【口コミも紹介】吉行淳之介さんの小説おすすめ10選│耽美な性愛の世界に触れよう

私たちをさまざまな世界に誘ってくれる小説、暇つぶしにサラッと読んだり、じっくり時間をかけて読み込みたい方もいらっしゃると思います。

世の中にはたくさんの小説家が存在しますが、耽美な性愛をモチーフに作品を綴る「吉行淳之介」をご存知でしょうか。性愛を取り上げた小説となると「下品」というイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、吉行淳之介さんの小説は芸術的であると評価されています。

こちらの記事では、性愛について美しく語る吉行淳之介さんの人物像や、おすすめ小説を紹介していきます。吉行淳之介さんが綴った小説の魅力についても解説していくので、ぜひ最後まで読んで、作品選びの参考にしてみてください。

作家の吉行エイスケさんと、美容師のあぐりさんの息子として生まれたのが作家・吉行淳之介さんです。性愛に関する数々の作品を書き上げ、芥川賞や新潮社文学賞・芸術選奨などさまざまな賞を受賞しました。

吉行淳之介さんの人生は自身の作風と同じく、数々の女性に囲まれており、かなりモテていたといいます。若い頃に結婚した本妻とは別居するも、離婚はせずに別の女性と同居。そのほかにも愛人がいたりと、恋愛に関してかなり奔放だった様子です。

しかし吉行淳之介さんは女性嫌悪思想の持ち主だったとされており、フランス文学者の奥本大三郎さんは「吉行は女嫌いだけど、女に無関心ではいられない人」と称していました。

ここからは、吉行淳之介さんの小説の魅力について解説していきたいと思います。熱狂的なファンも多い吉行淳之介さんの小説にはどのような特徴があるのでしょうか。

吉行淳之介さんが執筆した作品の魅力、1つ目は「シンプルで簡潔な描写」です。抽象的な表現ではなく鮮明でわかりやすい表現が多いため、小説初心者の方でも読みやすいのではないでしょうか。比喩表現が苦手で小説を避けていた場合でも楽しめるような、わかりやすい表現方法が用いられています。

情景をイメージしやすいので世界観にのめり込んで楽しむことができ、簡潔でありながら、豊かな表現に圧倒されること間違いなしです。

小説において性的表現は道徳的に邪道とされやすいのですが、吉行淳之介さんの作品は下品になりやすいテーマが美しく文学的に整えられています。文学的表現に触れながら、艶やかな性愛を楽しめるのも吉行淳之介さんが執筆した作品の魅力といえます。

タブーとされていた表現を用いつつも、美しく綴られた吉行淳之介さんの小説は、長年愛される純文学として今日まで名を知らしめています。

ここからは、吉行淳之介さんのおすすめ作品について紹介していきます。じっくりと読み込める長編からサクッと読める短編まで幅広く紹介しますので、ぜひ作品選びの参考にしてみてください。

じっくりと長時間楽しみたい方は、長編作品の「夕暮まで」や「砂の上の植物群」がおすすめです。

「夕暮まで」は主人公と杉子との性行為を描いた作品です。この作品の特殊な設定から、中年男性と若い女性の愛人カップルは「夕暮れ族」と呼ばれ、当時の流行語にもなります。

「砂の上の植物群」は吉行淳之介さんの代表作であり映画化もされました。主人公の伊木一郎は、仕事帰りに出会った真っ赤な口紅をつけた少女に出会い、とある依頼をされます。「姉をひどい目に遭わせて欲しい。」奇妙な依頼から始まる物語に、惹き込まれること間違いなしです。

中編の小説を楽しみたい方は「焔の中」「男と女の子」を選んでみましょう。あまり長い時間小説を読んでいる時間はないけれど、短すぎるお話も嫌という方にぴったりです。

「焔の中」は、戦時下にあった吉行淳之介さんの半自伝的小説です。若い青年が懸命に生きる姿がじんわりと心に染みる作品となっています。戦時中という重苦しい時代に生きる男の、性への関心や欲望が強く読み取れる青春小説です。

「男と女の子」は戦後の時代にフォーカスした作品です。サラリーマンをクビになった主人公とヌードモデル志望の少女のお話。恋情だけではなく、仲間との友情や戦死した友への回顧などの心理描写が巧みな中編小説となっています。

サッと読み終えたい方は短編小説の「驟雨」「鞄の中身」がおすすめです。時間がない方や、分厚い本は読めない場合にも気軽に手に取ることができます。

「驟雨」は芥川賞を受賞した作品です。サラリーマンの山村と、娼婦の道子との恋愛を鮮やかに描いています。山村の嫉妬心が燃えたぎる様子に、ゾッとする方もいるのではないでしょうか。

「鞄の中身」は少し不気味な短編小説です。19の作品が1つの小説にまとめられており、自らの亡骸を鞄の中に入れて持ち歩く人の話や、身体に得体の知れないものを住まわせている人の話など、独特な設定の短編作品が詰め込まれています。

豊かな表現力や耽美な性愛を楽しめる吉行淳之介さんの作品には、どのようなコメントが寄せられているでしょうか。ここからは、吉行淳之介さんが執筆した作品の口コミを見ていきましょう。

短編小説は高校の授業でも取り上げられていたようです。授業で習った作品を手に取ってみるということは、相当なインパクトがあったのだと考えられます。不思議な魅力を感じている方もいるようです。

いかがでしたか？吉行淳之介さんのシンプルかつ鮮明な表現方法や、耽美な性愛を楽しめる小説の魅力について解説しました。大人の恋愛を取り扱った作品をまだ手に取ったことがない方は、ぜひこちらの記事を参考にして、作品を選んでみてください。