岡嶋二人の小説おすすめ8選｜『クラインの壺』が人気の2人組作家！口コミも紹介

謎解きを楽しみながら読める小説を探しているけれど、どの作家の作品を選べばいいか迷う、と困った経験はありませんか。日本では珍しいコンビ作家・岡嶋二人の小説は、子どもから大人まで謎解きを楽しめる仕掛けが施されています。

岡嶋二人の作品には、さまざまな名作があるのがポイントです。犯人の視点から繰り広げられる『99％の誘拐』・VR技術に似たテーマを取り入れた『クラインの壺』・提示される謎解き問題を楽しめる『ちょっと探偵してみませんか』などがあります。

こちらの記事では、コンビ作家として活躍した岡嶋二人についての情報や、おすすめの小説の選び方・代表作のあらすじなどを説明します。小説に寄せられた口コミについても紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

岡嶋二人とは、井上泉と徳山諄一がタッグを組んだコンビ作家としてのペンネームです。名前は「おかしなふたり」をもじったものとなっています。1975年にコンビが結成され、1982年には『焦茶色のパステル』が江戸川乱歩賞を受賞しました。

1985年には『チョコレートゲーム』で、1988年には『99%の誘拐』で、数多くの賞を受賞しているのが特徴的です。1989年以降コンビは解散となりましたが、井上泉は「井上夢人」のペンネームで執筆を継続しています。

デビュー作『焦茶色のパステル』は、競馬がテーマとなった作品で、土曜ワイド劇場にて映像化もされた傑作です。夫だけでなく牧場の場長・母馬と仔馬が殺された事件に遭遇した妻・大友香苗が、競馬記者の友人と共に真相に迫る、といったあらすじになっています。

仔馬のパステルが鍵を握るストーリー展開で、どこに転がっていくのかハラハラとしながら読めるのが魅力です。

代表作『99％の誘拐』は、慎吾の誘拐事件・復讐劇の2部構成になっている作品です。誘拐された当時幼稚園生だった慎吾が、大人になって亡くなった父の手記を読み、犯人へ復讐をしていくといったストーリー展開になっています。

父が慎吾を誘拐から救うために奔走する姿と、慎吾が1人で復讐を進めていく姿がリンクし、感情移入して臨場感を楽しみながら読める小説です。

岡嶋二人の最後の作品となった『クラインの壺』は、バーチャルリアリティーゲームをメインテーマにした作品です。仮想世界と現実世界が曖昧になった世界観で、井上泉のコンピューター技術への造詣の深さが生かされています。

どこまでが現実で、どこまでがゲームの世界だったのかあやふやになっていく危ういストーリーは、現代だからこそよりリアルに実感できるのがポイントです。

ショートショート『ちょっと探偵してみませんか』は、25の謎解きに挑戦できる短編集です。「ちょっと考えてみて下さい」のフレーズで問題が提示されるのが特徴となっています。提示された謎に対して、だれが犯人か・どうして完全犯罪ではなくなったのか・暗号が示しているのは何かなど、さまざまな角度から謎解きに挑戦できるのが魅力です。

傑作短編集『ダブル・プロット』は、岡嶋二人のコンビ解散後22年の時を経て、未収録作品を加えて再編された短編集です。3つの未収録小説が読めるだけでなく、井上夢人と新保博久による解説も読めるため、岡嶋二人が好きな方にぴったりの作品となっています。

数十ページの短編が複数収録されているため、自分の好きなペースで区切りを付けながら読書を楽しめるのがメリットです。

岡嶋二人のうち、井上泉として活動していた井上夢人の単著も面白い作品が多く、おすすめです。『ラバー・ソウル』は、化け物のような顔を持つ男が、モデルの女性を好きになってストーカー行為をするストーリーが主軸となっています。しかし男の一途で純粋な想いや、はかなく切ない一生についても描かれており、しんみりとした読後感も味わえるのが特徴的です。

岡嶋二人の小説を読んで、犯人やトリックを推理して楽しみましょう。岡嶋二人の小説には、長編の名作『99%の誘拐』や、短編集『ちょっと探偵してみませんか』などの作品があります。展開を予想しながら楽しめる岡嶋二人の小説を読み、謎解きを満喫しましょう。こちらもあわせてご覧ください。