【2024年版】真山仁の小説おすすめ8選｜傑作『ハゲタカ』から最新作まで紹介

真山仁の経済小説は、社会への問題提起とストーリーの面白さを兼ね備えており、経済に関して詳しくない方でも楽しめる作品ばかりです。『ハゲタカ』で有名な作家ですが、他にもたくさんの小説を書いています。

真山仁の経済小説の特徴として、専門用語の説明が巧みだったり、問題点がどれなのかを明白にさせていたりして、とにかく読みやすい作品づくりに力を置いている点が挙げられます。経済に詳しい方もそうでない方でも堪能できます。

この記事では、真山仁の小説について、上手な作品の選び方やおすすめ作品を丁寧にご紹介していきます。ぜひ記事を参考に真山仁の小説に注目してみて、面白さと学びを併せ持つ作品を読んでみてください！

真山仁は1962年大阪に生まれ、堺市で育ちます。小学生のときにすでに小説家になると決めており、その理由は「ひとりでも社会に異議を唱えられる職業」を考えたときに小説家しかないと思ったからだそうです。

大学入学前には、ポリティカル・フィクションのジャンルの小説を書くといった具体的な目標も持ち、新聞記者・フリーライターを経て2003年に香住究（かずみきわむ）の名義で『連鎖破綻　ダブルギアリング』で作家デビューしました。

数多く書かれた真山仁の小説を選ぶ際には、キーポイントを押さえるのが早道です。キーポイントには「シリーズ化された作品」「シリーズ化以外の作品」「ドラマ・映画化された作品」の3つがあります。

真山仁の小説のおもなシリーズ化作品は『ハゲタカ』シリーズ・『富永検事』シリーズがあります。いずれも社会への疑問や問題提起がテーマになっており、多くのファンがいるシリーズです。

真山仁といえば『ハゲタカ』シリーズが最も知名度や人気のある作品です。2004年に第一作目が発表されてから次々に新刊が刊行され、ロングセラー小説となっています。テレビドラマ化もされました。

『ハゲタカ』シリーズは、外資系ファンドのマネージャー・鷲津政彦と元銀行員で現企業再生家の芝野建夫を中心に展開されてる経済小説です。作中に出てくる会社は実際の会社がモデルになっていたり、日本で起こる問題を正視できたりして夢中になります。

『富永検事』シリーズは、検事である富永真一を主人公にして、社会プロジェクトの裏に潜む社会のねじれに挑んでいく小説です。2014年に刊行された第一弾『売国』では、宇宙開発プロジェクトに絡んでいきます。

第二弾の『標的』は、『売国』の続編として新聞掲載をされたあとに刊行され、社会福祉改革の裏に潜む収賄案件に挑みます。第三弾の『堕落』は2022年に刊行され、沖縄の闇に踏み込んでいます。

真山仁の小説は、シリーズ化以外の作品も評価が高く面白いのでおすすめです。多くの名作がある中から、ここでは、4作について厳選して詳細をご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

『レインメーカー』は、弁護士・雨守誠が主人公となり、医療過誤訴訟に踏み込んでいくストーリーの小説です。原告・被告・弁護士とそれぞれの苦悩や悲しみが描かれながら展開する法廷サスペンスとなっています。

医療訴訟の流れに興味がある方や、当時者たちの葛藤の有り様に興味がある方に非常におすすめです。

『プレス　素晴らしきニッポンの肖像』は、真山仁の社会派エッセイです。コロナ禍を含め、日本社会や政治に対して、真山仁がおかしいと感じているポイントなどが語られており、同意する読者が多々います。

日本が素晴らしい国であるためになくしてはいけない本質を考えさせる1冊です。

『マグマ』は、エネルギー問題に深く踏み込んで問題定義をする長編小説です。外資系ファンド勤務の女性・野上妙子が、地熱発電開発の再生を命じられます。原発の影で追いやられていた地熱発電の他、世界のエネルギー事情を網羅する大作です。

再生可能エネルギーの現実化が見える地熱発電について、熱く語られるストーリー展開に注目です。

『当確師』は、当選確実室率99％を誇る選挙コンサルタント・聖達磨に、ほぼ当確予定の候補者をつぶしてほしいといった無茶な依頼が舞い込むところからストーリーが始まる小説です。選挙戦の人間臭さや闇の部分などを露わに描く作品です。

政治や選挙の裏側や人間模様に興味がある方におすすめのポリティカル・フィクションです。

真山仁の小説を選びきれない方は、ドラマ化・映画化された作品から選んでみるのもおすすめです。映像化された作品を観た後に小説を読んで理解を深めたり、観る前に小説を読んで細部を楽しんだりするととても楽しめるので検討してみてください。

『ハゲタカ』シリーズは映画化・ドラマ化の両方がされています。また、エネルギー問題についての小説『マグマ』がドラマ化・『富永検事』シリーズの小説は『巨悪は眠らせない』といったタイトルのドラマ化がされています。

『富永検事』シリーズの最新刊『堕落』が2022年に刊行されました。沖縄で妻が夫を殺害した事件を担当した富永検事は、やや不審を感じ自ら捜査に乗り込みます。現地の入念な取材を通し、沖縄に潜む暗闇を日の目に晒そうとするストーリーです。

沖縄問題に興味がある方や、フィクションとノンフィクションの織り交じる小説がお好みの方におすすめです。

真山仁の小説について、作品選びのヒントやおすすめ作品のご紹介などを詳しくしてきましたが、いかがでしたでしょうか。真山仁に興味を持った方は、ぜひ記事を参考に、スケールが大きくノンフィクションの気配を感じる作品を読んでみてください！こちらもあわせてご覧ください。