高校生の読書感想文におすすめの本17選｜書きやすい本・すぐ読める本も

読書感想文は夏休みの宿題の定番かつ、最も面倒な宿題の1つです。読書好きでも感想文は苦手な場合も多いのに、読書が嫌いだと苦痛以外の何物でもありません。仕方なく本を読んだところで、本の感想をどうやってまとめたらいいのか毎年途方に暮れてしまいます。

実は、読書感想文をスムーズに書くためには読みやすいだけでなく、書きやすい本を選ぶのが重要です。書きやすいテーマの本を選べば、自然と書きたい文章が浮かびます。

そこでこの記事では、読みやすく書きやすい、高校生向け読書感想文用の本の選び方を解説します。おすすめのすぐ読める本も幅広くピックアップしました。感想文をうまくまとめるコツも紹介しています。読書感想文が苦手な高校生必見です。ぜひ最後までご覧ください。

部活や学校を舞台にした話を、主人公と同じ視点で読み進められるのは高校生ならではです。

主人公の立場になって読むのはもちろん、主人公の友人や先輩・後輩など、登場人物の一人に自分の姿を重ねながら読むのもおすすめです。共感できる点やできない点を見つけ、その理由を具体的に考えてみると自分ならではの感想が書けます。

恋人や家族との関係について悩んでいるなら、恋愛や家族愛について描いた本はいかがですか。自分にとって大切な存在について改めて考えるいいきっかけになります。ペットを飼っているなら動物愛をテーマにした本もおすすめです。

いい話だった、で終わらせないよう「自分だったらどうするか、どう思うか」を考えながら読んでみてください。

自分と共通している部分を見つけると物語に共感しやすく理解しやすいため、読書感想文が書きやすくなります。高校生なら学校生活や友達との友情など同じくらいの世代の主人公や環境、境遇であれば自分と重ね合わせながら見るため感情移入しやすいです。

また、趣味でテーマを絞るのもおすすめです。たとえば、歴史に興味があるのなら歴史をテーマにかかれた本をチョイスします。興味が湧く内容にすれば読書が苦手でも読み進められます。

アニメや漫画に興味があるなら、読書感想文のテーマとしてチョイスするのがおすすめです。日本のアニメは世界でも認知度が高く、ハイクオリティな作品で人気があります。そのため、日本のアニメや漫画に関した研究は多くなされており、アニメ好きなら読んでいて興味の引く内容です。

分野もさまざまで、マーケティングや精神分析、妖怪や特撮ヒーローの研究まで幅広いラインナップです。研究について自分なりの考察を感想文にしてもいいかもしれません。

ロシアによるウクライナ侵攻により、戦争の悲惨さを目にする機会が増えました。加えて、夏は原爆記念日や終戦記念日があります。夏休みに戦争をテーマにした本を読んで、平和の大切さについて深く考えてみるのもおすすめです。

環境問題や感染症に関する本も、本の感想とニュースで見聞きして感じたこと、経験したことを織り交ぜながら書けるので読書感想文に最適です。

将来への不安や人間関係の難しさなど悩みを抱えているなら、「生き方」などをテーマにした哲学的な本を読んでみてはいかがですか。モヤモヤした気持ちが晴れるような表現に出会えるかもしれません。心に響いた表現とその理由を掘り下げて書いた感想文は、読み手の心にも届きます。

哲学と聞くと難しそうに感じますが、高校生にもわかりやすい表現で書かれた本も多くあります。

ノンフィクションの本は実際に起きた出来事を元に描かれています。知っている出来事を題材にした本なら状況を想像しながら読めるので、あまり読書をしない人でも読みやすいです。

本当にあったとは思えないほどショッキングな話もありますが、その分強く心に残り感想も書きやすいため、読書感想文が苦手な人におすすめのジャンルです。

読書が苦手で長い本を読みたくないなら、短編集の中から1作だけ読んで、感想をまとめるのも手です。ただ短い話だと書きたい内容も少なくなりがちなので、本の選び方がよりいっそう重要になります。

おすすめは芥川龍之介の『羅生門』や『蜘蛛の糸』です。人間の業について考えさせられる内容になっており、主人公の行いの良し悪しやその理由を書くと文字数を稼げます。

課題図書は、読書感想文コンクールの主催者が指定した本です。新書の中から読者の年齢に合ったものが選ばれているので、時世に合った読みやすい本に出会えます。

たとえば「青少年読書感想文コンクール」では、毎年異なるジャンルの3冊を課題図書として指定しています。本選びに迷ったら、課題図書もチェックしてみてください。

教科書に掲載された作品は名作揃いです。小説だけでなく、戯曲や評論、随筆や詩など多岐にわたります。どれが国語の教科書に掲載されたのか作品名が知りたい方は、一般図書で一覧をチェックできます。

その他、教科書掲載作品は著名な作品であるため参考書やネットに作品の概要や読み方が検索でき、読書感想文が書きやすいのがメリットです。また「読んでおきたい名著案内教科書掲載作品 小・中学校編」には 小学校と中学校の国語の教科書に掲載された作品が一冊にまとまっています。

青少年読書感想文全国コンクールは1955年の開催以来、現在まで続く有名なコンクールです。主催者側が本を選択する課題図書と生徒が自由に決める自由図書の2つの部門があり、読書感想文の上位コンクール入賞作品が選ばれた本とともに公式ホームページで公開されています。読む本のヒントにしてもいいですし、実際に高校生が書いた読書感想文を参考にするのもひとつの方法です。

読書感想文を大学受験に役立てるなら、大学入試で出題に使われた本をチョイスするのがおすすめです。たとえば、青山拓央著「心にとって時間とは何か」は2021年に複数の大学でこの本が出題されています。

桑子敏雄著「何のための『教養』か」も同じように複数の大学で出題されました。このように同じ本が出題される傾向があるため、一度目を通しておくと損はありません。本を読んでから出題された問題を見るだけで、大学入試試験の何らかのヒントになるかも知れません。

異世界転生・ホラー・ミステリーなど娯楽性が高すぎる本は、高校生の読書感想文には不向きといえます。娯楽性が高い本はエンタメ要素が高く、読書後の気づきなどが書きにくいからです。エンタメ要素に特化したものは避けた方がいいでしょう。

感動したことや疑問に思ったこと、初めて知ったことなど、印象的な箇所に出会ったらメモをしておきましょう。本に直接付箋を貼るのもおすすめです。

メモを見ればどんなところが心に残ったかがわかるので、あとはメモを見ながら感想をまとめるだけです。何度も読み返す必要はありません。「なぜそう思ったか」もあわせてメモしておくと、さらに書きやすくなります。

構成は導入・あらすじ・感想・まとめの「4段落構成」を意識してみてください。書き出しに悩む方は多いと思います。書き出しには、その本を選んだ理由を書くのがおすすめです。題名・表紙・話題作など気になるポイントはいろいろあります。

4段構成の配分の目安は以下の通りです。

• 導入・書き出し：1割
• あらすじ：1割
• 感想：6割
• まとめ：2割

最も重要なのは感想ですが、読み手の心を掴む書き出しにも力を入れましょう。まとめには「本を読んで得た気付きを今後どう活かしていきたいか」といった内容を書きます。

気持ちのこもった感想文にしたいなら、読み手を想像しながら書いてみてください。筆者や本の登場人物・先生・家族・友人など誰でも構いません。過去や将来の自分でもOKです。

読み手を想像すると伝えたい内容が浮かびやすいだけでなく、まとまりのある文章になります。メッセージ性も強くなるので、読み手の心にも響きます。

物語の主人公の行動や感情などを「もし自分だったら」と比較しながら書くのがおすすめです。自分と主人公を比較することで、主人公の感情を深く読み取れます。また、過去に読んだ本とテーマが似ているなら、過去の作品のと比較するのもいいでしょう。

同じテーマの本を過去にも読んだ経験があるなら、以前に読んだ本と今の本を比較する方法もあります。同じテーマであっても作者によって考えが違ったり、時代背景が異なっていたりします。2つを比較しながら自分の意見を踏まえ、感想文にするのもOKです。

想像力が豊かであれば、本の続編を想像してみます。自分がストーリーの続きを考え、新しいキャラクターを設定してもいいですし、新たな考察を加えても面白いです。シリアスなものがパロディに転換するなど想像力によって感想文が書ければオリジナリティのある内容に仕上がります。

コピペは基本的にばれます。先生は毎年読書感想文を読んでいるので、検索などでコピペに気付く場合がほとんどです。また、気づかずコンクールに出品されてしまうと厄介です。出品後に盗作だとバレると先生や親に怒られるだけでなく、内申に響いたり大学の推薦を受けられなかったりする恐れもあります。

ネットには読書感想文のテンプレートがたくさん掲載されています。感想文が苦手なら、テンプレートを参考にしながらオリジナルの感想が書けるようがんばりましょう。

読書感想文攻略の鍵は、本選びにあります。自分にとって書きやすいテーマの本なら感想も浮かびやすいです。本記事を参考に高校生向け読書感想文の本を選んで、今年の夏こそ読書感想文の宿題を楽にクリアしましょう。メモを取りながら読むと、読み返す手間が省けて負担が軽くなるのでおすすめです。