夏木静子さんの小説・エッセイおすすめ12選｜サスペンスドラマでおなじみ

サスペンスと言えば夏樹静子さんを思い浮かべる方が多いです。理由は火サスと呼ばれ親しまれた『火曜サスペンス劇場』の影響が大きいのかも知れません。しかし、ドラマは何度も見たけど、小説を読んだことがない方もいます。

シリーズ化されているドラマを見ていると、どうしてこれだけ話があるのだろうと疑問に思いませんか。これだけシリーズが続くのは夏樹静子さんの作品数は数百冊にのぼるからです。つまり、夏樹静子さんの本を読み始めるとそれだけ長い期間楽しめます。

さらに、夏樹静子さんは海外の推理作家事典にも名前が掲載されるほど世界でも知名度が高く、多くのファンがいます。そんな夏樹静子さんのおすすめの小説を紹介していきます。ジャンル別に見たおすすめの小説やメディア化された作品をピックアップしました。

夏樹静子さんは1938年東京で生まれ、福岡で育ちました。実の兄は同じく小説家の五十嵐均さんです。夫は新出光会長である出光芳秀さんです。大学在学中に書いた作品が江戸川乱歩賞の候補にあがり、ライターとして数々の脚本を執筆しました。小説「蒸発」で第26回日本推理作家協会賞を受賞、フランス語や中国語に訳された作品もそれぞれ賞を受賞しています。

夏樹静子さんの代表作のひとつ『Wの悲劇』は舞台や映画に幾度となく登場しています。ミステリーはトリックだけでなく物語も大事なポイントです。その2つがきちんと描かれているのが夏樹静子さんの作品の特徴と言えます。

一時期、結婚や出産・病気などで作品が途絶えた時期はありましたが、それでも根強い人気でドラマが放映されているため休止しているのに気づかなかった方もいるかも知れません。何冊本を読んでも飽きさせない所が夏樹静子さんの魅力です。

数多くの作品をジャンル別に分けておすすめする本をピックアップしていきます。

まずは、長年に渡り愛され続けてきた2つのシリーズを紹介します。どちらもドラマ化されており、時代によって主人公が変わりながら続いています。

夏樹静子さんの人気サスペンスシリーズのひとつです。土曜ワイド劇場の2時間枠で13作品ドラマとして放送されました。その後、月曜ミステリー劇場で1時間ドラマとして製作されました。2010年に、さらに2時間のドラマが製作されています。ストーリーは弁護士である朝吹里矢子が依頼者と寄り添い、時には信じられず苦悩しながら事件を解決していきます。

事件の内容は幅広く、時代に反映された社会的な問題にも触れており、飽きさせません。法廷経験を積み重ねていく主人公の姿は、読者にとっても見どころのひとつです。ドラマではさまざまなゲストが出演し、幅広い世代が楽しめ家族揃って視聴できる人気作品です。小説を読むと、どのように映像化されたのかを見る楽しみができます。

テレビドラマとして4度映像化されています。敏腕検事である霞夕子が、鋭い推理力でさまざまなトリックを解明していきます。弁護士朝吹里矢子シリーズと同じく、ドラマでは毎回個性的なゲスト俳優が出演し視聴者を飽きさせず第1話から見ずとも楽しめるドラマです。

原作の小説はドラマと異なり、しっかりした骨組みのある描写で違った楽しみ方ができます。ストーリーは最初に真犯人が明かされます。そして、霞夕子が事件の謎を解き明かすパターンです。登場人物をしっかり描き、テーマが深く見入ってしまいます。被疑者と同じ目線に立つ霞夕子も作品の魅力となっています。

シリーズ以外で映像化されたものは『Wの悲劇』です。2時間ものとして有名なのが、火曜サスペンス劇場と土曜ワイド劇場です。　夏樹静子さんが亡くなった後、没後1年特別企画として放映されたのが夏樹静子サスペンス「跳びおりる」です。また、1987年に放送された夏樹静子サスペンス「カビ」は動画サイトでアップされており、懐かしむ方がたくさんいます。

『天使が消えていく』が夏樹静子さんの最初の作品です。江戸川乱歩賞を争い破れましたが、それを感じさせない完成度です。トリックはもちろんですが、母性に涙する方も多かったと言われています。夏樹静子さんの最初の作品とは思えない秀作です。

『ビッグアップルは眠らない』には全4編の作品が収録されています。短編小説なので通勤時間や空いた時間に読むのがおすすめです。『暗い循環』は医学部の不正入学など日常にあるさまざまな問題がテーマです。誰もが経験しうる事件のミステリー集で考えさせられます。

『腰痛放浪記椅子がこわい』は夏樹静子さんが腰痛に苦しんだ経験から、心と身体の関係性に気づいた筆者の体験談が書かれています。実際の経験を基に綴られているため、病気で苦しんでいる方の何かヒントになるかも知れません。エッセイといっても夏樹静子さんらしいプロの文体で読者を楽しませてくれます。

サスペンス好きなら夏樹静子さんの作品は外せません。今までドラマしか見てこなかった方も、この機会に夏樹静子さんの本に触れると違った楽しみ方ができます。サスペンスの中に人情や友情、社会性が絡み合っているため、どれも奥深い作品です。