なだいなだの小説おすすめ10選｜6度の芥川賞候補作家！名言や代表作を紹介

なだいなだは、精神科医であるとともに、名作を執筆し続けた小説家でした。なだいなだの作家としての実力派、芥川賞候補に6度もあがっている事実からも十分に伝わってきます。その他、泉鏡花文学賞でも候補にあがったことがあります。

なだいなだの執筆は小説だけにとどまらず、出版された本の中には児童文学やエッセィもあります。彼の作風は、とても柔らかい言葉を使用したりユーモアが混じっていたりして、非常に読みやすいです。

この記事では、なだいなだの小説いついて、作品の魅力・代表的な作品の詳細・おすすめ作品などをわかりやすく丁寧にご紹介していきます。ぜひ参考にして、なだいなだの学びになる作品を楽しんでみてください！

ここでは、なだいなだ自身についての詳細をお伝えします。なだいなだについて知っておきたいのは「アルコール依存症専門の医師」「ペンネームの意味」の2点です。順番にご説明していきます。

なだいなだは、数学者に憧れた時期もありましたが、最終的には医者の家系である母親の勧めを受けて、慶應義塾大学の医学部予科に進学しました。1995年に精神科医となってからは、当時急増していたアルコール依存症の専門医として活躍しました。

医師となってから、同人誌である文芸誌「文芸首都」で執筆を始めています。

「なだいなだ」は本名ではなくペンネームです。なだいなだは、スペイン語で「nada y nada」で、意味は「なにもなくて、なにもない」といった哲学的な雰囲気を持っています。なだいなだは、フランスに留学したりスペイン語に魅入られたりして国際的な感覚を持っていました。

不思議な意味合いのペンネームが、作品への興味をそそります。

なだいなだの小説の魅力について詳しくお伝えしていきます。なだいなだの小説の魅力のポイントとなるのは「受賞歴・受賞候補歴」「ユーモア」「学びになる」の3点です。

なだいなだが受賞した文学賞は、1970年の第24回毎日出版文化賞などで、受賞候補となった文学賞も多々あります。特に注目したいのは芥川賞で、『海』『神話』『トンネル』『童話』『しおれし花飾りのごとく』『レトルト』の6作品で候補にあがっています。

惜しくも受賞は逃しましたが、『間切りの孫次郎とそのクルーの物語』では泉鏡花文学賞で受賞候補ともなりました。本人は、どんな賞ももらわないのが誇りだと言っていました。

なだいなだの作風は、ユーモアにあふれており非常に読みやすいのが特徴です。なだいなだが使う言葉はどれも易しいものが多く、文体としてとても頭に入りやすいものでありつつ、語られている事柄には深みがあります。

なだいなだは精神科医としてもヒューマニズムを感じさせる人物でしたが、作風にもそれが表れています。決して説教などではなく、優しく人生の悩みに向き合ってくれるような作品が多いです。

精神科医としての知識を存分に活かすなだいなだの作品では、読む側に学びを与えてくれるものがたくさんあります。専門医でなければわからないような人間の細かな心情を読みやすい文章で教えてくれます。

なだいなだの小説を読むと、それまでの自分の人生で躓いていた事柄に対して前向きになれます。同じ事柄にも別の意味があったり別の見方があったりするのに気付かせてくれるような作品が、多くの人の支持を得ています。

ここでは、なだいなだの代表作を詳しくご紹介していきます。なだいなだの作品には名作が多くありますが、今回はその中から厳選した『しおれし花飾りのごとく』『れとると』『娘の中学校』『心の底をのぞいたら』『権威と権力』の5作品をご説明します。

『しおれし花飾りのごとく』は1972年に発表された小説です。戦後すぐの日本の、大学病院の医局を舞台に書かれています。若い医師たちが文学的な改革を目指しながらも、日々なにもできずにエネルギーを持て余し、遅くきた青春の時間をむなしく過ごすストーリーです。

『しおれし花飾りのごとく』では、なにかをしたいけどなにもできない空白を描いています。

『れとると』は、1967年に発表され、芥川賞候補になった作品です。心理療法を受ける女性患者が、精神科医へ愛情を抱くストーリーです。ふたりの女性のストーリーが同時進行で進んでいきます。

読者が、自分が精神科医の立場になったような立ち位置でストーリーを追える構成の工夫が面白いです。

『娘の学校』は、1969年に発表されました。なだいなだには4人の娘がおり、彼女たちへ向けて書かれた作風の作品になっています。生まれた時点で入学した「世界」という学校の校長を、なだいなだが努めるといった形で本が進みます。

人生の中でぜひ知っておいてほしいあれこれを、なだいなだが読みやすい文章で書いています。

『心の底をのぞいたら』は1971年に発表され、いまなお書かれている内容に感銘する人が多い名作です。少年少女向けの心理学入門書ですが、大人が読んでも学びがたくさんあります。だれもが感じる「こわい」「不安」などの心理をシンプルに説明してくれます。

専門書では難しいテーマも、上手な切り口から優しく書かれていて読みやすいです。

『権威と権力』は、1974年に発表された作品です。『権威と権力』は、社会の権威について書かれた作品ではなく、人間の心にある身近な権威欲・権力への渇望などを中心に語っている本で、同時に自律の大切さを説いています。

なぜ人が人に言うことを聞かせたくなるのか・それにどのよう弊害があるのかなどが面白く書かれています。

なだいなだには独自の視点と鋭い着眼点があったため、名言が多く残されています。「子どもの愚かさをとがめすぎるから、その文大人が愚かになる」など、なだいなだらしい、ハッとする名言があります。

また、なだいなだは晩年にバーチャル政党「老人党」を設立し、「年寄りをバカにするのはいい加減にしなさい」といった趣旨で活動をしていました。世直しの志を持った人を集い、インターネット上の仮想政党を広めていました。

なだいなだは、小説だけでなくエッセイも多く執筆していました。エッセイも、なだいなだの鋭い感覚とわかりやすい文章が大人気で、ファンが続出し続けています。代表的なエッセイ本には『パパのおくりもの』『最後の失言』などがあります。

なだいなだのエッセイは当たりのいい辛口が多いので、読んだあとにすっきり感が残ります。また、どれも考えさせるテーマを持っているため、普段から自分で言語化できずにいた思いを代弁してもらう感覚も味わえます。

なだいなだの小説について、なだいなだの詳細・作品の魅力・代表的な作品の詳細・おすすめ作品などをわかりやすくご紹介しましたが、いかかでしたでしょうか。ぜひ記事を参考になだいなだの小説を読んで、多くの学びを得てみてください！

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