彩瀬まるの小説おすすめ15選|映画化された『やがて海へと届く』も紹介

彩瀬まるは、どこかはかなくも繊細で美しい人間模様を描いている作品を執筆しています。作中には、思わず読んでいて涙をしていまう場面もあるほど、素敵な作品ばかりです。彩瀬まるの小説の魅力をお伝えするために、彼女の人物像やおすすめの作品などについて紹介します。

2023/08/10 更新

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人気アイドルだった祖母を持つ、服飾デザイナーの歩。 彼女は祖母の華やかな姿にとらわれ、自分自身を輝かせることができないでいた。 ある人物との出会いがきっかけで、変わっていく姿の描き方が、淡々とでも著者らしい丁寧さと独自の視点で特徴的。 あっさりした内容でありながらも、読了後は余韻を残し、悪くない後味。

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何のために働くのかが問われていると思えるストーリーでした。社会正義や自己の承認欲求、仕事への没頭、周りの人物との関係性の保持など、社会人として働いている人なら、何らかの思いで心がざわついたのではないでしょうか。ある事件も作者の研究の深さを活かした展開で読みごたえがありました。(後略)

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誰も悪くないけど、この感情をどこに置いたらいいんだろう、というできごとは生きていれば避けることはできません。主人公である光もその家族も、周囲の人も、そのできごとに向き合ってみたり、目をそらしたり、八つ当たりじみた行為に及んでみたり、さまざまな形で自分の感情を自分なりに消化して、なんとか生き抜こうとしています。 それでもどうしても苦しい。自分を含めて誰かが飛び抜けて悪いわけではないのに苦しさが抜けない。 読み進めるなかで彼女たちのそれぞれの苦しさが私にも伝染するようでした。(後略)

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大切な人を失った経験がない、失う事すら想像したことがない、そんな自分は今、幸せなんだと思う。 突然、大切な人を失ったらと始めて想像してしまう物語だった。大切な人を失う事は片方だけの気持ちではなくお互いとも同じ気持ちになる事を想像出来なかった。 自分だけが喪失感と絶望するのではなく相手も同じ気持ちになると、当たり前の事をあたりまえにかんじさせられた。相手の為にも大切に生きたいと思う。

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(前略)うまく立ち回る必要はないけど 人様に迷惑をかけたら謝ろう。 逃げてちゃダメ。いい教訓になりました。

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普通に就職して、普通に結婚して家庭を持つ、そんな世間では「普通」とされていることって実はすごく難しいんだなと思った。 この小説のメインキャラクター4人には、それぞれ辛い出来事があって、でも痛みを知っているからこそ彼らは人に優しくすることができる。 こうやって人が少しずつ誰かを思いやることができたなら、きっと優しい世界になるのになあと思った。 彼ら彼女らの思いやりとまっすぐな強さに何度も泣いた。 とても大好きな小説です。

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性的な表現はほんの数行で、全体通してほぼ恋愛の心情描写でした。「あの人は蜘蛛をつぶせない」の中で「セックスした」と端的に書かれているほうがよほど生々しく感じられるほど、こちらの本では控えめな表現だと感じられました。体から植物が生え、人は土に返っていく。「くちなし」に収録されている「花虫」と似た感じのストーリーでした。

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妻の体がありえない変身をするのだが、不自然さを感じないのはその理由が夫婦の溝から始まったことであるから。 夫婦の溝、どの家庭にも起こりうることを、丁寧に物語にしてあり、今、まさに面白いところを読んでいます。(後略)

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最初の方を読んで 「毒親の呪縛から逃れられない主人公が男にふられて仕事もうまく行かなくて悲惨なラストを迎える」 こんなお話だと思ったのですが読み進めると全然違っていました。 主人公は母親の呪縛から逃れようともがき、うまくいかないこともあるけどキチンと自分で考えて前に進んでいきます。 不器用で生きづらい人たちが何人も出ましたが、皆の未来が明るいものでありますように。そんな気持ちになれる優しいお話でした。

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扱うテーマ「生と死」が美化されずに独特の表現で描かれているのが魅力的。けれどここが読む人を選ぶ部分だと思う。万人受けはしなさそうだけど刺さる人にちゃんと刺さる鋭利さがある表現が印象的。安直なハッピーエンドを望んで読む物語ではないけれど、心に残る物語に出会いたかったら読むべき。ジャンルをホラーと書いているレビューが別サイトにあったけれど、微ホラー×ファンタジー×ヒューマン?という印象を受けた。人生の様々な段階ごとに読みたくなる。不思議な魅力のある作品だった。

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自分が年を取ってしまったからか、感銘を受けたり再読したいと思う作品がめっきり減った。そんな中で作中人物の思いをもしかしたら違う解釈もあるのかと考え、再考するために読み返したいと思う久しぶりの小説だった。 母を亡くした子供が思春期になり、自分のキズや痛みを他者(恋人になるか)に託せ、つながることで恢復しつつある過程は妙に納得した。 感性が磨かれる一作だと思う。

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最近本を読み始めた者です。こんな表現の仕方があるのか、と読みながらとても新鮮に思いました。 私は「くちなし」愛し方の違いを表現していると感じました。「花虫」恋に堕ちる時のあの感覚を、花に例えていると感じました。 「けだものたち」男と女が逆転したような、ところどころに散りばめられたなまめかしい表現が好きです。私も若い頃、怪物のような女だった。 中でも「花虫」には涙がこぼれました。私も偽物の愛でもいいから、今の幸せが覚めないで欲しいと願います。読み終わり、愛って、優しくて、苦しくて、いびつだと思いました。

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書下ろしの最後の一話まで読んで、意味があると思う。短編集のように読むこともできるが、それでも、最後の「塔は崩れ、食事は止まず」まで読んで初めてこの本を読む意味がある気がする。 どの話も完全なハッピーエンドとは言えないが、登場人物たちは皆自分の道を見つけて歩んでゆく。どのお話もなんだか切なくて、でもとても優しく愛おしい。 いつかまた読み返したいと思える一冊です。

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心の底に潜んでいる不可思議な意識をあぶりだすような物語が表現されている短編が含まれていました。 一度読んだだけでは理解できないような、理解するのではなく心で感じればよいのかもしれません。いわゆる常識を外して再読したいと思います。

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どの女性たちも日常を送りながらも、どこかで無理をしている。 その日常にそっと入ってくる食事によって、その後の日常が変わってくる。 あくまで食事が中心になることなく、きっちり物語としての流れがあるので、それぞれの話の中で違和感なく溶け込める。 著者らし女性を描く作品である。、

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