深町秋生さんの小説おすすめ10選｜どんな小説家？映画・ドラマ化作品も！

読書に抱くイメージは、どんなものですか。読書を趣味とする方、その中でも幅広く何でも読みたい方、好きなジャンルを中心に読む方など、さまざまです。あまり好きではないけど、たまには文庫本にチャレンジしたいと思っている人も少なくありません。

この記事では、ミステリー作家・深町秋生さんの小説をご紹介します。映画化やTVドラマ化された物語も多くあるので、ぜひチェックしてみてください。

「何か夢中になれる本はないかな」「少し怖いけど、スリルあるミステリーを感じたい」そんな方にもおすすめです。読みたい本がきっと見つかります。

深町秋生さんは、1975年（昭和50年）生まれ。山形県出身です。幼い頃から、父が趣味で書いていた小説に興味を持ち、小説家への憧れを抱いていました。

彼は専修大学の経済学部を卒業後、製薬メーカーへ就職。勤務の傍ら小説講座へ通って勉強を重ね、やがて評価されるようになります。

地元『山形新聞』主催の「山新文学賞」へ投稿を続けていた頃のペンネームは「加藤小判」です。由来は、アメリカのロックバンド・ニルヴァーナのフロントマンを務める「カート・コバーン」からの捩りといわれています。

2004年（平成16年）、第3回『このミステリーがすごい！』にて、深町秋生さんの『果てしなき渇き』が大賞を受賞しました。この時、水原秀策さんの『サウスポー・キラー』も同賞に選ばれています。

因みに、現在よく知られている題名・著者名は、単行本を出す際に改題・改名したものです。受賞当時のタイトルは『果てなき渇きに眼を覚まし』、名義は「古川敦史」でした。

宝島社はじめ三社が2002年に創設したこの小説賞は、通称「このミス」として親しまれ、2022年現在も多くの方に注目されています。

主人公・藤島は元刑事。現在は警備員です。彼には別れた妻と娘がいます。コンビニで目撃した殺人事件。程なく、元妻から娘が行方不明と知らされ、捜索を始めますが――

徐々に明らかになる娘の裏顔、人間社会の闇の部分を描いた本作。恐怖を感じつつも、先が気になります。麻薬・暴力・殺人等の過激な描写もある為、その点はご注意ください。

現実にはあってほしくない出来事ですが、フィクションとしてスリルを楽しみたい方におすすめです。一方、現実問題としてとらえると、さまざまな問題について考えさせられる深い作品です。

『組織犯罪対策課 八神瑛子』は、深町さんが著した初めてのシリーズものとして知られています。2011年に発刊の『アウトバーン』に続き、翌年には『アウトクラッシュ』、翌々年には『アウトサイダー』を発表しました。

上野署の組織犯罪対策課に勤める美人刑事・八神瑛子が活躍する物語です。更に2018年に『インジョーカー』、2022年には『ファズイーター』が発刊され、シリーズ全巻を通し注目を集めています。

人材派遣会社「NAS」の社長を務める野宮は、経歴不詳の美女。ヤクザの用心棒や国際テロリストの確保など、お金さえ受け取れれば何でも引き受けます。社員の有道は元自衛官の男性ですが、野宮に弱みを握られているらしく――

短編・連作なので、シリアスな内容ながらもサクサク読めます。また、回を重ねるごとに、主人公たちのキャラに親しみが沸いてきそうです。

警視庁人事一課監察係に勤める黒滝誠治。彼が活躍するこのシリーズは、『ドッグメーカー』のタイトルで2017年に新潮文庫より発刊されました。続いて2022年5月に『ブラッディ・ファミリー』が出され、話題を呼んでいます。

「ドッグメーカー」は主人公・黒滝の呼び名で、関係者の首に縄をつけてでも強引に情報収集するところからつけられました。これまでにもたくさんの事件を解決へ導いた凄腕の彼が、更なる難事件に挑みます。

2022年（令和4年）9月に公開予定の映画『ヘルドッグス』にも注目です。愛する人を殺され、復讐のために生きる元警察官の兼高。主演を務めるのは、元V6メンバーの岡田准一さんです。

サイコボーイといわれる室岡を演じる坂口健太郎さん、他に松岡茉優さん・北村一輝さん・大竹しのぶさんなど、豪華キャストが揃っています。原作は、2020年に角川文庫から発刊の『ヘルドッグス 地獄の犬たち』です。

2014年にフジテレビ系の土曜プレミアムにて、『アウトバーン マル暴の女刑事・八神瑛子』が放送されました。こちらは先述したシリーズ作の一つで、幻冬舎文庫の『アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子』を原作としたTVドラマです。

ミステリー、ハードボイルドやアクション小説を数多く手がけている深町秋生さん。これまでの作品はもちろん、これからの新作にも期待が膨らみます。新刊の予定をチェックするのもおすすめです。彼の描くスリルでミステリアスな世界をぜひ堪能しましょう。