夏川草介の小説おすすめ10選｜温かなヒューマンドラマに夢中！口コミ・魅力も紹介

夏川草介の代表作と言われる『神様のカルテ』ですが、他にも多くの人に読まれている作品があります。夏川草介の著書は優しさに溢れ、心温まるストーリーが多く、幅広い年齢層の読者から好まれています。

『神様のカルテ』シリーズの原作を脚本編集し、人気俳優を主演に起用しTVドラマや映画化になり、一段と読者層も広がりを見せました。原作者である夏川草介にも注目が高まり、作者が現役の医師であるのが知られると、作中のストーリーにも信憑性が上がりました。

こちらの記事では夏川草介の代表作『神様のカルテ』やその他の作品、口コミなどをご紹介します。気になっている方はぜひチェックしてみてください。

夏川草介の本業は医師です。『神様のカルテ』に出てくる医療現場のモデルとなった信州の病院も実際に、長野県松本市にある『相沢病院』がモデルとなっています。その『相沢病院』で内科医師として夏川草介は地域医療に従事しています。

夏川草介は1978年に大阪で生まれ、大阪高槻高校を卒業。信州大学医学部医学学科を卒業し、そのまま長野に残り長野県松本市にて、医師として勤務しながら作家活動を続けています。小説は医師である自分の心のバランスを保ち、前に進むために書いていると言っています。

子どもの頃に読んだ山本周五郎著作、『赤ひげ診療譚』の「赤ひげ先生（医師）のようになりたい」との思いが、医師を目指すきっかけになったそうです。

夏川草介のデビュー作『神様のカルテ』は、シリーズ第5巻まで刊行されています。TVドラマ化などで一段と人気シリーズとなりました。こちらではシリーズの魅力と、作中の登場人物のモデルについて解説していきます。

2011年から現在に至るまで『神様のカルテ』シリーズは、主人公の医師が真摯に患者と向き合い、同僚や患者、病院の体制などとの葛藤を一話一話で完結する形で書かれています。

一冊に起承転結のような形を取り入れ、医療現場の現実に悩みながらも、最善を模索し続ける姿や主人公の私生活の変化などが書かれています。次のステージに新シリーズとして、主人公の置かれる医療環境や、同僚との関わりを軸に物語が進められています。

小説の中とは思えないほど現実味を帯びて感じるのは、夏川草介自身が医師で、ブレのない思いが読者の興味を強く引き付けるのです。

人気俳優の『福士蒼汰』を主役医師に起用し『神様のカルテ』が2021年にTVドラマ化され、4週連続2時間×4話でTV東京で放送されました。2011年には『櫻井翔』主演で映画化もされていました。

TVドラマ化された効果は絶大で、好結果を得て多くの人に『神様のカルテ』が注目され、原作者夏川草介の知名度もさらに上がりました。

『神様のカルテ』の主人公は作者である夏川草介と似ている部分が多くあると語られていたようです。そして主人公医師の妻も、夏川草介の妻がモデルだと言います。

著書の中で妻は、山岳写真家となっています。実際は激務の夫を支え家庭を守り、信州の自然の美しさや花の名前などを妻から教えらるなど、日々の出来事もモデルとなっています。

『神様のカルテ』でデビュー以来注目を浴び続けている夏川草介ですが、読者からの評判も気になるところです。どのような口コミがあるのか、また他の書籍に対しての評判もチエックしましたので見ていきましょう。

口コミをチエックしてみると、どれも肯定的で「読んでよかった！」「読了後も爽やか」などの意見が大半を占めていました。口コミを読んでいると、増々夏川草介作品を読みたくなります。読んだ方ももう一度、読みたくなるかもしれませんね。

夏川草介作品は心が温かくなると、多くのファンに支持されています。代表作『神様のカルテ』以外も、心打たれる言葉や優しさに触れられる作品が数々あります。そんな夏川草介の魅力を探りながら作品紹介をしていきます。

夏川草介の作品を読んでみると、丁寧に言葉を選び読者が読了後も心が温まるストーリーを紡いでいるのがわかります。ここでは「21世紀版　銀河鉄道の夜」と言われた著書や、『神様のカルテ』とも通ずる作品などをご紹介していきます。

主人公は猫？高校生の青年とのダブル主人公でストーリーが展開していきます。刊行は2017年ですが猫ブームの今、猫が物語に出てくる本としても再注目されています。

ファンタジーな作品ですが、まるでクイズの答えを導くように大事な事柄を気づかせてくれます。主人公の青年と一緒になって、猫が何を伝えようとしているのか、考えながら読むのもおすすめです。　

高齢者医療への思いが詰まった作品です。重くなりがちな題材のように思えますが、読むだけで目に浮かぶ安曇野の風景の描写が素晴らしく、清々しくさえあります。読了後に目の前の景色が変わるような感じがするかもしれません。

『神様のカルテ』を読んでからだと、自然豊かな安曇野での穏やかな空気の流れを一段と感じられると思います。

『始まりの木』は、夏川草介おなじみの医療系小説から離れ、民俗学を題材とした物語になっています。この作品の特色は、登場人物は同じなのですが、一話ずつの完結になっていて、のちにご紹介するアンソロジーに載せた作品も含めて、一冊の本として刊行したものです。

真面目な作品ですが、主人公二人のやり取りがほっこりし、物語の世界に浸っていたくなります。

夏川草介作品が掲載されていたのは、web小説誌の『小説丸』で、特別読切として『青空』が掲載されました。『小説丸』は読者と本をつなぐweb版文芸誌で、小学館が運営しています。

小学館が発行している小説雑誌にも『七色』が掲載されていて、後に同じく小学館から2020年9月に刊行の『始まりの木』の中に収められています。

夏川草介の作品は、他の作家とのコラボやアンソロジー・短編作品などもあります。デビュー作の『神様のカルテ』に関連した作品などもあり、読者を魅了し続けています。こちらでは、小学館文庫から出ている作品3作をご紹介していきます。

STORY BOXは本好きのための月間文芸誌で、発行元は小学館です。東川篤哉や辻村深月・長岡弘樹などそうそうとしたメンバーが寄稿していて、創刊は2009年8月です。

小学館が発行しているSTORY BOX vol.19に特別読切で掲載された『七色』は、『始まりの木』に収められているように民俗学をベースにしたストーリー展開になっています。

『旅の終わり、始まりの旅』は同じテーマを、それぞれの作家が短編小説を書き寄稿し、一冊にまとめた書籍です。夏川草介が寄稿した小説は『始まりの木』の主人公（民俗学者）が青森を訪れた時の物語です。

作家自ら青森を訪れて構想を練り執筆した作品が寄せられていて、それぞれの物語を読むと、青森に行った気分になるかもしれません。

『超短編！大どんでん返し』は、原稿用紙5枚分（2000文字）で、題名の通りの超短編小説を、30人の作者による30篇の作品集です。

それぞれの作者の個性を楽しみながら、気軽に読める小説集です。どのストーリーもどんでん返しが待っていて、ワクワクしながら読めるのは間違いないです。時間の隙間に読めるので、忙しい方にもおすすめの一冊です。

夏川草介著書『臨床の砦』は2022年6月に発売されました。主人公は長野県でコロナ感染症と戦う消化器内科医の葛藤と苦悩。地方の小さな病院が、いかにしてコロナと戦い続けたかを書き綴った、ドキュメンタリー小説とも思えるような作品です。

夏川草介自身が勤務している病院も、コロナ感染指定医療機関となっており、日々向き合っている現実を描写した作品となっています。

人気シリーズの『神様のカルテ』は2011年に、人気タレントの櫻井翔を主人公医師役に起用し、映画公開されました。続いて『神様のカルテ2』が同じ配役で2014年に公開されています。人気のある櫻井翔が主演なのもあり観客動員数もあがりました。

原作者の夏川草介も観劇後に「とても素晴らしかった」とのコメントを寄せていたので、一見の価値は十分あります。

夏川草介の作品はすべてと言っても過言ではないほど、優しさに溢れていて心が温まります。他の作家との作品集の中でも、ホッと息がつける程に心が和む、そんな暖かい夏川草介の優しい人柄が感じられる小説に触れてみませんか。こちらもあわせてご覧ください。