古き良き名作が沢山！サイレント映画の人気おすすめ10選｜歴史と魅力を解説

パントマイムで物語を見せるサイレント映画。言語による壁がないため、外国の作品であっても映像を見るだけで楽しめます。音声のある映画とは違った魅力もあるので、今なお愛されているジャンルです。

無声の映画であるサイレント映画は、当時の映画館内では音楽を流す場合はあれど、情報はすべて視覚頼みです。映像だけで物語・登場人物の心情を伝えなければなりませんでした。そんな時代に観客が楽しめるように、試行錯誤して作られていったからこそ、サイレント映画は芸術作品として進化していきました。

今回の記事では、そんなサイレント映画の種類や選び方をご紹介します。また、おすすめのサイレント映画もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

映画がまだ「動く写真」だった時代があるのはご存知ですか。今でこそ映画は映画館でじっくり2時間ほど時間をかけて楽しむ娯楽ですが、当初は時間も短く、イベントの出し物の一つとしてテントなどで上映されていました。

1927年に台詞の入った「トーキー映画」ができるまでの映画は、音声・音響・台詞などを付ける技術がありませんでした。映画館内で音楽を別途流す場合はあっても、映画の内容を伝えるための台詞などはありません。映像だけでいかに観客を楽しませるかは、当時の映画関係者にとって大きな課題でした。

そんな中で工夫を凝らしていった結果、別々で撮影したシーンのつなぎ合わせたり、ズームアップ・アウトといった、現在でも使われる技術がこの頃に生まれていきました。

サイレント映画と一口に言っても、実はいろいろなジャンルがあります。まずパッと思い浮かべるのはチャップリンに代表されるコメディ。コミカルで軽快な動きは賑やかで、サイレント映画でも見どころが多いのが特徴です。初めてサイレント映画を見る人にもおすすめのジャンルです。

台詞による説明がなく、登場人物の表情や動きに集中して物語を楽しむには、実はシリアスな作風も非常に相性がよく数も多く存在します。戦争・歴史といったテーマのドラマ作品は、コメディに比べておとなしい印象はあるものの、昔ながらの映画の雰囲気を存分に味わえます。

日本でもサイレント映画は存在します。『雄呂血』などの迫力ある大立ち回りは、サイレントだからこそ生まれる緊迫感を楽しめます。

どのタイトルを選べばいいか悩む場合は、有名なサイレント映画俳優から選ぶのもおすすめです。喜劇王として名高いチャップリンの作品は、コミカルなパントマイムがサイレント映画初心者にもとっつきやすいものが揃っています。

チャールズ・チャップリンとともに活躍したハロルド・ロイド、バスター・キートンといった大スターも存在します。彼ら3人は「世界の三大喜劇王」とも呼ばれています。

今でこそ独自の魅力から愛されているサイレント映画。ですがサイレント映画は、台詞のついたトーキー映画の登場によって衰退していきます。

そんな切ない時代の移り変わりをサイレントで見事に描いたのが、2011年の『アーティスト』です。時代が急速にトーキー映画へと移り変わる中で、サイレント映画にこだわったサイレント映画の大スターであるジョージの姿が描かれています。

喜劇王として知られるチャップリンの作品も、社会風刺が多く含まれています。彼のトレードマークとなった山高帽・ちょび髭・ステッキといった姿は、ホームレスなのに紳士然と振舞う役の姿です。当時の貴族階級をからかったもので、権力者に反感を持つ民衆の心をつかんでいました。

サイレント映画は、現在では一般的な台詞付きの「トーキー映画」と異なりセリフは一切ありません。そのため、物語を自分なりに解釈することが求められます。受動的に鑑賞するのではなく、能動的に映画を深く理解できるとより一層楽しめます。

言葉による説明がないから内容が理解できない、と投げ出してしまうのではなく、俳優の動き・目線・カメラワークなど、あらゆるところに注意を払って「読み取る」ことの面白さを感じ取っていくのがおすすめです。

また、服装や動きなどで、登場人物のキャラクター性を描写している場合もあります。当時の時代背景をあらかじめ知っているとなお楽しめるので、サイレント映画鑑賞に慣れてきたら、時代背景にも興味を持って調べると深く味わえるようになります。

サイレント映画といえば、昔の作品しかないと思っている人も多いかもしれません。ですが、2011年に新たに作られた作品があります。

1927年から1932年、サイレント映画からトーキー映画に移行していく時代のハリウッドを舞台に、一つの時代の終わりと始まりによる悲哀が、まさにテーマのサイレントで描いています。あえて当時の雰囲気を作るため白黒になっています。当時の時代を知りながら、新しいサイレント映画を楽しめます。

今回はたくさんの種類の中があるから、サイレント映画の魅力・選び方を紹介しましたが、気になる作品は見つかったでしょうか。現在のトーキーとは全く異なった、独特の魅力の詰まった芸術作品です。この記事を参考にして、ぜひ自分の気に入るサイレント映画を見つけてください。