羽田圭介の小説おすすめ11選｜若き頃から才能を魅せた芥川賞作家！『黒冷水』など

芥川賞受賞作家、羽田圭介。テレビではユーモアに溢れた言動で人気を博していますが、小説を読んだことがない方もいるでしょう。

芥川賞受賞作家と聞くと堅苦しい印象ですが、羽田圭介は読みやすい小説を数多く出版しています。表現の幅が広く、普段あまり小説を読まない方でも楽しく読める作品が多いのも特徴です。しかし、数多くの小説からこれという1作を探すのは難しいですよね。

そこで今回は羽田圭介の小説の選び方と、おすすめの小説10選をご紹介します。受賞作品はもちろんのこと、年代別のおすすめ作品もご紹介します。羽田圭介の小説が気になる方や、面白い小説を探している方は、ぜひ最後までお読みください。

高校二年生にして『黒冷水』で文藝賞を受賞した羽田圭介。その後もさまざまな賞の受賞候補に選ばれ、29歳のときに『スクラップ・アンド・ビルド』で芥川賞を受賞しました。

現実味のあるストーリーの中で、人間の心理や精神性を深く書くのが羽田圭介の小説の魅力です。現在も鋭い観察眼と知的で軽快な語り口を持ち味に、小説やエッセイなどのさまざまな作品を生み出し続けています。年齢と共に魅力を増していく羽田圭介は、今後も目が離せない小説家です。

羽田圭介の小説を読んだことがない方は、受賞作品から選ぶのがおすすめです。芥川賞を受賞した『スクラップ・アンド・ビルド』や、文藝賞を受賞した『黒冷水』は、どちらも羽田圭介の表現力の高さが味わえる作品です。

受賞作品ではありませんが『メタモルフォシス』もおすすめします。芥川賞候補に選ばれつつ、惜しくも受賞を逃した作品です。『メタモルフォシス』は羽田圭介の作品の中でも重厚さと深みを感じさせる名作なので、ぜひ受賞作と併せて楽しんでみてください。

羽田圭介の小説には手軽に読める中編と、読みごたえがある長編があります。サクッと読める中編では『スクラップ・アンド・ビルド』『滅私』『走ル』 『Phantom』 『隠し事』がおすすめです。『メタモルフォシス』は、一冊で中編が二部構成になっているので、飽きずに読みたい方にぴったり。

長編のおすすめは『黒冷水』と『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』です。読みごたえを求める方にぴったりで、羽田圭介の巧みな表現を存分に味わえます。

20代におすすめなのが『メタモルフォシス』『ワタクシハ』『御不浄バトル』『隠し事』です。『メタモルフォシス』はSMをテーマにした作品で、官能的な大人の世界を垣間見られる小説です。男女の恋愛について書く『隠し事』もおすすめします。

『ワタクシハ』や『御不浄バトル』は、就職活動や仕事がテーマの小説です。社会人として歩きだした20代におすすめです。

30代以上におすすめなのが『スクラップ・アンド・ビルド』と『盗まれた顔』です。『スクラップ・アンド・ビルド』は、介護を通して祖父との関係性や主人公の内面が変化していくのが魅力です。『盗まれた顔』は見当たり捜査官の主人公が、同僚の死の真相を暴いていくサスペンス。

2作品とも、さまざまな経験を重ねた30代にぴったりです。小説ではありませんがエッセイもおすすめです。

全世代におすすめの作品は『スクラップ・アンド・ビルド』『走ル』『ミート・ザ・ビート』『黒冷水』です。

芥川賞を受賞した名作『スクラップ・アンド・ビルド』や、リアルな描写による臨場感が魅力の『走ル』『ミート・ザ・ビート』は年代問わずおすすめです。どろどろした兄弟関係を描く『黒冷水』も幅広い世代で楽しめます。いずれの作品も表現が秀逸で、年代を問わずおすすめです。

文章の表現の美しさや、人間心理をありありと描く純文学が好きな方には、『スクラップ・アンド・ビルド』がおすすめです。序盤こそ人間の醜さや老いた人間の惨めさがコミカルに書かれるものの、ストーリー終盤では人間の強さや美しさを感じさせます。

羽田圭介ならではの着眼点や心理描写も魅力で、哲学的な小説が好きな方におすすめです。

爽やかな気持ちにさせてくれる作品が好きなら、青春小説がおすすめです。羽田圭介は人間の暗黒面や影を書くのが上手ですが、青春小説も高く評価されている作家です。

青春小説のおすすめは『走ル』『ミート・ザ・ビート』。読んでいるうちに、登場人物になったような臨場感を味わえます。細やかな描写と秀逸な表現で、青春を感じさせてくれる作品です。

官能小説を味わいたい方におすすめなのが、SMをテーマにした『メタモルフォシス』です。テーマがSMなので、過激かつエロティックな表現に目を奪われますが、人間の性を深く生々しく書かれているのも魅力です。

芥川賞候補に選ばれるだけあって名作・傑作と名高い本作品。官能小説としてはもちろんのこと、文学作品としてもおすすめの小説です。

日頃あまり小説を読まない方や、ラブストーリーが好きな方におすすめなのが恋愛小説です。

羽田圭介の『隠し事』は、付き合っている男女の心の機微が見事に表現されている恋愛小説です。恋愛における愛憎や執念が巧みに表現されており、自分の立場に置き換えて読むと作品の世界観がさらにリアルに感じられます。現実味がある物語が好きな方におすすめです。

怖い話や刺激的な話が好きな方におすすめなのが、ホラー・サスペンス小説です。ホラーが好きな方には、ゾンビが溢れる奇妙な世界で人間とは何かを書いた『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』がおすすめです。

『黒冷水』は作者の鋭い表現力で、文字通り恐ろしくヒヤリとさせられるサスペンス小説です。終盤にかけての怒涛のストーリー展開も魅力で、サスペンスやミステリーが好きな方は、ぜひお読みください。

面白いコメディ小説を読みたいなら『成功者K』や『御不浄バトル』がおすすめです。どちらもシュールでクスりと笑える部分がありますが、鋭い視点と表現力で人間の性と心理がありありと書かれています。

羽田圭介の作品は重いテーマを扱っていてもどこかコミカルで、ユーモアが溢れているのが魅力です。面白い物語が読みたい方は、ぜひ試してみてください。

羽田圭介はエッセイも出版しています。羽田圭介のエッセイは論理的かつ軽快な語り口で、筆者のさまざまな経験が綿密に書かれているのが魅力です。

『羽田圭介、クルマを買う。』では車を購入する体験について子細に描き、『三十代の初体験』ではさまざまな経験に体当たりで挑んでいます。羽田圭介のファンはもちろんのこと、近い世代の方は、ぜひエッセイもチェックしてみてください。

若くして才能が花開き、これまでさまざまな作品を生み出した羽田圭介。多彩な魅力を持つ羽田圭介は、年齢と共に表現の幅や深みを増している注目の作家です。読みやすく斬新な切り口の小説を数多く出版しているので、気になる方はぜひ読んでみてください。こちらもあわせてご覧ください。