ひかわきょうこの漫画おすすめ8選｜代表作『彼方から』や『荒野の天使ども』を紹介

平凡で純粋なヒロインとクールな男性像のヒーローが魅力的なひかわきょうこ作品。時空を超えたファンタジー漫画『彼方から』の壮大な舞台とストーリーに魅了された方も多いのでは。そこで今回はひかわきょうこ作品の魅力に迫ります。

ひかわきょうこの漫画は、多岐のジャンルにわたって描かれる登場人物たちが全員魅力的。また壮大で緻密なストーリー性は評価が高く、日々の何気ないことが当たり前ではないと気付かせてくれる、そんな心がほっこりと温まる作品が多いのも特徴です。

『彼方から』以外にも魅力あるひかわ作品は多く、一度ひかわワールドにはまったなら、他作品も気に入ること間違いありません。おすすめのひかわきょうこ8作品をご紹介しますので、きっとまだ読んでいない良作に出会うはず。最新刊も見逃せません。ぜひ最後までご覧ください。

1957年大阪府堺市生まれ。1979年『LaLa』でデビュー。同年白泉社デビュー賞を受賞した後は、『LaLa』『メロディ』の両紙にて少女漫画を連載しています。1991年に連載を開始した大ヒット異世界恋愛漫画『彼方から』で、2004年第35回星雲賞コミック部門を受賞しました。

主人公は、純粋・素朴・平凡な少女。しかし置かれた状況にめげず、何事にも一生懸命で頑張る姿が魅力的です。対して相手役の男性はクールで強くてカッコいいと3拍子揃った青年で、少女漫画誌の理想のカップルとも評され、幅広い世代の女性支持を得ています。

ひかわきょうこ作品といっても、そのジャンルはさまざまです。『荒野の天使ども』から始まるミリアム＆ダグラスシリーズでは西部劇を、大ヒット作品『彼方から』では異世界ファンタジー、そして『お伽もよう綾にしき』では平安時代を舞台を舞台にしたラブストーリーが楽しめます。

2022年5月には待望のファンブックともいえる画集が発売され、ますます人気のひかわ作品。少女漫画ならではのやさしいほっこりとしたストーリー展開も魅力的です。平凡なヒロインの非凡な日常を描く、名手ひかわきょうこの甘酸っぱい恋愛ストーリーを堪能してください。

ここではひかわきょうこ作品の中でも、特に人気の6作品についてご紹介します。時代や舞台を変えながらも、心あたたまるひかわワールドは健在です。自分の好きな作品を見つけて、ひかわ作品にどっぷりつかりましょう。

どこにでもいる女子高生、立木典子が主人公。SF作家の父を持つ典子は、異世界や日常の不思議が大好き。ある日道端に置かれた爆弾の暴発によって異世界に転送されてしまうところから物語が始まります。

言葉も分からない異世界で、運命の相手イザークと出会ったことから平凡な女子高生典子が強くたくましく成長していく姿も見どころです。冒険のさなかに出会う人たちとの温かい交流や、主人公2人の甘酸っぱい恋愛にハラハラドキドキの異世界冒険ストーリーを楽しめます。

保安官志望の若者3人、ダグラス・カード・ジョエルの3人組。旅の途中で遭遇した駅馬車強盗の一件で、7歳の少女ミリアムと出会うところから物語が始まります。ミリアムは捨てられていた自分を拾ってくれた優しい女牧場主グレースのために、男手を見つけに町に来ていたところでした。

若者3人のリーダー、ダグラスとミリアムの関係がかわいらしいまま本作は終わりますが、9年後のその後を描いた『時間を止めて待っていて』『それなりにロマンチック』で続きを楽しめます。計7巻に及ぶダグラス＆ミリアムの恋愛模様を追う壮大な西部劇ロマンスです。

主人公は高校2年生の星野智美。ひそかにクラスメイトの沢田君に思いを寄せているのですが、彼には他に思い人がいて、恋心を伝えないまま失恋してしまいます。でも智美には友達もいるし、まだまだこれからいい人を見つけるぞ、とめげない。まさに『女の子は余裕！』です。

平凡な智美の日常を描きながらも、友人との温かいエピソードにはっとさせられる視点はひかわ作品ならでは。憧れの存在である男鹿先輩とのやり取りもあり、少女漫画らしいキュン展開が魅力です。ちょっと懐かしくもある、少女漫画らしさ全開の恋愛模様を楽しみたい方におすすめの作品です。

不思議な力をもつ少女すずが主人公。両親もおらず、近所の子どもたちのいじめから救ってくれたのが、新九郎「ととさま」でした。それ以来2人は実の親子のように仲よく暮らしていましたが、ある日妖術使いの討伐に出掛けた新九郎はそのまま戻ってこず、行方不明に。

それから10年もの歳月が流れ、妖怪によって窮地に立たされたすずが新九郎の形見の笛を吹くと、そこにはととさまそっくりの公家姿の男性が現れます。時が経ち美しい女性に成長したすずと空間に囚われてそのままの姿で現れる新九郎とのラブストーリー。妖怪退治の冒険活劇も必見です。

新学期に新しい高校に転校してきた琴美。父の転勤で引っ越してきた土地はなにやら悪霊が巣くう、いわくつきの場所で、7年ぶりに会った幼馴染のマー君や新学期早々に不思議な縁を持った3人と教室に閉じ込められてしまいます。

5人で謎を解き明かしながら、閉じ込められた学校から脱出すべく悪霊と対決するお話です。物語のカギを握る埴輪たちに癒されつつ、おどろおどろしい悪霊の姿と共に5人の葛藤を丁寧に描いています。主人公とマー君の恋の行方も気になりつつ、物語に引き込まれること間違いなしです。

2017年連載開始した『魔法にかかった新学期』の最終巻刊行と共に発売された『ひかわきょうこ浪漫飛行』。ファンが待ちに待った待望の画集でもあります。珠玉のイラストギャラリーから著者本人へのロングインタビュー記事の掲載もあり、ファンにはたまらない作品です。

イラストは、大ヒット作『彼方から』『お伽もよう綾にしき』をはじめ、初期の人気ロマンチックコメディ『千津美と藤臣くん』など完結直後の最新作までを網羅した作品紹介集でもあります。また、文庫未収録作品の掲載もあり、ひかわきょうこファンなら見逃せない1冊です。

ひかわ作品の魅力は、くじけない主人公のひたむきな強さ。特別な力はなくても、一生懸命前向きに頑張る姿に心を打たれます。また周囲の人との関係性も緻密に描かれていて、読み終わった後に心が温まるのもひかわ作品ならではです。まだの方はぜひ一度手に取ってみてください。

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