尾崎翠のおすすめ小説6選｜昭和の恋愛小説が現代で再評価！口コミもあわせて紹介

日本の小説家、尾崎翠が近年、小説家としての才を改めて評価し直されているのをご存知ですか？大正時代から昭和初期まで活動していた尾崎翠は、太宰治が興味を示していたなど、当時もその小説家としての才能は賞賛されていました。

尾崎翠の小説の中には、執筆されたのが100年前にあたる作品もありますが、90年代に書かれたものだとは思えない新鮮さがあり、現代でも通ずるものを感じられます。

この記事では、尾崎翠について深く掘り下げていき、尾崎翠の小説の魅力を詳しく解説すると共に、おすすめ小説や人気小説などもご紹介します。大正・昭和時代の小説が好きな方や、尾崎翠に興味がある方はぜひ最後までチェックしてみてください。

ここからは、尾崎翠の作品がなぜ人々を魅了し続けているのかを解説していきます。尾崎翠は現代の日本人でも共感できるストーリーを執筆しているのが特徴的です。

尾崎翠の作品は、女性だからこその観点で描かれたストーリーが魅力の一つです。恋に焦がれる愛らしい少女の気持ちが繊細に書かれており、片思いのドキドキ感や失恋の喪失感などがひしひしと伝わってきます。

尾崎翠の恋愛小説でおすすめの作品は、『第七官界彷徨』や『初恋』です。また、1906年から1916年まで最も売れていた少女雑誌『少女世界』でも、『空気草履』などのいくつかの少女向け作品を発表しています。

尾崎翠の作品の中には、くすっと笑えるような箇所が見受けられます。また、登場人物たちの自然体な会話は、まるで自分もその場にいるかのように心地よく読み進められる楽しさがあります。

尾崎翠の小説は、戦前に執筆されたと思えないような、コミカルな表現や軽快なストーリー展開がたくさんあります。尾崎翠が上京するために兄の下宿先に住んでいたときの経験が、小説を書く上で重要な体験となったと言われています。

尾崎翠の小説家としての人生は、彼女が24歳のときから始まり、わずか12年しかありませんでした。大正時代から昭和初期時代までの一昔前に書かれた小説ではありますが、古臭さがなく読みやすいのが特徴です。

現代人にも当てはまる箇所があり、老若男女問わず共感できるポイントがあるのが魅力の一つです。口コミやレビューなどでも、「令和でも古さを感じない作品」や「昨今のテレビドラマを観ているかのような新鮮さがある」といった高評価を得ています。

ここからは、尾崎翠の人気小説を4作品ピックアップし、それぞれのあらすじと共にご紹介していきます。尾崎翠のどの作品を読めばいいか迷ってる方には、デビュー作品の『無風帯から』がおすすめです。ぜひ、参考にしてみてください。

1902年（大正9年）に発表された『無風帯から』は、尾崎翠のデビュー作品になります。『無風帯から』が出版された当時、尾崎翠は日本女子大学の生徒でした。現代では、学生が本を出版しても問題にはならないですが、尾崎翠は大学から叱責を受け、退学することになってしまいました。

『無風帯から』には、とある兄妹と兄の友達であるMが登場します。兄は妹に対して、きょうだいとして以外の感情を抱いています。そんな兄が友達のMに書いた手紙を読んでいくスタイルの小説です。

『第七官界彷徨』は1931年（昭和6年）に途中話までが発表されました。しかしその後、評論家の板垣鷹穂の要求により、『新興芸術研究』に全篇が掲載されることになりました。尾崎翠のファンの間で、非常に人気が高い作品になります。

主人公は「人間の第七官に響くような詩」を書きたいと思っている少女、「町子」です。兄や従兄弟を合わせた4人と、少女「町子」との同居生活から紡がれるストーリーです。2018年には、のぞゑのぶひさによる漫画化がなされています。

『こおろぎ嬢』は1932年（昭和7年）に、栗原潔子編集『火の鳥 七月号』にて発表された作品です。太宰治が尾崎翠に興味を持った小説としても有名です。

主人公は先ほど紹介した『第七官界彷徨』と同じく少女の「町子」。他にも、『第七官界彷徨』の登場人物が出てくるので、合わせて読むのがおすすめです。

故郷で祖母と暮らす少女「町子」が東京から来た男、「当八」に恋をするストーリーです。『こおろぎ嬢』は尾崎翠が敢行して製作された映画も存在します。

『アップルパイの午後』は1929年（昭和4年）に女性の文芸・総合雑誌である『女人芸術 八月号』で発表された作品です。尾崎翠を代表する小説とも言われ、尾崎翠の作品らしい甘酸っぱい青春時代が書かれています。

尾崎翠の没後に発刊された作品集、『アップルパイの午後―尾崎翠作品集』は現在、中古品しかなく、入手困難な小説になります。

尾崎翠の生きた時代は、太宰治や宮沢賢治といった著名な小説家が生きた時代でもあります。尾崎翠の『無風帯から』が『新潮』に発表された時、芥川龍之介・志賀直哉・佐藤春夫などの有名作家の作品も同じ雑誌に刊行されていました。

尾崎翠は一般的には他の作家に比べて知名度は下がりますが、当時の著名人と作品を並べられるほど、その作品のクオリティーの高さが垣間見れます。

今回は、隠れた名作をたくさん生み出していた作家、尾崎翠の小説について紹介してきましたが、いかがでしたか？読んでみたい1冊を見つけられましたか？尾崎翠の小説は現代でも色褪せないモダンなストーリー展開が魅力的です。ぜひ一度手に取ってみて、その世界観に浸ってみてください。

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