今日マチ子の漫画おすすめ8選｜プロフィールや舞台化された人気作品まで紹介

可愛らしいタッチの絵、どことなく懐かしい雰囲気を漂わせる作品。どれも抽象的な「エモさ」を醸し出しているのが特徴的な今日マチ子氏の作品は、どの年代のどの性別の人にも、印象に残る魅力があります。

また、少女のみずみずしい出来事や心情をピックアップしており、読んでいる読者の心を温かく包み込んでくれるものが多いです。しかし、その中には突然ぴしゃりと心をたたいてくるシリアスな作品も混ざりこんでおり、読む人すべての心を惑わす、そんな魅力が今日マチ子氏の漫画にはあります。

ここではそんな今日マチ子氏の作品を、先生自身のプロフィールから詳細に説明していきます。その魅力をたっぷりと伝えますので、気になっている方は必見です。

今日マチ子氏は、東京藝術大学の先端芸術表現科に一期生で入学しています。芸大出身の作家ですが、芸大生だった時から作家の才能を表していました。

家から大学までは片道2時間半もあり、その2時間半を使って毎日1ページの絵を描き上げていたそうです。「1ページだったら描き切れる！」のマインドが今もベースとなっています。

今日マチ子氏の魅力は、繊細な水彩画のようなタッチの絵だけではなく、作品が描く世界観に大きな魅力があります。青春がテーマである『みかこさん』から、戦争をテーマにした『cocoon』など、幅広いジャンルはどの年代の人も目を惹くはずです。

恋愛ものからシリアスまでたくさんの作品を描けるのが大きな魅力の一つです。

デビュー前からほぼ毎日書いている、1枚の絵つきのブログ「センネン画報」と呼ばれるブログがあります。今日マチ子の作家人生は、ここからスタートしました。

セリフはほぼなく、日常の何気ない箇所を切り取ったような絵が印象的なブログです。このブログを見れば、今日マチ子の描く世界観やどことなく寂しくなる絵柄にも注目できるはずです。

今日マチ子先生の作風は、淡い思春期特有の切なさを表した青春系から、戦争のシリアスな部分を詰め込んだ大人な作品まで幅広くあります。まずは、以下2つから魅力について確認していきましょう。

今日マチ子先生の作品のほとんどが、女の子が主人公です。主人公の心情や主人公を取り巻く周りのキャラクターの心情など、細かく描写されています。

そういった少女の気持ちは、大人である読者にも当時の出来事を思い出させるような魅力がたっぷりと詰まっており、そういった点も今日マチ子独自の作風だといえます。

青春時代を思い出して癒されたい女性や、大人になって忙しい毎日を送る方におすすめです。

今日マチ子氏の作風は、水彩画のような繊細なタッチが印象的です。この抒情的ともとれる絵柄は、マチ子先生が小学生のころから好きだった歌人の寺山修司氏から影響がきています。

寂しげであり、どことなく切なくはかない絵柄である今日マチ子氏の原点は、寺山修司氏のような日本語の切なさを歌う歌人の魅力もたっぷりと含んでいるのです。

この儚げな印象を持つ絵柄が、エモーショナルな心情になりやすい理由の1つです。

テレビでもおすすめされていた、世界がパンデミックに翻弄されていた時の、今日マチ子の1年間の日記のような作品です。人とのDistanceを取らなければならない中での、人々や街の様子を静かに描いています。パンデミック禍でがんばっていた人にぜひ手に取ってほしい作品です。

「夜の大人、朝の子ども」は、大人でいるのに疲れた時、ふと何も考えずに無邪気に過ごせた子供時代に戻りたいと思った主人公の話です。夢の中で子供の頃に戻り、素敵な思い出が大人の主人公に勇気をくれます。現代社会で日々の生活に疲れた方に、ぜひ読んでほしい作品です。

デビュー前の2004年からずっとほぼ毎日更新されているブログ、「センネン画報」の書籍バージョンです。ほぼセリフはなく1ページで完結の画集のような本作品は、今日マチ子を知るために読むのであれば一番いい方法と言えます。

絵柄・世界観・すべての魅力が詰まっているので、この一冊で今日マチ子を存分に知れます。

『いちご戦争』は、2014年に発売された戦争をモチーフにした作品です。この作品で、今日マチ子は日本漫画家協会賞大賞カーツーン部門を受賞しました。

戦争の惨い残酷な表現を、甘いお菓子でカモフラージュした世界観で、戦争の辛さを戦争を知らない世代に向けてわかりやすく述べています。可愛らしい雰囲気に隠されたシリアスが、魅力的です。

2009年に発売された『みかこさん』は、青春をそのまま形にした作品です。女子高校生のみかこさんを主人公に、親友や隣の席の男の子、そして少しずつ距離が近づいていく2人目の母親を交えた、みかこさんの学生生活を描いています。

オールカラーの柔らかい絵柄が特徴的で、読む人すべての心に残ってる青春を思い出させてくれる、そんな作品です。

『アノネ、』は、アンネフランクがモチーフである主人公花子と、ヒトラーがモチーフになっている太郎の、絶対に交わうはずのなかった禁忌の恋愛を物語にしている作品です。今日マチ子は、この作品で第18回手塚治虫文化賞を受賞しています。

本作品は現実ではありえない二人を主人公にしているため、読者の興味を強く惹く作品となっています。

今日マチ子が描き続けてきた戦争シリーズの作品、記念すべき第一号が『cocoon』です。沖縄のひめゆり学徒隊の少女を主人公とし、少女たちが戦争をどう受け止め、どう行動したのかを描いた作品です。

戦争を知らない世代が戦争をどう考えるのか、如実に表現されています。この作品は、「マームとジプシー」という演劇団体により舞台化もされ、話題にもなりました。

今日マチ子の作品は、切ない絵柄で昔の青春を思い出されるもの作品が多いです。たまに心をデトックスしたい時などに読むと、心が洗われてすっきりします。疲れた時に今日マチ子の作品を読んで、どっぷりと世界観を味わってみてください。