ロードバイクのシートポストおすすめ12選｜選び方・交換のコツ・注意点などを解説

近年は健康志向もあって、休日などにロードバイクでツーリングを楽しむ人をよく見かけるようになっています。多くのサイクリストはカスタマイズした自慢のバイクに合わせたウェアやヘルメットを身に付けていて、さながらサイクルメーカーのCM撮影をみているようです。

そんなサイクリストがこだわっているバイクパーツのひとつに、シートポストがあります。シートポストは人の身体でいえば体幹のように、バイクとライダーをバランスよくつなぐ重要な機能を担っているパーツです。またシートポスト交換はロードバイクの軽量化に大きく貢献してくれるため、多くのサイクリストがより軽いものへと交換しています。

今回はそんなロードバイクを軽量化できるシートポストについてのお話です。種類や効果に加えて、人気のメーカーやおすすめの商品を紹介します。

もっともシンプルな構造をしているシートポストはノーマルタイプです。一般的な自転車に多く装着されていて、スポーツバイクでも主流となっています。

価格が優先されるママチャリや子供用のバイクはスチール素材がほとんどです。さまざまな軸径や長さと異なる材質のものが揃っているので、サイズを間違えないようにしましょう。

ロードバイクは長時間に渡って走破するため、お尻が痛くならないように振動軽減を望む声は少なくありません。ところがノーマルのシートポストは筒状の素材を変形させてつくられているため、振動吸収は素材の弾性に大きく左右されます。

サスペンション機能がついたシートポストは、素材の剛性とスプリング効果で振動を吸収できます。クッション性を格段に高められる優れものです。

BMXのサドルは、一般的なレールタイプではなくピボタルタイプが主流です。1本のボルトでサドルとシートポストを固定する独創的な取り付けとなっています。

サドルも軽量化でき、衝撃にも強い構造が魅力です。サドルの角度調整の自由度が高く、お尻にも優しく人気があります。レールタイプのサドルの場合は、セットでの交換が必要です。

フレームのシートチューブにシートポスト機能を持たせたもので、一体品になっているのが特徴です。高さの調整はほとんどなく、一旦シート長を決めたら変更する必要のない競技用です。

カスタム対応する場合が多く、サイクリストに合わせたポジションが得られます。市販モデルに採用されているケースは希です。

ロードバイクにとって重さは、漕ぎ始めの負荷や登坂時の負荷などを大きく左右する要素です。軽快に速く走るためには軽いものが有利であるのは言うまでもありません。

一般的な市販車にはアルミ製のシートポストが装着されています。それを軽い素材でつくられたものに変更すれば軽量化が可能です。シートポスト変更は軽量化パーツの上位にランクされています。

路面からの振動はシートポストを介してライダーに伝わってきます。タイヤからサドルまでのさまざまなパーツが振動を吸収していて、シートポストもそのひとつです。

シートチューブは垂直に対して倒れているため、シートポストにも斜めの力が加わってたわみます。このたわみが振動を吸収してくれるのです。このため、しなやかにたわむシートポストに交換すると、乗り心地が変ります。

ダンシングは登坂時にサドルからお尻を浮かして車体と左右に揺らす動作です。ダンシングするときに重心が高い位置にあると、左右に振られ過ぎます。

シートポストはサドルの下に組み込まれているため、重心の位置を高くしているパーツです。このため、軽いシートポストほど重心位置が下がり、ダンシングがしやすくなります。

ほとんどのシートポストにはブランドロゴなどが記されています。降車しているときは、カスタム化したさまざまなパーツが見やすくやりますが、乗車してしまうと見にくくなってしまうものも少なくありません。

シートポストは停車時や走行時でもブランドを誇示してくれます。さりげなくカスタム化をアピールしてくれるパーツです。

シートポストは装着した状態では、シートチューブとの一体性が重要なパーツです。軸径が大きければはめ込めないし、小さければ「がたつき」がでてしまいます。

細いシートポストを装着したい際は、シートポストシムと呼ばれるアダプターで対処できます。この場合はシムの内径と外形を充分に確認してください。

シートポストの必要長さはライダーによって異なります。抑えるべきポイントは、ライダーのポジションに合わせた際のシートチューブへの最低挿入長の確保です。

最適ポジションがわからない場合は、300mm以上の長めのものを選びましょう。長すぎるシートポストは重くなるため、ポジションが決まったら、余分な部分のカットがおすすめです。

シートポストにセンターに対してサドルは後ろ側にオフセットしていて、真上にある状態を「オフセットゼロ」と呼びます。サドルとペダルの位置関係とサドルとハンドルの位置関係で決まるポジショニングは人それぞれです。

オフセットによりシートポストがたわみやすくなり、衝撃を吸収してくれます。オフセット量が少ないほどパワフルに漕げる場合もあるため、自分に合ったオフセット量を探してください。

市販ロードバイクのサドルはレールタイプが一般的です。ほとんどのシートポストにレール対応のアダプターがついています。

シートポストを交換する場合は事前にサドルとの互換性を確認しましょう。サドルへの装着性は、オフセット量の調整や角度調整などのチェックも必要です。

アルミ製のシートポストはステンレス製より軽くでき、一般的には300gから400gとなっています。また錆びにくく耐久性にも優れているのが特徴です。

市販されているスポーツバイクに標準的に採用されているのはアルミ製のシートポストです。価格的にはチタンやカーボンより安価であるのも大きな魅力で、軽量化する場合のコストパフォーマンスに優れています。

製品によってバラツキがありますが、カーボン製のシートポストは200gを切るものも多くリリースされています。アルミ製からカーボン製に変更すると大きな軽量化の効果が得られるので、乗り心地の改善が可能です。

また、カーボンは炭素繊維を樹脂で固めたものであり、絶対に錆びないのも特徴のひとつです。アルミより滑りやすく締めすぎに弱いので、専用の滑り止めを使用しながら締め付けトルクを管理してください。

チタンは同じ体積のアルミより重い半面で、強度が3倍と高くなっている金属です。薄くしても強度を確保できるため、結果的に製品としての重量を大幅に軽量化できるのが特徴です。

熱に強く金属アレルギーもおきにくいチタンは、よくしなって衝撃を吸収してくれます。シートポストにとって理想的な素材ですが、高価であるのが残念です。

タイオカは1897年に創業され神戸に本社をおく㈱マルイのサイクル総合パーツブランドです。自社で企画したもののOEM調達や製品発掘したものをブランド化しています。

ヘッド部とチューブ部を一体成型したカーボン製のシートポストは200gを切った超軽量を実現しているのが特徴です。

トムソンは1981年にアメリカで設立されたアルミ部品メーカーです。同社は豊富な技術と経験を有していて、航空機の機体に使用される部品を担う強度と信頼性の高さが特徴です。

MTBレーサーだった創業者が、愛娘のためにつくったワンピースタイプのシートポストが、サイクルパーツへの参入のきっかけでした。最近ではカーボンやチタン製品も手掛け幅広く展開しています。

NITTOは福島に拠点を持つ㈱日東の自転車部品ブランドで、設立は大正12年と長い歴史を誇っています。金属チューブの加工や溶接技術に長け、製造工程だけでなく検査工程にまで匠の技にこだわっているのが特徴です。

ハンドルと並んで人気を集めているシートポストは、同社ならではのセットバック形状に彫り込まれたロゴが存在感をかもしだしてくれます。

シマノProはサイクルメーカーのシマノがリリースしているオリジナルブランドで、さまざまなバイクのパーツやアクセサリーを展開しています。同ブランドはVIBE・PLT・LTの3シリーズでグレードがわかれているのが特徴です。

リーズナブルな価格設定となっているLTグレードではアルミ製シートポスト、VIBEグレードではカーボン製シートポストが揃えられています。

KCNCは1996年にイギリスで創業された業界では名前が知れ渡っている軽量自転車パーツメーカーです。同社はCNC技術による軽量化・低価格化・高いデザイン性にこだわっています。

同社の「TIプロライト」はスカンジウム合金を採用しており、なんと153gしかない超軽量のシートポストです。また7075アルミニウム合金に置き換えた「セプロライト」は、手が届きやすい価格設定になっています。

カーボン素材は強い強度を誇りますが、集中荷重に脆い弱みを持っています。カーボン製のシートポストに交換する場合は、専用のシートクランプへの変更がおすすめです。また締め付けすぎないように、トルクレンチなどでトルク管理してください。

カーボン素材には表面の摩擦係数が低い特性があります。走行中にシートポストが沈んでしまうトラブルを回避するために、交換時には必ずカーボン素材用のグリスを塗布するようにしてください。

アルミのシートポストは固着しやすいため、交換時や高さ調整時は必ずグリスを塗布しましょう。固着する原因は主に2つあります。

ひとつ目は錆です。シートポストとシートチューブの僅かな隅間に侵入した水分などで発錆します。カーボンやチタン製のシートポストは錆びませんが、シートチューブ側の錆で固着してしまいます。グリスが塗布されていれば錆のリスクを軽減できます。

ふたつ目が電蝕です。異なる金属間に水分が浸み込むと電気が流れて腐食してしまいます。電蝕は錆よりも厄介ですが、グリスを塗布すると防止できます。

ロードバイクでのツーリングは時間をかけて長い距離を走り続けます。疲れずに快適に走り続けるためには軽いバイクウエイトと高い衝撃吸収性が必要です。シートポストは軽量化する費用対効果の高いパーツなので、さっそくバイクのカスタム化を検討してみましょう。