七輪で火起こしする方法を紹介｜使い方や着火剤なしの火の付け方、炭の置き方は？

自宅の庭やキャンプ場など、屋外で手軽に炭火焼きを楽しめる七輪。炭火は食材の旨味を引き出す遠赤外線効果が非常に高いのが特徴で、ガスと比べて約4倍になります。七輪で調理すると外はパリッと中はふっくらとした焼き上がりになり、いつもと違った食感を楽しめるのが魅力です。

しかし、七輪と一言で言っても、材質や形状が異なり、さまざまな商品があるため、どれを選べばいいのか分かりにくいですよね。七輪を初めて使う初心者の方では、使い方から分からないという方もいるかもしれません。

そこで本記事では、七輪の火起こしについて初心者の方でも分かりやすいように詳しく紹介します。火起こしの方法だけでなく、火起こしするときにあると便利なアイテムや、着火剤なしでも火を起こす方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

七輪は、炭を用いて調理する器具です。炭からは食材の旨味を引き出す遠赤外線効果が発生し、旨味成分を逃さず調理できます。また、炭だけでなく七輪本体からも遠赤外線を発生させる商品もあり、相乗効果でより効果的に旨みを引き出せるのがポイント。そのため、同じ食材を焼いても七輪を使ったものと使っていないものでは、食感も味も変わるのが魅力といえます。

七輪は焼くだけでなく、炊飯・燻製・蒸す・煮るなどさまざまな調理が可能です。火力の強さを利用して、中華料理のような炒め物もお手のものです。七輪は一台で何役もこなしてくれる、とても便利なアイテムです。

さまざまな食材を美味しく調理できる七輪ですが、火を使う特性上、いくつか注意するべき点があります。七輪を室内で使う場合は一酸化炭素中毒にならないように、密室では使わず換気ができるところで使いましょう。一酸化炭素中毒は最悪の場合、生命に関わる事故につながるので、換気が重要と覚えておいてください。

また、室内で使う際は炭の種類にも注目しておきたいところです。素人は炭なら何でも使えると思ってしまいがちですが、木炭・豆炭・備長炭・オガ炭・練炭など複数の種類があり、使う場所によって向き・不向きがあります。室内なら煙が少ない備長炭・オガ炭がおすすめです。

七輪で火起こしをするのに必要なものは、七輪・炭・バーナー・着火剤・火ばさみの4つです。七輪は一生物として愛用できる切り出し七輪と、リーズナブルな価格設定の練り物七輪の2種類があります。気軽に七輪を楽しみたいなら練り物七輪で十分です。

炭は、さまざまな種類のものがありますが、七輪におすすめと言われているのが高級な備長炭と、備長炭に劣らぬ性能でやや低価格なオガ炭です。バーナーはマッチやライター、着火剤は新聞紙で代用できなくもないですが、時間がかかる上に危険性が高く、あまりおすすめできません。

燃焼中の炭は高温なため、やけどを防止するためにも火ばさみは必須です。トング式や折りたたみ式など種類があるので、使いやすいものを選びましょう。

火を起こす前に確認しておくべきことは、七輪の底にセットする火皿です。破損していないか、セットするのを忘れていないか、チェックしましょう。また、送風口がきちんと開閉できるかも要確認です。煤や灰が詰まると開閉できなくなるため、必ずお手入れしておきましょう。

いつも火を起こすのに手間がかかってしまう方は、ガスバーナーを使ってみましょう。ガスバーナーはクッキングバーナーやトーチバーナーとも呼ばれており、ホームセンターで気軽に購入できる火起こしグッズです。

バーナー以外にガスボンベが必要になりますが、ガスを噴出させ着火したら、あとは炭を赤くなるまで炙るだけなので簡単に火をつけられます。ガスバーナーは繰り返し何度も使えるので、1つ持っておくと今後も便利です。

火起こし器は円筒状になっているのが特徴で、煙突効果の原理を利用して火起こしをしやすくするアイテムです。下部に設けられた空気の取り込み穴から新鮮な空気を常に取り入れるため、火が燃え続けて炭に火がつきやすくなります。

火起こし器を使う際は、火起こし器の下部に新聞紙や着火剤を起き、その上に炭を小さいものから順に並べましょう。並べ終わったら、新聞紙や着火剤に火をつけてしばらく待てば火がついた炭が出来上がります。

着火剤は火起こしの手助けをしてくれる便利アイテムです。ゼリー状のものや圧縮木材繊維を使用したものなど、さまざまな種類がありますが、使い方は大きく変わりません。

着火剤を使う際は着火剤を一番下に置き、その上に炭を並べてから着火剤に火をつけます。炭を並べるときは、小さいものから順番に並べて大きいものは上の方に来るようにしましょう。炭で覆い尽くすと空気が流れにくく火が消えてしまうので、適度に空気の通り道を作るのがコツです。

いざ使おうと思ったときに着火剤を用意するのを忘れたという経験はありませんか。着火剤は火起こしにとても便利なアイテムなので、ないと焦ってしまうかもしれませんが、さまざまなもので代用できます。

王道アイテムとして新聞紙が挙げられますが、ただそのまま使っても炭に火がつく前に燃えきってしまうため、ちょっとした工夫が必要です。その工夫とは、新聞紙を20cm程度の棒状になるように丸め、井げた状に組んだ後、新聞紙が倒れないよう周りに炭を置きます。その後、真ん中に火をつけた新聞紙を投入すれば火が付きます。

また、新聞紙以外にも、乾燥した小枝・割り箸・松ぼっくりなど代用できるものはたくさんあるので、着火剤を忘れたときに焦らないよう覚えておきましょう。

株式会社カワセのアウトドア・レジャーブランドのバンドック。バンドックの七輪は、2～3000円台で販売されているため、リーズナブルな価格の七輪を探している方におすすめのブランドです。本体下部に空気窓が設けられており、お好みの火力に調整できます。

サイズがやや小さめなので、大人数用ではなく、1～2人用と割り切って使うのがおすすめです。公式から練炭の使用は避けるように明示されているので、練炭以外の炭を使いましょう。

主に円筒状になっている商品が多い火起こし器ですが、キャプテンスタッグからは折り畳める火起こし器が販売されています。円筒状のものよりもコンパクトにできるため、荷物が多くなりやすいキャンプやバーベキューのときにあると非常に便利です。

火起こし器が欲しいけど荷物のかさばりが気になって購入に至らなかった方は、キャプテンスタッグの折りたたみ式火起こし器を検討してみましょう。

ホームセンターや100均などでも販売されている着火剤ですが、火起こしにも保管にも便利な着火剤を探しているなら、ロゴスの防水ファイヤーライターがおすすめです。ロゴスの着火剤は完全防水で、水に濡れても燃え続ける高火力が魅力。

また、湿気ることがないため、使わないときの保管場所にも困りません。1箱に21ピース入っており、炭1kgに対して1～2個しか使わないので、長い目で見るとコスパのいい着火剤です。

逆さにした状態でも使えるガスバーナーを探しているなら、ソトのフィールドチャッカーがおすすめです。一般的なガスバーナーを逆さで使用すると生火が出て危険を伴いますが、瞬間気化システムを採用したフィールドチャッカーなら、逆さにしても生火が発生しないので安全に使えます。

空気調整機能搭載により、900～1300℃までの炎に調整可能です。安全性の高いガスバーナーを探しているなら、ソトの商品を検討しましょう。

炭の処理方法は、2通りあります。まず、水に浸す方法です。金属製のバケツに水を張り、完全に火が消えた炭を火ばさみでひとつずつ入れていきます。もしくは、火消しツボを利用する方法です。ツボの中に炭を入れてフタをすれば、酸素が断たれて火が消えます。こちらは次回も再利用できるので、経済的です。

七輪は1度使用しただけでも汚れます。その都度お手入れをする必要がありますが、珪藻土製の七輪は水洗いNGです。珪藻土は吸水性が高いため、水分を含んだ状態で加熱すると割れてしまう可能性があります。外側を濡れたふきんで拭く程度にしておきましょう。

内側に付いた油汚れを落とすには、ガスバーナーであぶって汚れを焼き切りましょう。また、空気口まわりに溜まった灰をかき出しておきます。灰が溜まったままだと、空気口が開かなくなる恐れがあるので気を付けましょう。

焼き網の汚れも落としたい場合は、炭に火が付いた状態で、アルミホイルを巻いた網を七輪に置きましょう。網でフタをされた七輪内部が高温になり、汚れが灰になります。この方法なら、網と七輪がいっぺんに掃除できます。

珪藻土製の七輪は水に弱い性質があるため、雨がかかるような場所や湿度の高い場所を避けて保管しましょう。珪藻土は水分を含んでしまうとカビが生えたり、ひび割れする可能性もあります。なるべく風通しのいい乾燥した場所での保管をおすすめします。

七輪の火起こしについて紹介しました。七輪を使うために避けては通れない火起こしですが、便利グッズや手順などを覚えておけば誰でも簡単に火起こしができるようになります。本記事を参考に七輪を使ったキャンプライフを楽しんでください。