五十嵐貴久のおすすめ小説15選｜幅広いジャンルで読み手を引き込む！新作も紹介

1つのジャンルに特化せず、さまざまなストーリーに挑戦する五十嵐貴久をご存じですか。彼の作品の魅力は一つの枠にとらわれず、どんなジャンルでも見事に描けることです。毎月新刊を発表するほど、小説愛にあふれる小説家です。

五十嵐貴久はジャンルレスとはいえ、ホラーサスペンスの小説が多く刊行されています。特にリカシリーズは読者の背筋を凍らせるほどの話題作です。他にも『マーダーハウス 』などゾッとするような小説を発表しています。

五十嵐貴久は、青春小説や時代小説にも挑戦し発ています。今回は、五十嵐貴久のおすすめ小説を、さまざまなジャンルからご紹介します。

成蹊大学文学部を卒業後、1985年に扶桑社に入社し、2年目から編集部に勤務します。その時の上司が後に小説家になる吉村達也でした。彼の影響もあり、小説を書き始め、2001年春に長編小説『TV』で第18回サントリーミステリー大賞の優秀作品賞に選ばれます。

2001年秋に『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞の大賞を受賞し、翌年に小説家デビューを果たします。さらには、2004年『Fake』で「このミステリーがすごい!」2005年版で16位にランクインし、話題となりました。

五十嵐貴久は気がまぎれるからと、日中は家の中で執筆をせずに喫茶店などで構想を練ることが多いと語っています。喫茶店で大学ノートにしたためた原稿を、持ち帰り推敲しながらパソコンに打ち込む執筆スタイルです。

彼の描く作風は、何気ない日常を切り抜いたものや、映画などを題材にしたものなどからストーリーを構成していきます。そのため、読者は作品に入りやすく、一気に読める小説が多いです。

2001年に第2回ホラーサスペンス大賞の大賞を受賞した『リカ』は、想像を絶するホラー作品として30万部を売り上げるベストセラーになりました。2013年に約11年ぶりの続編『リターン』を刊行し、再度話題になりました。リカの過去やリカの事件に巻き込まれた人間に焦点を当てた文庫オリジナルの『リカ・クロニクル』シリーズも発表しています。

主人公は印刷会社に勤めるサラリーマンの本間隆雄です。出会いサイトで知り合った雨宮リカという怪物のような女性にストーキングされ追い詰められてしまいます。本間がリカから逃げるために、さまざまな手段を講じていくホラーサスペンスです。

五十嵐貴久が描く、刑事小説です。『交渉人』もシリーズ化されており、現在3作品が発表されています。話術巧みな主人公を描いたこの小説は、新しい刑事小説としても話題になりました。

『交渉人』1作目では、コンビニ強盗をした3人組の犯人が、人質50人を盾に病院に立て籠もるストーリーです。犯人に交渉し、人質を助け出す巧みな話術の主人公・石田 修平は神がかり的な功績は現場でも有名で尊敬されています。今回の事件も解決に導けるのかハラハラする物語です。

『交渉人』シリーズ同様、刑事小説です。この『誘拐』は、警察だけでなく政治・情勢も盛り込んだストーリーで、難しそうと感じますが、読み始めるとどんどん読む手が止まらなくなる小説です。

ストーリーは、現総理大臣の孫が旅行代理店を辞めたばかりの男に誘拐されるところから始まります。犯人の動機は身代金目的なのか、復讐なのか、はたまた政治的なことが関係しているのか、さまざまな憶測がたてられるものの、どれも合致しません。政治と刑事が混ざったハラハラする小説です。

ストーリー設定が面白い小説です。「このミステリーがすごい!」2005年版で16位にランクインしたどんでん返しが心地よい物語になっています。

興信所へ依頼された「完璧なカンニング」を引き受けた主人公・宮本剛司の物語です。「宮本調査事務所」を一人で経営する宮本剛史は、この「完璧なカンニング」の依頼の罠にはまり、職を無くしてしまいます。騙された宮本剛史は依頼者への復讐を企てます。キャラクターが確立し、読みやすいミステリー小説です。

五十嵐貴久の江戸の幕末を描いた歴史小説になります。五十嵐貴久の歴史小説として2022年に初めてドラマ化されました。

主人公は敵同士である坂本龍馬と土方歳三です。重臣から「徳川慶喜の暗殺を企てた犯人を捜し出せ」と密命を受け、いがみ合いながらも会津・薩摩・長州などの大藩や公家たちを探索していきます。

2003年のアメリカ映画『フォーチュン・クッキー』を見て、自分なりに入れ替わりものを描こうとし、出来上がったのがこの『パパとムスメの7日間』です。父親と娘の入れ替わりにより、それぞれ小野社会の中で生活していくハートフルコメディ小説です。

小説は父と娘のそれぞれの一人称で進んでいきます。仲が芳しくなかった父娘が、ある事故が原因で父と娘の人格が入れ替わってしまいます。2人がこれまでになく報告・連絡・相談し何とかそれぞれの生活を守っていく物語となっています。

五十嵐貴久の青春小説の1作です。刊行した翌年には、テレビドラマ化され話題となりました。高校生が無理難題に立ち向かっていく姿を描いた学園小説です。

主人公の梶屋信介は受験日に居眠り運転のトラックにはねられ、高校受験をすることができません。慌てて、入れる高校を探すと都内の私立工業高校があり、進学を決意します。不本意な高校生活により、さぼり始め遊びに明け暮れる日々が続きます。素行不良により生徒指導で退学を免れるための無理難題を突き付けられます。

五十嵐貴久の学園青春小説です。1985年を背景にしたどこか懐かしい雰囲気のある心温まる小説です。

舞台は弱小野球部です。部員9人はおニャン子クラブに夢中で、野球はおろか勉強もせずに遊び惚けています。そこにキャプテン・岡村浩司の中学時代の友人で天才プレーヤーの沢渡俊一が高校に転校してきます。弱小野球部が甲子園を目指す青春小説です。

五十嵐貴久の小説はどんでん返しや最後にすべてが明らかになるストーリーが多いです。このどんでん返しの面白さからメディア化された小説も多くあり、視聴者を唸らせるドラマ・映画が多く存在します。

特に『リカ 』シリーズは映画・ドラマともに高評価されています。小説を読んだ方はぜひ映像メディアでも『リカ』を楽しんでください。

ホラーサスペンスでゾッとする話を読みたい人はぜひ五十嵐貴久の小説を読んでみてください。ストーリーが軽快に進むので、一気に読むことができます。それでいて、読み応えのある小説ばかりです。他にもさまざまなジャンルの小説を手掛けているので、ぜひ手にとってみましょう。

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