冷蔵庫の背面や後ろが熱くなるのはなぜ？｜原因と対策を解説

冷蔵庫を使用していると、「いつもより冷蔵庫が熱を持っている」と感じる経験がある人も多いはずです。冷蔵庫は食品を冷やしたり氷を作ったりする家電なので、「冷蔵庫は冷たいもの」といったイメージを持ちますが冷たいのは冷蔵庫内部で、表面・側面・背面（後ろ）は稼働するために熱を放ちます。

しかし、過度に熱くなる場合は冷蔵庫の故障や冷蔵庫が熱くなる原因が隠れている場合もあります。冷蔵庫が過度に熱くなっている状態で使用を続けると、冷蔵庫の故障や電気代が高くなる原因にもなるので対策が必要です。

そこで、今回は、冷蔵庫の表面・側面・背面（後ろ）が熱い原因や、熱を持ったときの対策などを解説します。記事の最後には、冷蔵庫が故障していた際の対処方法についても解説をしていますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ冷蔵庫が熱くなるのか疑問に思う方も多いです。冷蔵庫が熱くなる原因には下記の理由が挙げられます。

• 設置直後
• 設置環境
• 室内の温度
• 故障

冷蔵庫が熱くなるのは故障ではない場合が多いです。冷蔵庫は中身を冷やす際、冷蔵庫内から外へ排熱しているため、冷蔵庫の周辺は温度が上がりやすい傾向にあるからです。冷蔵庫の稼働状況次第では周囲の温度の15〜20℃熱くなり、特に夏場だと50〜60℃上がる場合もあります。

また、冷蔵庫を設置した直後のように冷蔵庫内があまり冷えていない状態では、冷蔵庫が中を冷やすための放熱量が増えて熱くなりやすいため、いつも以上に冷蔵庫が熱くなりやすいです。

設置環境も原因とされていて、冷蔵庫の周りにスペースがない場合でも熱が逃げ場を失い冷蔵庫が熱くなります。もし夏場でも設置直後でもないにも関わらず冷蔵庫から異常な温度を感じた場合は故障している可能性もあります。

冷蔵庫が熱くなる理由についてご紹介しましたが、冷蔵庫は背面（後ろ）だけでなく、側面も熱くなる場合があります。冷蔵庫横に内蔵されている放熱用のパイプを通じて放熱されるのが主な原因です。

冷蔵庫側面が熱く感じる場合は、庫内にこもった熱を放熱パイプやファンを使用して外に逃す「インナーコンデンサー方式」が稼働している場合があります。現在販売されている国内メーカーの冷蔵庫には、ほとんどのものにインナーコンデンサー方式が搭載されており、放熱によって庫内の温度を一定に保っています。

また、ほとんど冷蔵庫には保護装置がついていて、異常に温度が高かったり負荷がかかったりすると運転が停止するように作られています。冷蔵庫が熱くて故障を疑う場合は、冷蔵庫の保護装置が作動して運転が止まっていないか合わせて確認した方がいいです。

冷蔵庫が熱くなる現象に大きな問題はありません。しかし、あまりにも熱くなった状態の冷蔵庫をそのまま使用しているとさまざまなデメリットが生じます。ここでは、熱い冷蔵庫を使用する際に起こるデメリットを解説しています。ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫が熱くなると電気代が上がる可能性があります。 冷蔵庫が熱くなる原因である放熱がうまくおこなえていなかった場合に、放熱ができている場合と比較して冷蔵庫内の冷却がうまくいかず、より冷蔵庫に負担がかかるのが原因です。

ただし、上がる金額も意識しないとわからない程度の場合も多いです。電気代を少しでも安くしたいと思う場合は冷蔵庫の熱さにも注目してください。 冷蔵庫の電気代について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

冷蔵庫が異常に熱くなっている時は同時に冷蔵庫に負担がかかっている可能性があります。当然ながら、冷蔵庫も酷使し続ければ通常より早い期間で使用できなくなるため、熱い状態の冷蔵庫を放置し続けると寿命を縮め、買い替えまでの時間が短くなります。

冷蔵庫の価格は大きさや機能によって価格は異なりますが、決して安い買い物ではありません。できる限り長く使うためにも、冷蔵庫が熱いと感じた際は何かしらの対策が大切です。 冷蔵庫の寿命に関しての詳細は下記の記事をご覧ください。

冷蔵庫の周辺に放熱スペースを開けてください。冷蔵庫によっても必要な壁との距離が異なりますが、できる限り側面や背面にスペースを開けると放熱しやすく、冷蔵庫が熱をもちすぎるのを防げます。

このように冷蔵庫の配置を変えると改善される場合があります。冷蔵庫の正しい設置場所についての詳細は下記の記事をご覧ください。

見落としがちなのが、冷蔵庫の上部の空間。つまり天井との隙間です。冷蔵庫では背面や側面だけでなく、冷蔵庫の天板からも放熱の役割を担っている場合もあります。 基本的に天井とのスペースを開けられませんが、設置の際は天井との間隔や冷蔵庫の上に電化製品などをおかない工夫をすると、冷蔵庫周りの空気が循環しやすく冷蔵庫がより放熱しやすくなります。

冷蔵庫の上のスペースを有効活用したい場合は冷蔵庫のラックの使用がおすすめです。下記の記事では冷蔵庫のラックを紹介しています。ぜひご覧ください。

冷蔵庫内に食品をいれすぎている場合、冷蔵庫が熱くなる恐れがあります。冷蔵庫を整理し、内部の空気が循環しやすくするとより冷蔵庫が効率よく作動し、冷蔵庫が熱くなるのを防げます。

同時に冷蔵庫内の清掃も行うのもおすすめです。とくに、冷蔵庫内にできた霜は冷却効率を悪くする原因の1つなので取り除いてください。 下記の記事では詳しい冷蔵庫の霜取りについて紹介しています。

冷蔵庫の中に熱いものをすぐに入れないのも対策の1つです。食品を冷やす際に稼働した熱を放出して冷蔵庫が熱くなります。冷やす対象の温度が高ければ、それだけ冷蔵庫も稼働し熱くなるので、できるだけ冷めた食材を入れるのも大切です。

冷蔵庫の負担を避けるためにも調理直後の温かいものは、冷まして常温に近い状態になってから冷蔵庫内にしまってください。

冷蔵庫の放熱を考えて周囲にスペースできる限り開けておくのをおすすめしましたが、合わせて冷蔵庫と他の家電との距離も可能であれば離してください。とくに、火を扱い台所の中でも熱くなるコンロなどの家電とは距離を離してください。

しかし、すでに不動産の間取りで冷蔵庫を配置するスペースは決められている場合が多く、任意で設置できないパターンが多いです。 できるだけ熱を発生する家電製品と離しておくと冷蔵庫周辺の熱を最小限に止められます。

できる限り冷蔵庫の周りには電化製品をおかず、最低でも壁から数cm離して設置するだけでも熱対策になるのでおすすめです。

冷蔵庫の開閉をなるべく必要最小限にするのも、冷蔵庫を傷めない・放熱を防ぐ対粗悪のひとつです。ドアの開閉はなるべく減らし、取り出したいものを考えてから開けるようにするといいですね。

また、長時間ドアを開けっぱなしにしていたり、何度も開け閉めを繰り返すような行動も避けておくのが無難です。冷気が逃げると、庫内の温度を保つために電力も無駄に消費してしまいます。開け閉めの回数が多い方は、庫内に保冷カーテンを付けるのもひとつの手段としておすすめです。

冷蔵庫が故障した場合は修理もしくは買い替えが必要です。ここでは、故障原因と修理の相場について解説をします。

冷蔵庫は「家電リサイクル法」により粗大ゴミとして処分が不可能です。購入した家電量販店がわからない、新しく冷蔵庫を購入する予定がなく処分だけといった場合には自治体で処分をしてもらうのがおすすめです。処理方法は自治体ごとに異なります。役所やゴミ処理センターに問い合わせてください。また、処分を依頼したら「家電リサイクル券」を購入し、記入する必要があります。

冷蔵庫を処分する際に「不用品回収業者」に依頼をするのも1つの手です。不用品回収業者といってもさまざまな業者があり、回収費用も異なります。依頼をする前に必ず費用をチェックしてください。

中には悪徳と呼ばれる不用品回収業者もあります。思っていたよりも多く費用を請求され、トラブルの原因にもなります。必ず「一般廃棄物処理業の許可」を持つ業者に依頼をしてください。

冷蔵庫の処分方法でも定番なのが購入した家電量販店に引き取ってもらう方法です。処分する冷蔵庫を引き取ってもらえるだけでなく、買取が可能な場合もあります。また、新しい冷蔵庫の搬入のついでに引き取ってもらえる場合がほとんどなので、処分と搬入を一度に済ませられるのも家電量販を利用するメリットです。

冷蔵庫が故障して使用が不可能なのか、修理が可能なのか、素人で判断するのは難しいです。修理か買い替えで悩んでしまったら使用している冷蔵庫のメーカーに問い合わせるのもおすすめです。ここでは三菱・日立・Panasonic（パナソニック）・SHARP（シャープ）の問い合わせ先を表でご紹介します。ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫が冷えない理由にはさまざまなものが考えられますが、放熱ができていないのも冷えない原因のひとつです。そのほかには、物の詰め過ぎによって引き起こる冷気の循環不足や、冷蔵庫自体に寿命がきている場合などです。

冷蔵庫がうまく冷えない場合の対処方法や詳しい内容・原因については、以下の記事を参考にしてください。

今回は冷蔵庫が熱い時の原因や対処方法をご紹介しました。冷蔵庫が熱い原因はさまざまで、故障よりも、自力で解決できる場合がほとんどです。熱さを感じたら、ぜひこちらの記事を参考に対処してください。また、故障の場合は自分で修理をせずにメーカーに問い合わせるのがおすすめです。