島崎藤村の小説おすすめ10選|代表作は何?有名な詩から作風まで【あらすじも】

小説家・詩人として有名な島崎藤村の代表作品の一覧を紹介。有名な詩『初恋』のほか、『破戒』などの名作小説のあらすじを解説します。また、青空文庫でも読める小説や、島崎藤村の詩をもとにした歌・作風・死因・妻・私生活もまとめているのでぜひチェックしてください。

2023/12/08 更新

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藤村の言葉は、実に美しい。柔らかい。 叙情的で、私たちの心に津々と染み透ってくる。 信州の景色と相まって、優しくこの身をつつんでくる

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島崎藤村の美しい言葉選びは、決して飾り気がなくすーっと頭に入ってくるものがあります。明治文学は言葉が古臭く読みにくいと感じた人にも読みやすい文体です。
差別する側、される側。明治の時代の背景を受けてのこの題材で小説を書き上げるとは、文豪島崎藤村に感激です。当時、この小説を読んだ読者がどっちよりの感想を持ったのか気になります。現代にもあてはめてもしっくりしそうな名作。

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当時タブーとされていた題材をあえて取り上げ、さりげなく問題提起をした島崎藤村。差別は人々の心の奥底に、知らず知らずのうちに根付いているのだとわかります。
年号や史実の列挙では、掴みきれない時代と人の動きがよく判りました‼ スピード、時代の流れを実感させられ、それに乗せられて、引き込まれてぐいぐい読み終えた。

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歴史は通常、勝者の手や身分が上の人が書くので決して公平とは言えません。しかしこの作品では私たち市民の視点から歴史が書かれています。
自然主義文学の最高峰といわれる作品ですが、自らの罪過を独白する境地にまで至った過程が丁寧に描かれていて、その心にたいへん共感しました。このような名作をAmazonの電子書籍で読めるとは、とてもうれしいことです。

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自分の犯した過ちを告白するのがどれほど勇気がいるか、ご存知かと思います。島崎藤村はそれを小説の発表によって行っています。
 離散と破産ばかりの小泉家と橋本家。なぜ地道に働こうとせず、事業などで大きくもうけようとするのか、と思ったが、おそらく、商店なら丁稚奉公からしかないのだろうし、あとはせいぜい小商いしかない時代だったのだろう。なまじ裕福な旧家生まれであるが故に、かえって身を滅ぼしてしまうのだ。家が支えとなっているのではなく、自分の家・一族というものが重くのしかかってきて、その呪縛から逃れられずに生きた人々の物語だった。表現の上では、「むむ、それも一理ある」(p117)というのが印象に残った。岡本綺堂と同じで、「うむ」ではなく「むむ」だ。

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旧家の人たちは明治、生計を立てるのに非常に苦労した場合が多いです。家に縛られもがき、でも何とかしようとする主人公は島崎藤村そのもので、理想を投影しています。
何度読んでも大好きな作品。登場人物のモデルを把握することや、背景を理解することも大事だとは思いますが、欲望を叶えようとして叶えきれない青年の悲しさに寄り添って読むことの方が大事だと思います。大学時代に出会い、それ以降私の心を支え続ける作品であり、作家です。彼より素晴らしい作家や作品が沢山あると思うけれど、やはり私にとって特別であると実感させてくれる作品です。島崎藤村の人生の「春」は一生来なかったことを、考えると「春」というタイトルの重みを感じます、、、。

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自伝的小説とは言っても、島崎藤村自体を深く知らずとも引き込まれていく作品です。タイトルに思いを馳せながら読み進めていくと、さらに深い思いを抱けそうです。