米原万里さんのおすすめ作品10選│ロシア語通訳者としても活躍した天才作家の魅力

読書や文学が好きな方なら誰でも知っていると言っても過言ではない作家の1人が、米原万里さんです。少女時代に冷戦時代の共産圏で暮らしたという稀な経験を持ち、高い語学力を持つ彼女の作品は、ノンフィクション作品が高い評価を受けています。

読書好きでエッセイストとしても人気の高い米原万里さんは、ユニークで温かみのある文章のエッセイ集も多数出版しています。また、さまざまなメディアでも活躍した人物で、『徹子の部屋』でもそのユーモアあふれる人物像が話題になりました。

そこで今回は、米原万里さんの小説作品の魅力や小説を選ぶポイント、おすすめ作品10選を紹介します。これから米原万里さんの作品を読んでみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

米原万里さんは、父の仕事の関係で9歳に冷戦時代のチェコスロバキアへ渡った経歴を持ちます。チェコスロバキアの首都・プラハのソビエト学校で14歳まで学んだ経験を元に、ロシア語通訳や会議通訳者としてとして活躍しました。

高い語学力を生かした通訳・翻訳家としての顔を持つだけではなく、作家やエッセイストとしても多数の作品を発表し、多彩な才能を発揮しました。エッセイや講演会をまとめた本のほか、プラハ時代の経験を元に書かれた小説が高い評価を受けており、数々の文学賞を受賞しています。

残念ながら米原万里さんは2006年に56歳の若さで他界されましたが、作品の魅力は失せることなく、現在でも米原万里作品は現在も長く読み継がれています。

米原万里さんの魅力としてまず挙げられるのが、多彩な才能です。冷戦時代の共産圏で多感な少女時代を過ごした経験とバックグラウンドは、今の時代ではまず書くことが不可能なノンフィクション作品に生かされています。

50年前の共産圏での生活という、彼女自身の生い立ちから描かれる作品は、普通の日本人ではなかなか得られない激動の時代背景や政治的な背景など、作品から独特の雰囲気を感じられるのが、魅力の1つです。

共産圏での物語以外にもエッセイ集や講演会をまとめた本も多く出版しており、特に通訳・翻訳家としての視線から書かれたエッセイ集は米原万里さんのユニークでユーモアのある人物像が感じられる点も、今も彼女のファンが多い理由といえます。

米原万里さんの作品は、彼女の代表作としてよく知られる大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した短編集『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』や、Bunkamuraドゥマゴ文学賞の『オリガ・モリソヴナの反語法』など短編集と長編に分けられます。

短編集は短めのストーリーが複数収録されているので比較的読みやすく、長編は長い時間をかけて読める読みごたえが魅力です。読みやすさや読む時間なども考慮して、小説の長さで本を選んでみましょう。

米原万里さんの作品は、ノンフィクション作品が多いのも特徴です。前述の『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』は、プラハのソビエト学校時代の親友3人の複雑な世界情勢を経た30年後の消息を追ったノンフィクションです。

ノンフィクション作品やエッセイ集で高い評価を受ける米原万里さんですが、史実を元にした『オリガ・モリソヴナの反語法』のようなフィクション作品も人気です。どちらがいいかは好みによりますが、まずはノンフィクションとフィクションどちらかで選んでみましょう。

米原万里さんは小説の人気が高いですが、エッセイストとしての顔を持ち、エッセイ集も高い人気を誇ります。自身の海外での経験や翻訳・通訳者としての視点から書かれたエッセイだけではなく、ペットとの暮らしを綴るエッセイのように誰でも共感できるテーマの作品も発表しています。

また、数々の講演をこなしてきた米原万里さんの唯一の講演録として『愛の法則』もあります。堅苦しい内容ではなくユーモアにあふれた作品なので、エッセイと講演録も必読です。

米原万里さんの作品は、フィクションやノンフィクションといった小説のほか、エッセイ集や講演録など多彩です。1人の作家でさまざまなタイプの作品を読めるのは、米原万里さんの魅力といえます。読書好きでも満足できる読みごたえのある作品や楽しみながら読めるユニークな作品まで、米原万里さんのさまざまなタイプの作品を読んでみましょう。