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人の内面にあるどす黒いものを、美しい文体にのせて浮かび上がらせていると感じました。読んでて楽しくなるようなことはないのですが、読むのが病みつきになり止まらない。 主人公の母親の振る舞いは、最初から最後まで切ないものがあった。
軽いようでねばねばするこの文章は何だろう、理解しやすいのか頭がおかしくなりそうなのか分からない話は何だろう 明るく胸躍る作品じゃない でも人間を裏切るような諦観さが魅力的に思える 罪の償いの描写が狂ってて良かった 数年後にもう一度読みたい本
デビュー作『冷たい水の羊』の方をおもしろく読みました。 とりわけ印象に残ったのは風景の描写。 決して美しい光景ばかりを書いているわけではないのですが、 擬人法を用いた風景、あるいは季節の推移の描き方は、 これまで読んだことのないものでした。 多くの小説では、情景描写というのは申し訳程度だったり、 紋切り型だったりしますが、 田中さんはしっかり自分で見た光景を自分の言葉で表現していると感じました。
新境地作とのことだからどんなものかと思ったが、これはたしかに新境地。性と暴力のない田中慎弥。私小説風に進むが、時々垣間見えるいつもの狂った田中慎弥。 連作短編集だが、一つの長編として読んで良さそうだと思った。途中、退屈に思うところもあるだろう。しかし辛抱して、最後まで丁寧に読みきってほしい。最後「丸の内北口改札」でたまげることになる。 やはり田中慎弥は、現代文学に欠かせない、絶対に読まれるべき作家である。
多くの作家が通るジャンル(パニック系小説など)の一つだと思いますが、設定が良いと思いました。 男性原理(父性)/女性原理(母性)などの対立項の軸が分かり易く、後書きに参考文献の紹介があり良かったです。
『地に這うものの記録』は、田中文学にとって重要な要素を多く含んでいる。例えば神、父、性。中でももっとも大きな要素は、言葉、だろう。 (中略) 喋るネズミ・ポールの勇姿を、ぜひ多くの人に読んでほしい。
汽笛の最後から2文目、主人公が大事な記憶を思い出す。 私には、主人公が思い出した記憶が、とても面白くて、大笑いしてしまいました。死んだのに、それ思い出してどうするの?って。本当に面白い話だな~っと感心させられてしまいました。
面白かったです。 同著者の「図書準備室」の手法がさらに洗練された作品。ずっと「逃避」をテーマとして書いてきた作者ですが、今回はその逃避した自分を世代という流れの中で振り返るという進化系。作者の作る世界が確実に広がってきている感じがしました。 もちろん「図書準備室」にもあったような思わずほくそえんでしまう主人公の独白や、この作者ならではの「信頼できない語り手」のその信頼できなさっぷりも、今回の作品でもとても楽しめます。なのにそういった「斜に構えた読み方」をしない読者にも受け入れられそうなバランスも取れていたりして。 次回作も楽しみです。
著者が過去を語るかのように展開されるフィクションです。 10代の頃のある女性との文学をきっかけとした恋が 40代になって振り返られそして上書き?されるような。 100%フィクションなんだろうけど気づけば実話のようにも思えて。 10代の頃の女性に対する心の揺らぎも自分に感じるものがあり 読み進むのが思わず止まってしまう所もありました。 面白かったです。
気持ちが良く、すらすらと読める純文学の王道だと思いました。今の時代にこのような文体で表現出来る作家は、田中さんの他いないのでは?などと思える作品です。ハラハラドキドキする物語では無いにしろ、表現の豊かな描写 文章には、毎冊安心して読める事が、素晴らしく思います。