有栖川有栖の小説おすすめ8選｜学生アリスや国名シリーズも【読む順番は？】

ミステリ小説は、トリックの解読や犯人が誰か推理する点が最大の醍醐味です。しかし「ミステリ小説は難しそう」と思う方もいますよね。有栖川有栖の推理小説は、キャラクターにも魅力がありミステリが苦手な方でも楽しく読めます。

有栖川有栖は1989年に『月光ゲーム―Yの悲劇‘88―』でデビューした、新本格ミステリ作家です。新本格ミステリ作家とは、デビューが綾辻行人以降の登場で、論理的な謎解きを中心としたミステリを扱っている作家を指します。

有栖川有栖のミステリ小説は、多くの読者を夢中にさせます。長く続いているシリーズもあり、面白さはお墨付き。今回はシリーズものの読む順番についても詳しく解説します。

有栖川有栖の作品の中でも、長いものだと30年を迎えるシリーズがあります。中にはドラマ化されたものも。この項目では有栖川有栖のおすすめのシリーズものをご紹介いたします。

江神二郎シリーズや、学生編とも呼ばれる作品です。京都の私立大学、英都大学推理小説研究会の部長である江神二郎と、作者と同姓同名の学生で、補佐役の有栖川有栖が推理します。

舞台は1988年から1990年の日本で、部員たちが自然災害で孤立した中で事件が起こります。若者たちの将来や恋愛模様も描かれているため、青春ミステリ小説としても評判が高いです。

学生アリスシリーズは順番通りに呼んだほうが楽しめる作品です。読む順番は以下のとおりです。

1. 『月光ゲーム―Yの悲劇’88―』
2. 『孤島パズル』
3. 『双頭の悪魔』
4. 『女王国の城』

火村英生シリーズ、もしくは作家編とも呼ばれるシリーズです。探偵役で犯罪学者の火村英生と、補佐役で推理作家の有栖川有栖が謎を解きます。ドラマ化もされ、2022年1月に刊行された最新作や短編も含め、現在30作品が刊行されている、人気シリーズです。

作家アリスシリーズの中でも、国の名前がつく短編集は、国名シリーズと呼ばれています。国名シリーズそのものは読む順番がバラバラでも楽しめますが、刊行された順番に読むほうが一層楽しめます。

特に短編6作が収録されている、1作目の『ロシア紅茶の謎』は、トリックの種類が豊富なので読んでいて楽しめると評判です。

作家アリスシリーズと、国名シリーズを合わせたときの読む順番は以下のとおりです。国名シリーズは本編とも関わりがあるときもあるので、併せて読むのがおすすめです。

1. 『46番目の密室』
2. 『ダリの繭』
3. 『ロシア紅茶の謎』
4. 『海のある奈良に死す』
5. 『スウェーデン館の謎』
6. 『ブラジル蝶の謎』
7. 『英国庭園の謎』
8. 『朱色の研究』
9. 『ペルシャ猫の謎』
10. 『暗い宿』
11. 『絶叫城殺人事件』
12. 『マレー鉄道の謎』
13. 『スイス時計の謎』
14. 『白い兎が逃げる』
15. 『モロッコ水晶の謎』
16. 『乱鴉の島』
17. 『妃は船を沈める』
18. 『火村英生に捧げる犯罪』
19. 『長い廊下がある家』
20. 『高原のフーダニット』
21. 『菩提樹荘の殺人』
22. 『怪しい店』
23. 『鍵の掛かった男』
24. 『狩人の悪夢』
25. 『インド倶楽部の謎』
26. 『カナダ金貨の謎』
27. 『捜査線上の夕映え』

手軽に作家アリスシリーズを読みたい場合は、自選短編集である傑作短編集3冊がおすすめです。有栖川有栖が選んだ、シリーズ中の短編が収録されています。

• 臨床犯罪学者・火村英生の推理―密室の研究―
• 臨床犯罪学者・火村英生の推理―暗号の研究―
• 臨床犯罪学者・火村英生の推理―アリバイの研究―

ソラシリーズとは10代後半の少女の空閑純が探偵を目指す物語です。パラレルワールドの日本が舞台で、警察官以外が捜査や探偵行為をするのが禁止されています。

『闇の喇叭（ラッパ）』『真夜中の探偵』『論理爆弾』の計3作が刊行されています。読む順番は以下のとおりです。

1. 『闇の喇叭（ラッパ）』
2. 『真夜中の探偵』
3. 『論理爆弾』

その中でも文庫版の『論理爆弾』には特別書き下ろし作品が収録されているので、ぜひ文庫版で読んでみてください。

学生アリスシリーズと作家アリスシリーズのどちらにも、有栖川有栖が登場するので、どういう関係なのかわからず混乱する方もいるはずです。実はこの2作品はお互いにパラレルワールドになっているのです。

作家アリスシリーズの有栖川有栖が学生アリスシリーズの世界を、学生アリスシリーズの有栖川有栖が作家アリスシリーズの世界を執筆している、とされています。

シリーズ作品を多数刊行している有栖川有栖ですが、短編作品も人気です。この項目ではおすすめの短編作品をご紹介します。

宝塚歌劇団で舞台化もされた作品です。上司に射殺された主人公が、霊感のある刑事の力を借りて事件の真相を探っていきます。しかし真相を探っている途中で、上司が殺害されてしまいます。主人公と刑事が黒幕を探すお話です。

ショートショート12編が収録されている短編集です。非常にバラエティに富んでおり「有栖川有栖の多才ぶりを楽しめる」と評判。特に『パテオ』と『登竜門が多すぎる』は人気があります。気軽に有栖川有栖の作品を読みたい場合にぴったりです。

2021年11月に刊行された、新刊の短編集です。アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を有栖川有栖なりに解釈して、執筆された表題作のほかに、ラジオドラマの脚本などが収録されています。

有栖川有栖の2022年の新刊は『濱地健三郎の呪える事件簿』です。2022年9月に発売された待望の新刊。鋭い推理力と霊視能力をもつ探偵・濱地健三郎が活躍する大人気心霊探偵シリーズで、待望の第三弾となる本作は、リモート飲み会やソロキャンプなど今の時代を反映した設定となっています。

6つの謎を驚くべき手法で解いていく有栖川有栖ワールドを堪能してください。

有栖川有栖のミステリ小説は、シリーズものだけでなく短編集もバラエティ豊かです。シリーズものでは特に作家アリスシリーズが人気で作品数も多く、火村と有栖川の活躍をたくさん見られます。ぜひ有栖川有栖のミステリ小説を楽しみましょう。以下の記事もあわせてご覧ください。