岩井志麻子の小説おすすめ10選｜有吉反省会にも出演していた伝説的作家

岩井志麻子は「有吉反省会」やTOKYO MIX「5時に夢中！」などに出演し、「エロいおばちゃん」のイメージが強いですが、本業はホラー小説をメインとした著名人です。岩井志麻子は小説家でありながら、「有吉反省会」にゲスト出演して以来、強烈なキャラクターでタレントや評論家としても活躍しています。

「ヒョウ柄の服しか愛せない」と、全身ヒョウ柄のタイツを着用し、十八番の下ネタを炸裂しながらヒョウのコスプレでテレビ出演するその姿が話題を呼び、小説家とは思えないそのパワフルなキャラクターで愛されています。

今回この記事では、小説家・タレント・評論家として数々の受賞作や話題作を生み出したホラー作家岩井志麻子の、おすすめの小説をご紹介いたします。

岩井志麻子は、1964年12月に岡山県で生まれ、高校在学中の1982年に第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選しています。1986年の22歳で作家デビューを果たし、1999年日本ホラー小説大賞を受賞しました。夫と小4の娘、小1の息子を岡山に残し、小説を書くために上京しました。現在は18歳下の夫と再婚しています。

岩井志麻子は、昔から親が隠していたり押入れでこっそり読んでいた新青年の復刻版などを好んで読んでいたので、読書は隠れて読むもの、いかがわしいものと認識していました。

幼少期の体験が今の岩井志麻子の小説に通じていて、小説で真実を追求したい思いはほぼなく、貧乏くさいもの・しょぼいもの・情けないものに強く惹かれるそうです。

日本のホラー小説の中でも人気を誇る作品が「ぼっけえ、きょうてえ」です。明治・大正時代の岡山の田舎が舞台で、不幸な境遇に置かれた女にまつわる奇妙な物語を集めた短編集です。

黒光りしている人間の残酷さが現実味を帯びており、人間が放つ愛憎を生々しく描いた作品です。ホラー好きな方は是非一度手に取るべきホラー小説です。

「魔羅節」は、官能的なシーンが多く、過激な言葉が使われているため、一見すると抵抗感があるかもしれません。しかし岩井志麻子が描くと官能シーンもグロくて陰虚な雰囲気に変貌します。どきつい言葉が散りばめられている割には違和感なく入り込める一冊です。

岩井志麻子独特の、陰鬱で悲惨で底なしの闇を存分に味わえる短編集です。

「ぼっけえ、きょうてえ」に続く、故郷岡山を舞台にしたホラー小説であり、2002年に直木賞候補になった作品です。

人間の怨念に重きを置いた幻想作品の短編集です。故郷の岡山弁が印象深く、じめっとする暗さと、明治ロマンあふれる描写が独特の雰囲気を漂わせている一冊です。岩井志麻子が好きなら魅入られる作品となっています。

昭和13年に起こった津山三十人殺し事件をもとに、岩井志麻子の根底を成す岡山県の土俗信仰を背景に描いた短編連載集。

犯人の生い立ちから挫折、そして犯行に至るまでの経緯が岩井志麻子らしく、不気味でどろどろと描かれた一冊です。ドキュメンタリーちっくで丁寧な描写の裏には、岩井志麻子のねっとりした世界が広がっています。

岩井志麻子が体験・取材した実話をもとに恐怖を描く実話怪談集。人間の情念や業などの生臭さを展開しており、一番怖いのは生きている人間だと伝えている作品です。

日常における「なにかがおかしい」恐怖を生々しく表現しており、岩井志麻子ならではの読み終わった後にじわじわくる不安感が癖になる一冊です。

岩井志麻子の作品の源流となる岡山設定や時代背景、人間の暗く激しい情念に圧倒されるホラー小説です。盲目の女たちが暮らす瞽女屋敷の物語で、3人の瞽女の視点が切り替わって描く仕様になります。

哀愁の奥にもたくましい輝きを放つ独特の雰囲気が岩井志麻子らしく、「ぼっけえ、きょうてえ」好きならぜひ読んでほしい一冊です・

第一弾では岩井志麻子が小原正子・谷桃子・森下悠里と「男を落とすテクニック」などの衝撃的トークを展開していて、テレビでは放送できない過激トークをふんだんに詰め込んだ猥談バラエティです。

第2弾では、野坂昭如・花村萬月・久世光彦との卑猥トークを繰り広げています。その中では「ぼってえ、きょうてえ」の執筆秘話も盛り込まれていて、「岩井志麻子」の人間を窺える内容の一冊です。

ホラーの女王、岩井志麻子が新宿歌舞伎町での私生活を自虐的なまでに晒し描いた一冊です。仲間の醜態・性癖・家族や恋人との切なくて哀しいエピソードまで赤裸々に語っている。

岡山弁でえげつない下ネタを好き放題連呼し、岩井志麻子節を振りかざしている楽しい内容のエッセイです。ホラー小説では感じえない岩井志麻子を味わってみてください。

2005年に出版され、第2回婦人公論文芸賞を受賞した岩井志麻子初の恋愛小説です。ベトナム男性とサイゴン川のほとりで肉体的快楽を追求する官能小説であり、女優川島なお美主演で映画化され人気を呼んだ作品です。

一人称の描写が体験談のように感じさせ、そのリアリティある作風が、読んでいて感情移入してしまう岩井志麻子の淫らさが魅力的な一冊です。

どこにでもいる普通の女たちが垣間見せる、虚無感で渇いた性愛模様を切り取った作品です。体と化粧と作り声で世の男どもを手玉に取る、暗い恋愛模様を描いた短編集です。

夢と現実を行き来しているような錯覚を起こさせる混沌とした世界と濃密な描写は読みごたえがあり、どんどん岩井志麻子ワールドに引き込まれていきます。

花鳥風月のタイトル通り、4つの物語が展開し、主人公の現実と物語が同時進行していく独特なストーリー設定によって作品に引き込まれていく魅力的な一冊。

岩井志麻子特有の女性のどろどろした嫌な部分やじめっとした恐ろしい部分が盛り込まれていて、人間の狂気を感じられる作品です。ホラーやSF好きは是非読んでみてください。

ホラーとエロスの融合された一冊。韓国の儀式として知られる「死後結婚(サーフキョロン)」をテーマに、陰鬱な空気の漂う主人公の描写と、重なる幻想の場面、韓国の風習などが描かれています。

現実にいつのまにか非現実が紛れ込み、非現実が濃くなっていき、やがて現実と入れ替わっていく世界観に惹きこまれていきます。

岩井志麻子の作品はその独特な世界観と淫乱な雰囲気で、読み手の心を引き寄せます。また、作家のみならず、過激なキャラクターでメディアにも引っ張りだこです。暗く湿った世界観を味わいたい方は、ぜひ岩井志麻子の作品を手に取ってみましょう。こちらもあわせてご覧ください。