最果タヒの作品おすすめ10選｜映画化された作品や新刊を紹介！

詩人・小説家として、活躍している最果タヒ。詩人と言われても馴染みがない人も多いかもしれませんが、圧倒的な独自の世界観と語感で人気を集めている作家です。

詩集や小説だけでなく、エッセイ・絵本・作詞などさまざまな活躍を見せ、詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が実写映画原作になったり、展覧会「最果タヒ展」が開催されたりと、注目が集まっています。

今回の記事では、最果タヒの作品のおすすめをご紹介します。詩集だけでなく、小説や作詞など最果タヒが手がけた作品を幅広く紹介しますのでぜひ参考にしてください。

最果「タヒ」という名前は、漢字の「死」のように見えますが本人にはその意図はありませんでした。

中学生の時からブログで文章を書き始め、2005年『現代詩手帖』の新人作品欄に初投稿し入選、2006年に現代詩手帖 賞を受賞し、翌年の京都大学在学中の『グッドモーニング』にて中原中也賞を受賞しました。詩集や小説だけでなく、エッセイ・絵本・作詞などさまざまな活躍を見せ、2021年、展覧会「最果タヒ展」を開催。空間を使って詩を展示し、歩きながら体験するインスタレーション展示が話題を呼びました。

詩人、最果タヒは多くの詩集を発表しています。8つの作品を厳選して紹介しますのでどれを選べばいいか悩んだ際は参考にしてください。

『グッドモーニング』は、中原中也賞を受賞した第一詩集です。「yoake mae」で章が始まり、最終章では「good　morning」。眠っている段階から朝を迎え、目が覚めていきます。

文字がバラバラに書かれていたり、改行や句読点の使い方も特徴的で自由に書かれている作品です。

『さっきまでは薔薇だったぼく』は、2022年4月に発売された詩集の最新刊です。

「冬の薔薇」から始まり、「恋は無駄死に」「惑星」「猫戦争」「ぼくたちの屍」「無人駅」「人で無し」などのタイトルが続き、「春の薔薇」で締める全43篇収録されています。ファンタジーのような雰囲気で、斬新な日本語が心に沁みる感動的な詩集です。

『空が分裂する』は、総勢21名の漫画家・イラストレーターとのコラボレーションした詩集。

かわいい・死・切ない・愛・混沌から生まれたものを、独特な視点で、思いのままに表現しており、思考の刺激になるような作品です。

『死んでしまう系のぼくらに』は、タイトルからわかる通り「死」がテーマの作品を中心とした詩集。

死という概念についての創作が多く見られる最果タヒの鋭利かつ叙情的な言葉で剝き出しの感情と誰もが抱える孤独を浮き彫りにする作品です。

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は、多くがTwitterやインターネットで初出された全43篇の詩を収録した詩集です。

2017年5月、石橋静河と池松壮亮主演で実写映画が公開されました。原作の詩集の中にはストーリーはないですが、監督によって東京を舞台にした1組の男女のラブストーリーを作り上げています。

『愛の縫い目はここ』は、『死んでしまう系のぼくらに』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に続いて詩集3部作の完結を飾る詩集です。

「将来の夢をきかれるたびに、どうして、明日も生きているつもりでいるんだろうと思う」「私は私のことが好きだけどね」のように柔らかい言葉で包み込みんだ絶望と希望がつまった作品です。

『天国と、とてつもない暇』は、詩集3部作以来の詩集です。タイトルに「とてつもない暇」とあるように堅苦しさを感じることなく読めます。

「＃もしもSNSがなかったら」という詩など、今この時代に生きている詩人が、現代のテーマを詩に取り入れて投げかけてきます。

『恋人たちはせーので光る』は、恋愛だけでなく、さまざまなテーマの詩が43篇掲載されている詩集です。

1篇ごとに、ブックデザイナーの祖父江慎によって、美しい装丁と各ページこだわったレイアウトで1つ1つ世界を作り出しています。デザインによって最果タヒの言葉がより引き立ててられています。

小説やエッセイだけでなく、絵本や作詞まで幅広く手がけている最果タヒさん。詩以外の最果タヒの世界観を楽しめる作品をご紹介します。

ストーリーがある小説もおすすめです。癖のある設定で独特の世界を作り上げています。

『星か獣になる季節』は最果タヒ初の小説です。

殺人容疑のかかった地下アイドルを救うため、自らが真犯人になろうと連続殺人に手を染める男子高校生の物語です。犯罪を犯した人と、周りの人たち。不安定な時期である10代の心情や葛藤を描いた切ない作品です。

『渦森今日子は宇宙に期待しない』は、日常系ファンタジー作品です。

宇宙人の渦森今日子は宇宙関係を探偵する部活動に所属している女子高校生を取り巻く個性的なキャラクターが登場します。宇宙人という非現実な存在ながら、体育祭や部活動などの青春の中に将来に対する苦悩や不安が描かれる一風変わった青春小説です。

『少女ABCDEFGHIJKLMN』は、最果タヒの4冊目の小説であり、「きみは透明性」「わたしたちは永遠の裸」「宇宙以前」「きみ、孤独は孤独は孤独」の4作品が収録された短編集です。

未来設定や、都市伝説ミステリーなどの物語の中に、非現実で特殊な設定を含みながら、リアルな人間を鮮烈に描いた作品です。

『十代に共感する奴はみんな噓つき』は、最果タヒが書く10代の少女が主人公の小説です。

告白・いじめ・友情・家族の問題が詰まった青春小説ですが、最果タヒらしい表現と文章で「青春」という言葉だけでは片付けられない痛々しくも美しい作品となっています。

エッセイもおすすめです。最果タヒの内面や考え方に触れることができます。

『きみの言い訳は最高の芸術』厳選したエッセイ45本に加え、文庫版のおまけ9本とあとがきを収録した最果タヒ初のエッセイ集です。

誰しもが心に秘めている悩み・葛藤・想いにそっと寄り添ってくれるたくさんの言葉たちで溢れた作品です。

『もぐ∞』は、「食べる」をテーマに綴ったエッセイ集です。おいしいの感情だけでなく、食べ物に1つ1つきちんと向き合い、心から愛していると伝わる言葉で描かれた作品です。

「パフェはたべものの天才」や「パフェは自給自足のロマンチック」というわくわくするような名言が飛び出します。

『ここは』は、最果タヒとイラストレーターの及川賢治が共に作り上げた絵本です。

「ここは、おかあさんのひざのうえです。」から始まり、視点が近くに寄ったり遠くに引いたり、ページをめくるごとにどんどん変わります。一言では説明できない「ここ」の、まだ気づいていない「本当のこと」を描き出した絵本です。

最果タヒは、作詞にも挑戦しています。東京メトロのCMに採用された[Alexandros]とのコラボ作品『ハナウタ』。そして、作詞を最果タヒ、作曲をいきものがかりの水野良樹が手がけたLittle Glee Monsterの『夏になって歌え』があります。

独自の世界観と語感が魅力の最果タヒ作品。詩以外の小説・エッセイ・映画化作品・展覧会が開催されるなど最果タヒの世界観に触れることができます。詩に馴染みがない人も最果タヒ作品をぜひ手に取ってみてください。また下記の記事も参考にしてみてください！