空気清浄機は芳香剤の匂いも消す？ルームフレグランスとの併用方法を紹介！

空気清浄機は室内に浮遊するほこり・ハウスダスト・花粉などを除去する便利な生活家電。特に寒い時期は重宝し、24時間つけっぱなしにする方も多いですよね。一方、芳香剤（ルームフレグランス）・ディフューザー・お香などは香りを楽しむアイテムです。香り成分を空気中に放出し、部屋をいい香りで包みます。

空気をきれいにする空気清浄機と空気に香りをプラスする芳香剤。2つを併用すると、いい香りの空気清浄機が反応して、芳香剤の匂いも消すため相性は悪そうに思えます。消臭剤でもいいけれど、できればきれいな空気の中でいい香りも楽しみたいですよね。

そこでこの記事では、実際に空気清浄機と芳香剤を併用できるのかを詳しく解説します。ディフューザーとの併用方法も紹介していくのでぜひ参考にしてみてください。

空気清浄機と芳香剤の相性が悪いのは、空気清浄機が室内の空気をフィルターを通して吸い込み、清潔な空気として放出するからです。芳香剤の匂いは、フィルターの中にある活性炭に関係なく吸着されてしまいます。

活性炭は表面に小さな穴が空いていて、そこに匂いの元となる成分が吸着されて消臭効果を発揮するため、いい匂いだろうと悪い匂いだろうと空気清浄機のフィルターに吸着してしまうのです。また、同様の理由で衣類に使用する柔軟剤の匂いも空気清浄機は反応します。

芳香剤は部屋に存在する匂い成分よりも多く、匂い成分が存在する状態です。芳香剤が部屋にいい匂いを広げて空気清浄機がその匂いを吸い取る悪循環を繰り返すと、空気清浄機を使っても部屋の空気は匂いがついた状態のままになります。

そうすると芳香剤の匂いも感じず空気清浄機にもダメージを与えてしまいます。芳香剤を使用していると活性炭に吸着される匂い成分が常に増えてしまい、空気清浄機の脱臭フィルターの交換時期を早めてしまいます。

つまり、芳香剤と空位清浄器を併用すると、芳香剤の匂いは空気清浄機に吸着され、においは感じないのに芳香剤は早くなくなり、さらに空気清浄機の寿命も早めてしまいます。

空気清浄機と芳香剤を併用するなら、以下の方法がおすすめです。

• 空気清浄機を動かしていない時間にディフューザーを使う

たとえば、リビングで約30分空気清浄機を動かすと部屋中の空気がきれいになるとします。空気清浄機を30分稼動させ電源を切ってから芳香剤を置くと、きれいな空気といい香りが実現します。

• ディフューザーと空気清浄機を離れた場所に置く

一人暮らしだと少し難しいですが、広めのリビングなら角と角に置けば、それぞれの効果が十分に発揮できます。ただし空気清浄機の機能が優秀だと、ルームフレグランスの香りも吸い込む場合があります。

• アロマ空気清浄機に変える

空気清浄機を買い替える予定があるなら、芳香機能付きの空気清浄機もおすすめです。パナソニックの加湿空気清浄機「キャラメルモカ F-VKJ20-C」は、空気清浄機を稼働させながら加湿＋アロマをプラスする機能があります。

加湿空気清浄機の給水タンクは、アロマや香水など油分を含むものを入れると故障の原因になるため基本的に水道水の利用のみが推奨されていますが、中には加湿器に使用可能なアロマもあります。ただしその場合でも使用可能な加湿器とそうでないものとがあるので使用する際は必ず商品の注意書きを読むようにしてください。

芳香剤には消臭成分は含まれていません。強い香り成分を空中に放出して"空気に香りをプラスする"アイテムです。不快な臭いが消えたと感じる方もいるかもしれませんが、実際には元の臭いが消えた訳ではないのです。

そのためトイレや玄関などの、強力な悪臭がある場所での芳香剤だけの使用は向いていません。特にトイレでは、他の臭いと混ざると不快感が増すので注意しましょう。リビングや寝室など、匂いが少なく、香りを嗅いでリラックスできるような場所に置くのがおすすめです。

消臭剤にはその名の通り消臭成分が含まれています。イヤな匂いを除去または緩和する目的で作られており、悪臭といわれる成分にのみ反応します。たとえばトイレ専用の消臭剤では、アンモニアや硫化水素といった特有の臭いに反応し、悪臭を除去・緩和します。

消臭剤は芳香剤の香り成分には反応せず、いい香りは打ち消しません。そのため消臭剤でイヤな匂いを除去し、芳香剤で香りをプラスする併用方法が可能です。消臭剤の置き場所には、トイレや玄関などイヤな匂いが気になるところがおすすめです。

芳香剤と消臭剤の併用方法ですが、基本は"置くだけ"です。しかしその置き場所が非常に重要です。ここでは使用したい場所に合わせて説明します。

• トイレ

悪臭成分とされるアンモニアや硫化水素などの成分は空気よりも重く、悪臭は上から下へと流れます。そのため消臭剤は床もしくは床に近い場所に設置しましょう。芳香剤は目線よりもやや低めの位置に設置すると、悪臭が消えトイレに心地いい香りがプラスできます。

• 玄関（靴箱）

靴箱に置く場合には、消臭剤は下の段に入れるようにしてください。芳香剤はお部屋全体の風通しを考えて、空気の上流に設置しましょう。そうすると玄関をいい香りで包み込めます。

空気清浄機は浮遊する粒子や臭気を取り除いて空気をきれいにします。「どうやって取り除いているの？」と疑問に思う方もいますよね。実際には浮遊する粒子や臭気を集めて、フィルターに付着させています。

空気清浄機の消臭フィルターは、一般的にプレフィルターと集じんフィルターとが重ね合わさって内蔵されています。この2つはそれぞれ異なる役割を果たしていて、プレフィルターでは大きなごみを取り除く役割を、集じんフィルターでは細かいごみを集める役割を果たします。

プレフィルターは掃除機でほこりを取り除いたり水洗いもできたりするので、繰り返し使えます。集じんフィルターは微粒子を正確に捕集する非常に高性能なフィルターなので、掃除機による手入れや水洗いができません。ひどく汚れた場合は交換が必要になります。

アロマ空気清浄機は空気清浄器とアロマディフューザーが1台になったアイテムです。空気清浄機とアロマを併用すると、アロマの香りが空気清浄機に吸い込まれてしまっていい匂いはほとんど楽しめません。

しかしアロマ空気清浄機ならアロマの香りを楽しみつつ空気をきれいにできます。アロマ空気清浄機が気になる方はぜひこちらも合わせてご覧ください。

芳香剤は空気に香りをプラスするアイテム、そして空気清浄機は空気をきれいにする生活家電でした。この記事を参考に2つを上手に使い分けて、きれいな空気と心地いい香りを楽しんでくださいね。