星野之宣の漫画おすすめ10選｜名作SF作品から新作まで！口コミもご紹介

星野之宣は、日本を代表するSF漫画家の一人です。壮大な宇宙叙事詩をイメージさせるストーリーと、緻密な作画によるSF表現でリアルな世界を見せてくれます。

SF物は少し難しく感じている方もいるかと思います。ですが、星野之宣の作品は、SF小説を読むよりとても簡単にその世界に浸らせてくれるのです。また、SF物以外にも古代史や民族学を題材にした伝奇漫画でも名作を残しています。

この記事では、星野之宣の作品の特徴や代表作をご紹介します。この機会にぜひSF物から伝奇物までハイレベルな星野之宣の漫画作品を読んで見てください。

星野 之宣（ほしの ゆきのぶ）は、1954年、北海道生まれです。愛知県立芸術大学美術学部日本画科中退後、上京し「鋼鉄のクイーン」で漫画家デビューを果たします。

1992年「ヤマタイカ」が星雲賞コミック部門を受賞、2008年「宗像教授異考録」が文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞に選出、2013年「星を継ぐもの」で星雲賞コミック部門を再受賞しています。

星野之宣の作品の最も大きな特徴は、緻密な構成と卓越した画力による、スケールの大きなハードSF的ストーリーです。作者の豊富な科学的知識と豊かな創造性によって作られたストーリーは、今読んでも色あせない魅力が詰まっています。

ハードSFの漫画を読んで見たい方は、星野之宣の作品を読んで見ることをおすすめします。

星野之宣の有名作品はSF物が多いですが、それ以外にも古代史や民族学を題材にした伝奇物もあります。伝奇物の代表作として、『ヤマタイカ』や『宗像教授シリーズ』があります。

星野之宣は、SF作品を中心に描いていましたが、創作の方向性を思い悩んだ時期があったそうです。この後に上記の代表作を生み出すことになりますが、友人である漫画家の諸星大二郎の「暗黒神話」を参考にしたようです。

星野之宣の作品の中には、有名SF小説を原作として漫画化した物も多くあります。中でも有名な作品として、『星を継ぐもの』や『未来からのホットライン』があります。原作を読むのはちょっと大変かなと感じている方は、ぜひ星野之宣の漫画作品で読んでみましょう。

『ブルーシティー』は、1976年に連載された作品です。未知の病原体により地上が滅び、唯一生き残った2万人の住む海底の都市ブルーシティーが舞台です。謎の巨大生物やブルーシティーを破壊しようとする謎の水棲人類、次々と起こるトラブルに人類の生存をかけて戦い抜く人々の姿を描いています。

『2001夜物語』は、1984年～1986年に連載された星野之宣原作のSF作品です。宇宙に進出してさまざまな試練を受ける人類史を短編形式で綴った宇宙叙事詩的な作品です。

星野之宣作品の中でも人気作品であり、1987年と2009年にアニメ化されています。興味のある方はアニメ版もチェックしてみましょう。

『ヤマタイカ』は、古代日本の倭国の女王卑弥呼の意識が、ヒロイン伊耶輪神子の体を借りて現代に蘇り、日本中を混乱の渦に巻き込んでいく物語です。第23回星雲賞コミック部門を受賞しています。

日本人のルーツを東南アジアから渡ってきた先住民族である火の民族と、中国大陸方面から渡ってきた日の民族として描いています。現実の日本人のルーツとは異なっており、SF的要素が強いです。

『宗像教授伝奇考』は、主人公の宗像伝奇が日本各地のさまざまな場所を学術調査で訪れ、民俗学の知識と想像力を駆使して、遭遇した超次元的・超自然的な事件を解決していきます。物語は、1話完結、もしくは2 ～3話で完結する短編形式です。

続編として『宗像教授異考録』があります。

『星を継ぐもの』は、1977年に発表されたJ・P・ホーガンによるSF小説です。この作品を原作にして、星野之宣によって2011年に漫画化されました。独自の解釈や原作にないエピソードを加えており、2013年に星雲賞コミック部門を受賞しています。

月面で真紅の宇宙服を着た人間の遺骸のようなものが発見されます。地球に運ばれた遺骸の年代測定を行った所、5万年前に死亡したとの結果が分かることから物語は始まります。

『未来からのホットライン』は、1980年に発表されたJ・P・ホーガンによるSF小説です。この作品を原作にして、星野之宣によって2012年に漫画化されました。

老科学者は、現在から60秒の過去のシステムへ6文字までのメッセージを送れるシステムを開発します。実験を続けるうちに、届いたメッセージを60秒後に過去に向かって送信しない実験を行います。しかし、何も起きずに手元には60秒後の未来から送られてきたメッセージは存在しています。このメッセージは誰から送信されたものなのか?

海帝は、15世紀初頭の明朝に実在した人物で、史上空前の大船団を率いて前人未到の航海に挑んだ鄭和を描く海洋冒険ロマンです。

鄭和は主君である永楽帝の命を受けて大型船 約60隻・総員約27000名の大船団を指揮して計7回もの航海を試み、最終的には東アフリカまで到達したとされています。西洋のコロンブスやマゼランよりも1世紀ほど早い時期での偉業を残しています。

星野之宣は、手塚賞を同じく受賞し、「週刊少年ジャンプ」でデビューした諸星大二郎と親交が深いことで知られています。SF作品を多く執筆した後、今後の作品のテーマに悩んだ時期があり、その時に親交のあった諸星大二郎の『暗黒神話』を参考にしたそうです。諸星大二郎も多くの名作を世に送り出した漫画家ですので、興味のある方はぜひ作品を読んでみましょう。

ここまで星野之宣の作品の特徴と代表作をご紹介しました。星野之宣の作品は、SF作品も伝奇作品もとてもレベルの高い物語が多いです。この機会にぜひ星野之宣の作品を読んでみてください。こちらもあわせてご覧ください。