平野啓一郎さんの小説おすすめ15選｜生い立ちから作品の選び方まで解説！映画化作品も

小説は恋愛やSFなどさまざまな世界を楽しむのにうってつけですよね。家で過ごす時間に楽しめる趣味として読書を始める方も多くいます。しかし、書店や図書館に並ぶ膨大な数の作品から、まずどの一冊を選べばいいのか迷った経験はありませんか？

とっておきの一冊を見つけたい方におすすめなのが、平野啓一郎さんの小説です。ストーリーを組み立てる技術や内容の面白さはもちろん、物語の世界にのめり込んでしまうような強い魅力があります。ページをめくりながら「読み終わってしまうのが惜しい」と感じてしまうこと間違いなしです。

また、平野さんは重厚な純文学作品からエッセイまで、幅広いジャンルを執筆している作家でもあります。この記事ではいくつかのポイントによる作品の選び方やおすすめ小説について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

平野啓一郎さんは1975年に愛知県で生まれ、2歳半のときに母親の実家がある福岡県へ引っ越しました。理系科目に強く医者になった姉からは音楽の影響を強く受けており、特にクラシック音楽は、平野さんの作品の多くでテーマとして取り上げられています。

また、京都大学で出会った恩師との関わりをきっかけに「思想を語るには、自分自身の力で練り上げた言葉を使わなければいけない」と学び、小説家としてデビューして以降もその考えを大切にしています。平野さんの妻・春香さんはデビュー作『日蝕』を読んでいた読者のひとりであり、職業はモデルです。

平野啓一郎さんが小説家を目指すきっかけになった人物のひとりが、戦後の日本を代表する小説家・三島由紀夫さんです。『金閣寺』や『仮面の告白』をはじめとする重厚な世界観は平野さんの作風にも影響を与えており、デビュー作『日蝕』で触れられる格式高い文章は「三島由紀夫さんの再来」と評されています。

また、各作品に登場するキャラクター達の思想や表情の豊かさも魅力です。「この人物はどんな音楽を好む？」「どんな思想をもっている？」など、あらゆる角度から深堀りされて生まれたキャラクターは読者を夢中にさせてくれます。

芥川賞(正式名称は「芥川龍之介賞」)は、新人・無名の作家を対象とし、特に優れた芸術性をもつ作品に贈られる賞です。賞のタイトルになっている芥川龍之介さんはもちろん、夏目漱石さん・太宰治さんなどの文豪作品のような、重厚で格式高い文章を好む方におすすめです。

平野啓一郎さんは京都大学在学中に書き上げた『日蝕』で芥川賞を受賞し、文学界に強い衝撃を与えました。現在は同賞の選考委員を務めています。

渡辺淳一文学賞は、株式会社集英社と公益財団法人一ツ橋綜合財団が主催する文学賞です。整形外科講師と作家の二足のわらじを履きながら、多彩なジャンルの作品を世に発表した作家・渡辺淳一氏の功績をたたえて創設されました。

平野啓一郎さんの人気作品である『マチネの終わりに』は、人間関係の機微を巧みに描いたストーリーが評価され、第2回渡辺淳一文学賞を受賞しています。2019年に映画化され、福山雅治さん・石田ゆり子さんがメインキャストを務めたことでも話題を集めました。

本屋大賞は、NPO法人本屋大賞実行委員会が運営する文学賞です。書店員が「自分の店で売りたい」「お客様におすすめしたい」と思った作品に投票し、部門別にもっとも人気の高い作品へ賞が贈られます。

平野啓一郎さんの作品では、5位に選ばれた『あの男』をはじめ複数の作品がランクインしています。ジャンル問わず面白い作品に出会えるので、迷ったらまずは同賞に注目してみてはいかがでしょうか。

短編集は一度に複数の作品を楽しめるうえに、ひとつの作品におけるページ数が少ないので読書に慣れていない方でも手に取りやすいのが魅力です。短編集を読んで「もっとこの人の作品を読んでみたい」と興味が湧けば、重厚な長編作品へも挑戦しやすくなります。

眠りに就くまでのひとときや通勤・通学中など、すきま時間にサクッと読めるため、忙しい方でも物語の世界に浸りやすいのが大きな特徴です。日常生活からほんの少し離れ、小説の面白さを味わってみてはいかがでしょうか。

読書好きな方はもちろん、平野啓一郎さんの短編集を読んで「もっと多くの作品を読んでみたい」と興味が湧いた方にもおすすめしたいのが長編作品です。芥川賞を受賞した『日蝕』や映画化された『マチネの終わりに』など、多くの作品が長編に該当します。

短編に比べて起承転結の移り変わりがじっくりと描写されており、ページをめくればめくるほど作品の世界に没入していく感覚を味わえます。本格的に読書を楽しみたい方はぜひ挑戦してみてください。

純文学作品とは、誰もが楽しめるような娯楽性よりも、文学性に優れていることを重んじた作品を指します。平野啓一郎さんは三島由紀夫さんをはじめとする多くの純文学作家に影響を受け、自身も芸術性の高い作品を多く執筆しています。

現代小説に比べて「とっつきにくい」と遠ざけられがちなジャンルですが、そのぶん文章の美しさや淡々と進むストーリーに心地よさを感じられるのが魅力です。

平野啓一郎さんの作品には、歴史上で有名な人物をテーマに取り上げたものが多く存在します。国内外で実際に起きた事件や出来事を学びながら「もしかしたらこの人物はこんなことを考えていたかもしれない」と想像を膨らませて楽しめるジャンルです。

平野さんが執筆した歴史小説では、ロマン派を代表する作曲家・ピアニストのショパンをテーマにした『葬送』や『ショパンを嗜む』が特に人気です。

作家の価値観や嗜好は小説でも感じられる部分はありますが、より分かりやすいものを求める方はエッセイや対談集を読んでみてはいかがでしょうか。平野さんのエッセイでは難解な言葉がほとんど使用されず、読者の興味を惹く分かりやすい文章で書かれているので読みやすいです。

『私とは何か――「個人」から「分人」へ』では、平野啓一郎さんの作品にも影響を与えた思想について詳しく解説されています。

深いこだわりと思想によって生み出された平野啓一郎さんの作品は、読者に特別な読書の時間を与えてくれます。これまで読んだことがない作風の小説に出会いたい方や、物語の世界に浸りたい方を夢中にさせてしまうこと間違いなしです。まだ手に取ったことがない方は、ぜひ書店や通販サイトで探してみてください。