾンビール」を飲んでみませんか？

実は、セゾンビールは農作業中に飲用する目的で作られたビールなのです。そのためアルコール度数は低めで、ゴクゴク飲めるような軽さと爽快感があります。まさに夏にぴったりのビールです。

この記事では、セゾンビールの作り方や味の特徴について詳しく解説します。おすすめのセゾンビールも幅広くピックアップしました。さらに美味しく飲むためのヒントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

セゾンビールは17世紀に、ベルギーの農家で生まれたと言われています。当時は浄水された水が手に入りにくく、水を気軽に飲めませんでした。そこで、醸造の過程で煮沸や発酵を行うビールの方が衛生的だという考えから、農作業中の水分補給用に作られるようになりました。

「セゾン」は「季節」を意味します。当時は農家が収穫した穀物を使って、11～3月の農閑期にのみ作られていたため、セゾンビールと呼ばれるようになりました。

誕生当初は、収穫した穀物を野生の酵母で発酵させて作っていました。基本的な作り方は同じでも、原料や作り方の詳細は農家によってさまざまであったため、農家ごとに味わいの異なるビールが作られていたようです。

現在はベルギー由来の「セゾン酵母」を上面発酵させて作ったビールをセゾンビールと呼んでいますが、セゾンビール歴史を引き継ぎ、醸造所によって原料や作り方はさまざまです。中にはオーツ麦や小麦を使用しているものや、樽熟成を行っているものもあります。

セゾン酵母特有のフルーティーで華やかな味わいが特徴です。ホップの苦みやドライな酸味も感じます。また、水分補給目的で作られていたことからアルコール度数は低めで飲み口も軽く、さっぱりしているものが多いです。

昔は腐敗防止のために副原料として多くのホップやスパイスを入れていましたが、現在では個性を出すために副原料が使われています。醸造所によって原料も作り方も、そして味わいも異なるため、醸造所ごとの個性を楽しめるのが魅力です。

IPA（インディアペールエール）は苦みとホップの香りが特徴的なビールです。セゾンビールにも多量のホップが入っているものもありますが、IPAの方が強い苦みが感じられます。

また「セッションIPA」という派生スタイルの中には、フルーティーで軽いボディといったセゾンビールと共通点があるものもあります。しかしセゾンビールは、セゾン酵母由来のフルーティーさとスパイシーさが合わさったような独特の香りが特徴です。IPAとセゾンビールを飲み比べてみるのもいいでしょう。

デュポン醸造所はベルギーのエノー州にある、家族経営の小さな醸造所です。1850年の創業以来、伝統的な製法を守りながらビール作りを行っています。

醸造所の名前を冠した「セゾン・デュポン」は「セゾンビールの代名詞」とも言われているほど、セゾンビールを語る上で欠かせない存在です。ホップの苦みとスパイシーな香り、そしてわずかに感じる酸味のバランスが絶妙で、世界中で愛されています。

常陸野ネストは、茨城県那珂市にある木内酒造が手がけるビールです。ラガービールからエールビールまで、幅広い種類・スタイルのビールを扱っています。どれも質は上々で、国内はもちろん海外でも人気です。

セゾンビール「セゾン・ドゥ・ジャポン」はビール酵母だけでなく清酒酵母の米麹を使っており、米麹ならではの甘みや酸味が感じられます。さらに少しだけ入っているゆず果汁のおかげで後味はすっきり。日本の夏によく合うセゾンビールです。

兵庫県神戸市北区にある神戸・六甲ビール醸造所は、1997年創業です。日本のクラフトビール黎明期から、情熱とこだわりを持ってビール作りを行っています。

六甲ビールの手がけるセゾンビール「SAISON」は、口に運ぶとまずブドウのようなさわやかな香りが広がります。その後に感じるホップの苦みが心地よく、何度も飲みたくなる絶品のビールです。2021年には国際ビアコンペセゾン部門の国内最高賞を受賞しました。

三陸ビールは、岩手県大船渡市にある三陸ブルーイングが手がけるビールです。ベルギースタイルを中心に、軽くて飲みやすいビールを揃えています。

原料に三陸産の素材を用いているのも特徴です。セゾンビール「恋するセゾン」には陸前高田の名産である「北限のゆず」と、三陸町越喜来の山椒が使われています。フルーティーなセゾン酵母とゆずの香り、そして山椒のアクセントが効いたさわやかなビールです。暑い日に飲みたくなります。

「よなよなエール」でおなじみのヤッホーブルーイングは、クラフトビールの最大手メーカーです。日本初の缶入りクラフトビールを販売するなど、創業当時から日本のクラフトビール界を牽引し続けています。

セゾンビール「僕ビール君ビール」は「リフレッシュ」をコンセプトに作られています。コンセプトの通り、飲み口は軽くて爽快です。取扱店はローソン・ナチュラルローソン・ポプラの3社となっています。仕事帰りにコンビニで買って、自宅でゆっくり味わってみてください。

セゾンビールの適温は8～10℃前後です。キンキンに冷えた状態よりも少し冷たいと感じる程度の方が、セゾン特有の豊かな香りや風味がしっかり感じられて美味しくいただけます。

ビールを冷蔵庫から出して約3分放置し、それからグラスに注ぐと適温になります。セゾンビールの美味しさを堪能するため、ぜひ試してみてください。

グラスは「天開グラス」がおすすめです。飲み口が反った形状をしており、グラスを軽く傾けるとビールがスムーズに喉へ流れていくため、ゴクゴク飲みたいセゾンビールに適しています。

缶ビールの場合も、グラスに注いで飲みましょう。グラスの方が飲み口が広いので、セゾンビールの香りが立ってより美味しく感じられます。

軽い口当たりのセゾンビールに濃い味のおつまみを合わせると、おつまみの主張が強すぎてビールの美味しさが引き立ちません。セゾンビールにはサラダ・マリネ・チーズといった、塩味や酸味のあるさっぱりしたおつまみが好相性です。

お寿司や漬物といった和食ともよく合います。揚げ物を選ぶならレモン・梅・シソなどさわやかな風味のものがおすすめです。

セゾンビールは軽くてさっぱりしており、飲みやすいのが魅力です。農作業の休憩中に飲むセゾンビールはさぞかし美味しく、リフレッシュできたと想像できます。現代でもセゾンビールはリフレッシュしたいときに最適です。本記事を参考に自分好みのセゾンビールを選んで、一日の疲れを癒しましょう。