柴田ヨクサルの漫画おすすめ5選｜めくるめく天才的センスに夢中になろう

柴田ヨクサルをご存知ですか。熱血なキャラクター達が織りなす苛烈なバトルと、物語の中にちりばめられたシニカルな笑いで多くのファンを獲得した漫画家です。

高校時代にアマレス部に所属していて格闘技に詳しく、その知識によって描かれた戦闘シーンはアクロバティックでありながら、リアリティがあるものになっています。また将棋にも造詣が深く、『ハチワンダイバー』は異色な将棋漫画として大ヒットしました。

そこで今回は、柴田ヨクサル作品の紹介をしていきたいと思います。有名な『エアマスター』や『ハチワンダイバー』のほかに、最新作である『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』についても解説しています。ぜひ柴田ヨクサルワールドとも言える作品たちに触れてみてください。

1972年、北海道にて柴田ヨクサルは誕生しています。高校卒業後はハロルド作石・渡辺順などのアシスタントを経て『谷仮面』でヤングアニマルからデビューします。それから次作の『エアマスター』がアニメ化を果たすほどヒットし、この頃から名前が知られるようになりました。

雑誌のインタビューで、子どもの頃にプロ棋士を目指していたことがあると語り、高校時代に所属していたアマレス部も含めて、その経験が漫画の中で生きているのがわかります。

柴田ヨクサル作品の特徴、それはバトルものであることです。路上格闘を題材とした『エアマスター』はもちろん、将棋がテーマの『ハチワンダイバー』でも、そのスピード感ある作風からバトル漫画と呼ばれています。

ほかにも、過去作から登場するキャラが多いのも特徴です。『ハチワンダイバー』に『エアマスター』のキャラが登場したり、『カイテイワン』に『プリマックス』のキャラが登場したりと、読み続けていくうちにニヤリとさせるサービスをしてくれます。

柴田ヨクサル作品の凄さといえば、まずは白熱したバトルが挙げられます。時に重力を無視したかのように繰り出される技の応酬は天才的なセンスを感じさせます。

次に挙げられるのは、シニカルなギャグです。突如として挟まれるギャグは、クスっとするものから大笑いできるものまであり、バトルシーンへの口直しにもなっています。

そして最後に挙げられるのが巨大なセリフです。キャラの心情がダイレクトに破壊力となって伝わってきます。これら柴田ヨクサルの凄さと言えます。

女子高生が主役の路上格闘マンガという異色の作品です。主人公の相川摩季は、184センチの高身長で、新体操仕込みの跳躍を駆使した空中戦を得意とすることから、エアマスターと呼ばれています。

思わず重力の存在を忘れさせる主人公・相川の戦いぶりや、独自すぎるキャラたちとの友情、ギャグなど、デビューから2作目ですでに独自の世界観を確立させています。アニメ化もされた作品ですので、入門として読み始めるにもおすすめです。

『ハチワンダイバー』は『エアマスター』の次に生み出された作品で、将棋をテーマとした内容となっています。メイド服の女性が将棋盤を前に正座している姿はインパクト抜群です。

主人公の菅田健太郎は、賭け将棋で日々を過ごしていましたが、アキバの受け師と呼ばれる相手に敗北し、将棋への情熱を取り戻します。復活の第一歩として部屋の片付けをしようと清掃サービスを頼むのですが……。

好敵手との出会いと決意、そしてあまりにも早すぎる再会はまさに読者の心を掴む展開と言えます。

柴田ヨクサル初の原画を担当した作品が『プリマックス』です。とある方法で1億円を手に入れた主人公の内森モン太。そのお金で「100万円くれたら何でも願いを聞く」と言っていた幼なじみ二人に、文化祭で女装して一緒に踊って欲しいと頼みます。

これまでバトル作品を手掛けてきた柴田ヨクサルから意外なダンス物のストーリーですが、幼なじみが格闘技をやっていたり、切れ味するどいギャグがあったりと、その天才性を存分に生かした作品となっています。

タイトルにもなっている主人公の東島丹三郎は、仮面ライダーを愛するあまり40歳を超えてなおフリーターで体を鍛え続けた人間です。そんな彼がある日、ショッカーに扮するショッカー強盗に遭遇したことで、物語が動き出します。

これだけですと、コスプレヒーローモノかと思ってしまう展開ですが、なんとこの世界にはショッカーが実在していたのです。夏祭りで面売りから仮面ライダーのお面を買った東島は、この巨大な悪の組織に戦いを挑み始めます。

仮面ライダーがテレビ作品として存在しながら、ショッカーが実在する奇妙な世界観。作中には仮面ライダーを愛しすぎてしまったゆえに、鍛えに鍛えまくり人生に多大な影響を及ぼしてしまった人物が多数登場します。

真面目なのかギャグなのか理解しづらい作風ですが、ただ登場人物たちが熱い心を持っていることは確かです。子供の頃、ヒーローに憧れたあたなにこそおすすめの作品です。

柴田ヨクサル作品の解説、いかがでしたか。路上格闘、将棋、そしてヒーロー物と一見するとバラバラな作品群ですが、そのどれもに柴田ヨクサルの味が効いていて、最高級のバトル物として完成されています。ぜひ柴田ヨクサル作品を手にとってみてください。

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