市川春子の漫画おすすめ3選｜ポケモン剣盾のキャラデザインも手掛けた天才

市川春子さんはデビュー作から手塚治虫文化新生賞を受賞し、天才との呼び声も高い漫画家です。人ではない生き物が登場する作品が多く、独特の世界観に読者を引き込みます。

漫画家としてだけでなくデザイナーとしての顔もあり、『ポケモン剣盾』に登場するオリーブのキャラデザインを担当したり、自身の本の装丁をすべて自分で行うこだわりも。代表作は『虫の歌』ですが、そのほかにも市川春子さんにしか思いつかないような不思議な設定のストーリーの漫画や短編集がたくさんあります。

ここでは市川春子さんの漫画の魅力や世界観に浸れる短篇集、おすすめ作品などをまとめてご紹介します。簡単なあらすじを読んで、気になる作品をみつけてみてください。

市川春子さんは子供の頃、コンピューターゲームが好きでよく遊んでいたそうです。漫画を読み始めたのは友人からの勧めがきっかけで、小学生の頃は『ハイスクール！奇面組』や『こいつら100%伝説』といったギャグ漫画が好きだったとか。

中学生の頃には萩原望都さんの作品を読み、高校生の頃は『風のナウシカ』や『AKIRA』に強い感銘を受けています。千葉県出身で、大学進学の際に北海道に移住しています。

市川春子さんはイラストレーターのmebaeさんやアニメーターの宇木敦哉さんと同じ大学の研究室出身です。北海道の大学を卒業した後はデザイン会社に入社。

エディトリアルデザイナーとして働いているうちに、「自分の考えを全部盛り込み、企画・編集・レイアウトまで全部自分でやってみたい」との考えをもったそうです。その希望を実現できるのが漫画ではないかと思い、漫画制作を開始しています。

市川春子さんの名前が世に知られるようになったのは2006年、『虫と歌』がアフタヌーン四季賞2006年夏の四季大賞を受賞したのがきっかけです。この作品は月刊アフタヌーン誌に掲載され、以降も同誌を主な媒体として作品を発表しています。

2010年には『虫と歌』で第14回手塚治虫文化賞新生賞も受賞し、さらに注目されるように。その後も自身初となる長編『宝石の国』をはじめ、独自の世界観が魅力の作品を発表しています。

これまで、あらゐけいいちや水沢悦子など、さまざまな有名漫画家が星野源さんの公式オフシャルサイトの画像を手掛けています。市川春子さんもその内のひとりとして選ばれ、トップページのイラストを書き下ろしています。

また、星野源さんのアルバム『桜の森』のアナログ盤ジャケットも手掛けており、不思議な世界観のイラストが楽しめます。

市川春子さんの漫画は生命をテーマにした作品が多く、人と人ではないものとの関わりをストーリーにしています。作品のなかでは、切り離された指先から誕生した妹だったり、人の姿をした雷だったりと、人以外のものに命を吹き込んだキャラクターが登場。

なかには答えがはっきりとしないものもあります。読者それぞれが想像して結論を出したり、不思議な気分を残したまま読み終えたりするのも市川春子さんの漫画を読む楽しさです。

経歴でもご紹介しましたが、市川春子さんは漫画家になる前にエディトリアルデザイナーとして働いています。漫画制作を始めたきっかけでもある「企画・編集・レイアウトまで全部自分でやってみたい」との考えのもと、作品の装丁をすべて自身で担当。

独特のストーリーに合う、きれいでどこか不思議な雰囲気のあるイラストも必見です。イラストレーションブックも販売されています。

アフタヌーンに連載され、累計発行部数140万部を突破した『宝石の国』はアニメ化され、2017年10月からTVで放送されています。また、休載を経て現在アフタヌーン8月号から連載が再開されています。

監督は『ラブライブ！』や『GATE自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 』で知られる京極尚彦さん、シリーズ構成は大野敏哉さん（『青の祓魔師 京都不浄王篇』）、キャラクターデザインは西田亜沙子さん（『ラブライブ！』）ら豪華メンバーが集結しました。

少年さつきは植物学者の叔父が植物から作り上げた人間。さつきと彼が幼い頃に切り落とした指から生まれた妹つつじの不思議な交流を描いた漫画です。

叔父と妹つつじと一緒に夏休みを過ごすさつきは、妹でもあり自分の分身でもあるつつじに特別な思いを募らせていきます。短いなかに市川春子さんらしさが凝縮されたSFファンタジー作品です。

市川春子さんの代表作『虫と歌』は、兄妹3人（長男あきら・次男うた・長女はな）と触角と羽を持つ少年シロウの共同生活を描いた物語です。シロウは昆虫のデザインや模型作りの仕事をしている長男あきらが作った昆虫で、人間に擬態しています。

シロウは次男うたによく懐き、本当の兄弟のように。それぞれの運命や葛藤がリアルに描かれており、生命や人生について考えさせられます。

飛行機事故で遭難した主人公と、静電気体質で不思議な能力を持つ天野すみれの友情を描いたファンタジー作品。天野すみれは川に手を入れて電気を走らせ魚を捕まえたり、目から光を放ったりと人間とは思えない体質です。

物語が進むにつれて天野すみれの正体が明らかになっていきますが、はっきりとは明記されていないのもこの物語の面白さです。

市川春子さんは漫画家としてだけでなく、さまざまな分野で活躍しています。「ポケットモンスター サン・ムーン」のゲームではポケモンデザイン原案を担当、「ポケットモンスター ソールド・シールド」のゲームではキャラクターデザインを担当。

イラストレーターの竹さんも「ポケットモンスター ソールド・シールド」のキャラクターデザインを担当したため、2人が一緒に話題になりました。

市川春子さんの作品は人と人以外の不思議なキャラクターとの友情や兄弟愛を描いたものが多いです。美しいイラストと独特の表現・セリフを読みながら、奇妙な関係の間に生まれる絆や葛藤などをみていきましょう。

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