伊坂幸太郎さんの小説おすすめ20選｜読む順番や初心者に人気の作品は？

数々のヒット作を世に送り出している小説家・伊坂幸太郎さん。あまり本を読まなくても名前は知っている方も多いですよね。映画化されているものも多い伊坂幸太郎さんの小説は、中学生・高校生が楽しめる作品もたくさんあります。

先が気になる展開が読みやすい伊坂作品は、読書初心者さんにもおすすめです。読み手の興味をそそるような個性的なタイトルも魅力です。しかし、代表作が多い伊坂小説はどれを選べばいいのか迷いますよね。

そこで今回は、伊坂幸太郎さんのおすすめ小説について厳選の20作品のほか、伊坂小説の魅力や楽しみ方をご紹介します。初めての方はもちろん、前は心に響かなかった方もこの機会にぜひ伊坂ワールドにハマってください。

千葉県で生まれ東北大学法学部を卒業した伊坂幸太郎さんは、7年間システムエンジニアとして勤務した後の2000年に『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しました。同作で小説家としてデビューしました。

その後は『重力ピエロ』『ゴールデンスランバー』など数々のヒット小説を生み出し、多くの賞を受賞。海外でも多数翻訳されており、2022年9月には『マリアビートル』を原作としたハリウッド映画が公開予定です。

一度ハマると抜け出せない伊坂幸太郎さんの小説ですが、ここではその魅力について探っていきましょう。ハマってしまうたくさんのポイントがある伊坂作品ですが、代表的な特徴ともいえる4つの魅力をご紹介します。

伊坂幸太郎さんの小説のおもしろさといえば、なんといってもそのストーリー構成です。軽妙なセリフと共にテンポよく進む展開で、ページをめくる手が止まりません。

「序盤に出てきたエピソードはこういうことだったのか！」「何気なく読み進めていたら最後には一本の線に！」そんな驚きや気持ちよさを味わえるのが、伊坂小説の醍醐味です。

伊坂幸太郎さんの小説といえば、ユニークな登場人物たちも魅力のひとつです。現実にいそうでいないクセの強いキャラクターは伊坂作品のアイコンとも言えます。

伊坂小説に登場するキャラクターについてもうひとつの特徴的なのが、同じ人物が違う作品に再登場する手法です。作品を多く読んでいくほどに顔見知りが増えていく感覚が味わえます。

伊坂幸太郎さんの小説には心に残るセリフが多いのも魅力です。世の中へ向けたシニカルでユーモラスなセリフや、哲学的で胸を打つセリフがたくさんあります。

シンプルながら奥深い意味を感じるものも多く、ときには自分自身に響く素敵なセリフに出会える場合もあります。伊坂作品の中からお気に入りの名セリフを探してみるのもおすすめです。

宮城県・仙台市を舞台とした作品が多いのも伊坂幸太郎さんの小説の特徴です。東北大学出身で仙台在住の著者は「自分の住んでいる街だから嘘がつきやすい」とインタビューでコメントしています。

駅や建物など仙台の街並みを表す描写がとてもリアルで、読んでいて頭に情景が浮かびやすく、物語にスッと入り込める点も魅力です。

伊坂小説初心者さんの最初の1冊なら『ラッシュライフ』がおすすめです。伊坂幸太郎さんが注目されるきっかけとなった小説です。本作に登場するある人物がその後の伊坂作品にたびたび登場しているため、これを読んでおくとほかの作品をさらに楽しめます。

一人の死神を主人公とした連作短編集『死神の精度』も最初の1冊におすすめです。サクッと気軽に読める点が短編集の魅力。伊坂作品ならではのユニークな登場人物も見どころのひとつです。

まずは伊坂作品をジャンル別にご紹介します。それぞれの特徴・おすすめポイントを表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

伊坂作品は魅力的なものが数多くありますが、初めて読む方や学生の方はまずは短編から読んでみるのをおすすめします。短編の中にも映画化されている人気作品『死神の精度』・『アイネクライネナハトムジーク』があります。特に初めての方は短編の人気作品から読んで、伊坂ワールドに触れてみてください。

さらに、伊坂作品を数冊読んでいる方や読書に慣れている方は、長編小説がおすすめです。長編小説は『ゴールデンスランバー』など伊坂作品の中でも特に人気の作品が多く、さらにさまざまなジャンルが楽しめます。

伊坂作品を初めて読む方は、まずは最高傑作と呼ばれる作品を選ぶのもおすすめします。伊坂作品の中でもNO.1と称される小説は『グラスホッパー』です。主人公の殺し屋への復讐劇をハードボイルドなタッチで描き、見事なまでの伏線回収も魅力です。売上部数は140万部にのぼり、2015年には映画化されました。

また、『ゴールデンスランバー』も代表作との呼び声が高い作品です。殺害事件の濡れ衣を着せられた主人公の逃亡劇を描いた、スリル満点のストーリーが魅力です。こちらの作品も非常に人気が高く、2010年に映画化されています。

ただ読むだけで終わらないのが伊坂幸太郎さんの小説を読む醍醐味です。本の世界を飛び出してさらに広がっていくのが伊坂ワールドのおもしろさのひとつです。ここでは、読んだ後におすすめしたい4つの楽しみ方をご紹介します。

伊坂幸太郎さんの小説は映画化されている作品がたくさんあります。すでに10作以上の小説が映画原作となっており、複雑に入り組んだストーリーを映像で楽しめます。

おすすめは『アヒルと鴨のコインロッカー』です。映像化するのは困難と思われていた原作小説を見事に再現しています。ほろりと泣ける展開も心に響く、おすすめの1本です。

登場人物が多い伊坂幸太郎さんの小説は、人物相関図を書くのもおすすめです。個性的なキャラクターが多数でてくる伊坂作品は「この人誰の知り合いだっけ？」なんて場面もしばしば。

相関図を書いて整理してみると、意外な人物が繋がっていたり新たな発見があったりと楽しめます。相関図を片手にもう一度読み返すのもおすすめです。

実在する場所が多く登場する伊坂小説は聖地巡礼にもぴったりです。喫茶店・動物園・本屋・公園など、映画化された作品のロケ地を調べて訪れるのもおすすめです。

濡れ衣を着せられた主人公の逃亡劇を描いた『ゴールデンスランバー』では、仙台に実在する場所が多数出てきます。主人公と同じ道を逃亡してみるのもいいかもしれません。

伊坂幸太郎さんは現在でも精力的に作品を出し続けています。2022年4月には『マイクロスパイ・アンサンブル』が発売されました。また、新作・新刊には過去の作品の登場人物が出てくるなど、ファンを魅了する特徴があります。初めて読む方もまずは新作・新刊から読み始め、出てきた登場人物が登場する過去作品を読むのもおすすめです。

伊坂幸太郎さんの小説が気に入った方にはこちらの作品もおすすめです。まったく同じテイストといったわけではありませんが、伊坂好きが楽しめるポイントがある小説です。今回は日本と海外の作家から2冊ずつピックアップしました。

まずは日本人作家のおすすめ小説をご紹介します。今回は伊坂幸太郎さんの小説の特徴ともいえる「巧みな伏線回収」と「軽快な会話劇」に注目してピックアップしました。気になる方はこの機会にぜひ読んでみてください。

スカッとするような伏線回収が見たいなら辻村深月さんの『スロウハイツの神様』がおすすめです。上巻・下巻からなる長編小説ですが、読み進めるほどに先が気になりページをめくる手が止まらなくなります。

最後にすべてが繋がる気持ちよさは圧巻のひと言です。読み終えたときにはもう一度最初から読み返したくなる小説です。

軽妙な会話劇がお好きな方には長嶋有さんの『佐渡の三人』がおすすめです。親戚の納骨のため佐渡へ向かう家族3人の物語は、ありそうでなさそうな日常の中にあるおもしろさを楽しめます。

家族ならではの空気感や淡々と交わされる会話に、思わずクスッと笑ってしまう場面もあります。休日に気軽に手に取りたいおすすめの1冊です。

続いては海外の作家からおすすめの2冊をご紹介します。ここでは「どんでん返し」や「犯罪ストーリー」などの点で伊坂幸太郎さんの小説と共通しているものを取り上げました。翻訳ものが苦手な方もぜひトライしてみてください。

どんでん返しがお好きな方にはジェフリー・ディーバーさんの『クリスマス・プレゼント』がおすすめです。16の物語からなる短編小説は、海外の翻訳小説が苦手な方でも気軽に楽しめます。

原題『TWISTED（ねじれた）』の名のとおり、ひねりの効いたショートストーリーが魅力です。隙間時間にサクッと読めるおすすめの1冊です。

犯罪の香り漂う小説が好みならジェイムズ・エルロイさんの『ビッグ・ノーウェア』がおすすめです。『L.A.四部作』である本作は、映画化された『L.A.コンフィデンシャル』の前夜を描いています。

伊坂小説よりも重くハードボイルド色の強いジェイムズ・エルロイさんの作品ですが、重厚な犯罪小説が読みたい方はぜひお試しください。

今回は伊坂幸太郎さんのおすすめ小説について特集しましたが、いかがでしたか。ストーリー展開・登場人物・ユーモラスで心に響くセリフなど、伊坂幸太郎さんの小説は魅力がたっぷりあります。この夏はぜひ伊坂幸太郎さんの世界にハマってみてください。