薪に適した木おすすめ5選｜薪にしてはいけない木や燃えやすい木は？

キャンプを彩る焚き火に必要な薪ですが、販売されている木材の種類はさまざまです。焚き火用の薪を探している際に、薪にする木はどれか・薪にしてはいけない木はあるのかなど疑問に思った経験はありませんか？

火付けに向く燃えやすい木・燃焼時間が長い木・薪に適さない木など、木によって特徴がさまざまでどういった場面で使うのか理解しておく必要があります。木の特徴を知っていれば、焚き火において薪選びに迷う心配はありません。

この記事では、薪の種類と特徴を解説します。薪の割り方・保管方法・どこで買うのかなどの疑問にもお答えしますので、参考にしてください。薪ストーブに適した木など場面ごとの選び方や、買ってはいけない木もお教えします。

焚き付けをする際、いきなり大きな薪には火が付かないため、細い木や枝から火をつけていきます。杉は軽いので持ち運びがしやすく、薪割りがしやすい種類で火付きがいいので焚き付け用の薪にぴったりです。一方で、長時間薪を燃やすような用途には向いていません。

松は松脂を含んでいるため油分が多く、火付きがいいので焚き火に適した木材です。杉やヒノキと比べると燃焼時間は長く、よく燃えてくれるのが特徴になります。一方で、ススや煙が出やすいので周りには配慮しましょう。

檜(ヒノキ)はお風呂の素材で使われるような高級木材で、香りがいいです。檜は火が付きやすく、よく燃える木材になります。その分、持続性には欠けるので焚き付け用として使用するのがおすすめです。細くカットしたものから使用するとよく燃えます。

楢(ナラ)の木はどんぐりの木で有名ですが、薪としても優秀と有名なものの1つです。火力が高く火持ちがいいのが特徴で、薪ストーブに適した木として薪ストーブや暖炉でも用いられます。焚き付け後の焚き火に太めの楢を入れると長い時間燃焼するのでおすすめです。

椚(クヌギ)は最高級の薪と称されるほど焚き火に適した木材です。密度が非常に高いため、火持ちがいいのが特徴です。乾燥時間も短いので、薪の素材に適しています。密度がある分、若干の重たさは感じますが、一度燃焼すると長持ちするので度々薪を足す必要がない木材です。

樫(カシ)は、火持ちがよく火力も高いため薪の王様と言われています。長く燃え続けるので繰り返し薪を投入する必要がありません。密度も高く固いため、割るのに苦労しますが薪としては最高素材です。樫は成長が遅いため流通が少なく、値段は若干高めで取引されています。

欅(ケヤキ)はお香を炊いたような独特の香りがある木材になります。火持ちがいいのが特徴ですが、比重が重たく固いため薪割りにはコツが必要です。樫と比べると高温にはなりませんが、粘り強く燃焼するので、薪ストーブなどにも適しています。

桜は燃え始めるとほのかに甘い香りがするので燻製チップとしても有名です。火力はそこそこですが、火持ちもよくススも少なめの木材です。火付けはよくないので、焚き付けの後に投入しましょう。蒸し料理や燻製を行う際にはおすすめです。

レッドガムはユーカリの一種で、オーストラリアに広く分布しています。加工がしやすく、密度が高く火持ちがいいので、薪ストーブや暖炉での使用に適しています。入手するのは容易ではなく、薪専門店などで購入する必要がある木材です。

メープルで呼ばれていますが日本では楓(カエデ)を指します。メープルは高火力で火持ちがいいのが最大の特徴です。欅(ケヤキ)と同様に線維が絡み合っているので薪割りしにくい木材になります。多くは輸入品のため、薪専門店で購入が可能です。

使いやすい薪を選ぶには、これまで紹介した薪の種類別の特徴に加え、薪を使う場面や太さ・大きさを考えて選ぶのが大切です。それぞれのポイントについて詳しく解説しますので、理解しておきましょう。

薪の用途は主に料理・暖を取るの2種類です。使う場面によって適した薪は変わります。以下では用途別の薪の選び方について解説します。

料理で使う場合、焚き付けには火の付きやすい針葉樹・火の維持には長持ちしやすい広葉樹と使い分けましょう。脂の多いマツは焚き付け用として優秀です。広葉樹は種類が多いですが、初心者には扱いやすくコスパのいいブナ・コナラをおすすめします。

薪ストーブや焚き火で暖を取りたい場合は、長時間燃え続ける広葉樹が適切です。特にクヌギやカシは密度が高いため、強い火力が長持ちします。また、ナラは手頃な価格で購入できて、火持ちも十分です。いずれの薪もしっかり乾燥したものを使う必要があります。

薪は使う場面によって適した太さ・大きさが異なります。薪の太さは大きく分けて以下の3種類です。

• 太割（直径10～12cm程度）
• 中割（直径6～7cm程度）
• 小割（直径2～3cm程度）

小さくて細いほど火がつきやすく、大きくて太いほど火持ちがよくなります。そのため、小割は焚き付けに、中割は火を大きくする過程で使い、火が安定したら太割を使いましょう。

「薪の種類はわかったけど、最良の薪はどんな薪なの？」と疑問に思うでしょう。焚き火や暖炉で使用する際にいい薪とは、木が十分に乾燥された状態にあるのが理想です。伐採されたばかりだと水分を多く含んでいるため、買ってはいけないです。

水分が多いと燃えにくいうえに煙が出やすいです。しっかりと乾燥された薪は縦にヒビが入っているため、選ぶ際のチェックポイントとして覚えましょう。また、叩いて高い音がするのもよく乾燥した薪である証拠です。

薪の量に関しては、木材の種類・燃やし方・燃焼時間・焚き火台の大きさなど条件によって違います。大まかな目安として、一般的には一泊のキャンプで5～10kg程度の薪が必要です。参考までに薪ストーブで使用する場合は20kg以上の薪が必要になります。

キャンプで焚き火調理のみで使用する場合は5kg程度、さまざまな調理や暖まるために長時間燃焼する場合は、10kg以上は必要です。足りなくなってもキャンプ場で1束3～7kg程度で販売されている場合があります。

先ほど紹介した通り、薪は乾燥が大事です。基本となるのは日当たりがよく、風通しのいい場所で保管しましょう。屋外で保管するのは仕方ありませんが、屋根がついて雨に濡れない場所が理想です。薪置き場のような小屋があるといい状態で保管ができます。

ジメジメした場所は水分を含んでしまうので、虫の発生や木が腐る原因です。また、水分を含むと薪が燃えにくく煙が多くなったり、爆ぜたりする危険もあります。キャンプ場でも直置きせず、薪ラックやスタンドを使用するのがおすすめです。

斧や鉈は薪割りにおいて代表的なアイテムです。斧は柄の先が重たくくさび型の刃が装着されています。刃が重いので遠心力と刃の重さで薪割りが可能です。木の伐採には大型のものを用いますが、薪割りは30cm程度の短いものが使いやすいとされています。

小さい薪はナイフで割る方法があります。ナイフで薪を割るのをバトニング法といい、これは薪の先端にナイフの刃を当ててナイフの背を木材で叩いて押し込み細かく割っていく方法です。細かい木が必要な焚き付け用の木材を作成する際に最適の方法になります。

斧やナイフ以外に、薪割り機を用いてる方法もあります。暖を取るために長時間薪を燃焼させる場合や、薪ストーブや暖炉などで薪を大量に消費する場合は、一度に多くの薪が必要です。大量の薪を手作業で割るのは大変なので、薪割り機を用いると簡単に薪割りが可能になります。

薪は道の駅やホームセンターで購入可能です。保管場所の関係で、事前に調達が難しい場合に重宝する購入場所です。とはいえ、道の駅やホームセンターは取り扱っている種類が少ないため、お目当ての薪は購入できない場合があります。

薪はまとめて購入すると重たいですし、専門店ではない限り購入できる種類が限られてしまいます。通販ではまとめて頼んでも自宅に届きますし、購入できる種類も豊富です。また、サイズも選べて購入できるので重宝します。

森林組合や薪専門店ではまとめて大量に購入ができます。1泊程度のキャンプでは必要ないかもしれませんが、薪ストーブや暖炉を使用するのであれば便利な買い方です。とはいえ、郵送ではない場合は自分で受け取りに行く必要があるため、事前に問い合わせておきましょう。

製材所や建築会社で廃材を無料で貰う方法があります。端材といって木材を加工する過程で不必要になった部分で建築資材としては使えないものが主に貰えます。とはいえ、既製の薪のように乾燥していないので、加工して乾燥する過程が必要になります。

木材すべてを薪にしてもいいかというとそうではありません。薪にすると危険なものがあります。キョウチクトウは枝・葉・花などすべてに毒成分を含んでおり、燃やした灰にも成分が残るので注意が必要です。

その他にもウルシやハゼノキを燃やした煙を吸ってアレルギー反応を起こす場合がありますし、建築物を解体した後の廃材には接着剤などの化学物質が付着している場合があります。このように、薪にしてはいけない木があるので注意してください。

焚き火を長持ちさせるには、燃えやすい木を選んで正しく組むのが大事です。薪を効率よく燃やすには、酸素が上手く入るように組みましょう。燃えやすい薪と燃えにくい薪を組み合わせて燃やすと、さらに効率よく燃やせます。

この記事では、薪の種類や特徴についてご紹介しました。焚き付けに適した薪や長時間燃焼に適した薪など種類はさまざま。この記事を読めば薪について少し詳しくなったはずです。薪を見極めて焚き火をさらに楽しく盛り上げてください。