ヤマザキマリの作品おすすめ12選｜【漫画・エッセイ】代表作『テルマエ・ロマエ』など

ヤマザキマリは、代表作『テルマエ・ロマエ』で一世を風靡した人気漫画家です。本場イタリアで美術を学んだ彼女の本格かつ独特なイラストタッチは、作品を読むだけでローマの世界へと引き込みます。

また、明るく前向きな人柄もヤマザキマリの魅力のひとつです。彼女の物怖じしない発言は、ときに炎上してしまうことがある一方、「自分を持っていてかっこいい」と、多くの人の共感を得ていることも確かです。

今回は、そんなヤマザキマリのおすすめ作品をご紹介していきます。『テルマエ・ロマエ』をはじめとする、ユニークな視点で描かれた漫画やエッセイは、一度読んだらやめられなくなるものばかりです。ぜひ、参考にしてみてください。

ヤマザキマリのユーモア溢れる作品ができるには、彼女のこれまでの経歴や人柄が大きく関係しています。そこで、まずはヤマザキマリという人物について知っておきましょう。

指揮者の父とヴィオラ奏者の母のあいだに生まれたヤマザキマリ。14歳のときに行ったヨーロッパの一人旅でカルチャーショックを受け、彼女の感性が目覚めます。高校生で学歴の代わりに大学入学資格検定を取得し、17歳でイタリアへ留学しました。

イタリアに渡ると、国立フィレンツェアカデミア美術学院に入学し、美術史と油絵を11年間学びます。イタリアの芸術に魅了された彼女は、画家としての活動を続けながら、自らの体験をエッセイや漫画にして発信するようになりました。

ヤマザキマリといえば、その明るく前向きな人柄も多くの人を引きつける魅力のひとつです。困難にぶち当たったときも、その状況をおもしろおかしく捉える彼女の姿勢は、これまでのエッセイやインタビュー記事でも印象的です。

また、彼女自身、幼少期に父を亡くしたり、イタリアで自身もシングルマザーになったりと、波瀾万丈の人生を歩んでいます。だからこそ、何が起きても揺るがない強さと誠実さを持っているのかもしれません。

人気漫画家として活躍するヤマザキマリですが、はじめから成功していたわけではありません。シングルマザーのころ、「子どもをひとりで養っていかなくては」という思いで始めたエッセイストや漫画家の仕事は、なかなか開花しませんでした。

結婚後、古代ローマ好きの夫の影響で、あの『テルマエ・ロマエ』の連載を始めます。連載開始から2年後、マンガ大賞を受賞。その後、映画化されると興行収入50億円を超える大ヒット作となりました。

ヤマザキマリのユニークさは人柄だけに留まらず、彼女が描く作品にも表れています。「こんな漫画読んだことない」と、新鮮に感じたかたも多いのではないでしょうか。では、その漫画の魅力をいくつかご紹介しましょう。

ヤマザキマリの漫画で、まず目を惹くのが本格的な絵です。繊細で芸術的なタッチは、まるで美術館の作品を見ているかのよう。本場イタリアで、長年絵画を学んできた彼女だからこそできる作品の個性です。

また、『テルマエ・ロマエ』をはじめ数々の作品のなかに、イタリアを代表する彫刻や名画を模したイラストもたくさん出てきます。作品のなかで多くの芸術に触れられるのは、ヤマザキマリの漫画の大きな魅力といえるでしょう。

ヤマザキマリの漫画には、実在する彼女の家族や古代イタリアの空想の人物など、ユニークで愛嬌溢れるキャラクターが登場します。思わずクスッと笑ってしまう面白い人物像は、たとえ悪役でもいとおしく感じてしまいます。

とあるインタビューでは、精神科医に「あなたの描く人物はマイペースな変わり者ばかりですね」と言われたエピソードも。ヤマザキマリの漫画に触れると、日常で出会う人々に目を向けることがちょっと楽しくなります。

ヤマザキマリの漫画には、人生を楽しく生きるためのヒントが詰め込まれています。たとえば、『ヤマザキマリのアジアで花咲け！なでしこたち』は、海外で暮らす日本人女性たちを実際に取材し、その奮闘する様子を描いた作品です。

なぜ海外生活をするに至ったか、そのたくましさの根源は何かなど、女性たちのルーツを探っていく内容。「私も頑張ろう」と、背中を押された読者も多いのではないでしょうか。ヤマザキマリの漫画には、このように前向きになれる作品がたくさんあります。

『テルマエ・ロマエ』は、ヤマザキマリの漫画家人生を大きく転換した彼女の代表作です。舞台となる古代ローマで、浴場の設計技師であるルシウスがお風呂を通して古代と現代を行き来するコメディ漫画です。

作中では、ルシウスが日本の現代文化に触れながら驚きと感動を繰り返します。そのたびに、日本文化の素晴らしさを再発見できるのです。主人公を取り巻く愉快な登場人物たちにも、いつの間にかほっこりします。ヤマザキマリの作品のなかでも、読んでおきたい作品です。

ヤマザキマリの漫画には、『テルマエ・ロマエ』以外にも多くの人気作品があります。いずれも、ヤマザキマリの世界観が満喫できる作品です。こちらでは、なかでも話題を呼んだ作品を2作をご紹介しましょう。

イタリア人と結婚し、夫の家族と生活を共にすることになった自身の暮らしのコミックエッセイ。息子を溺愛する姑をはじめ、マイペースな舅に恋愛体質の義姉と、まさに自由奔放なイタリア家族たちとのやりとりが、面白おかしく描かれた作品です。

また、日本とイタリアの文化の違いを発見できるのもこの作品の魅力。「こんな考えかたもあるんだ」と、価値観が広がります。振り回されるなかでも愛を感じる、心温まる作品です。

古代ギリシャの青年デメトリオスを中心に繰り広げられる、時空を超えた青春ストーリーです。なぜか、東京オリンピックに沸く日本にタイムスリップしてしまったデメトリオス。戸惑う彼のまえに、次々と歴史の偉人たちが現われます。

「自分はどちらの道に進むべきか」と悩む彼に、それぞれの視点から助言をくれる偉人たち。出会いや別れ、葛藤など、今も昔も変わらないモヤモヤした青年期を、繊細かつコミカルに描いています。受験勉強中のかた、転職を考えているかたにおすすめです。

『テルマエ・ロマエ』といえば、大ヒットを記録した映画も要チェックです。古代ローマ人の濃い顔を意識してキャスティングされた豪華俳優陣たちにも注目。彼らが織り成すドタバタ劇は、何度見てもクスッと笑ってしまうでしょう。

また、漫画では描かれなかったキャラクターが登場したり、壮大な音楽が使われていたりと、映像でしか味わえない世界観も魅力。のんびりと家族で過ごす休日におすすめです。

ヤマザキマリは、エッセイも多く執筆。人生経験豊富な彼女だからこその体験談や、これまで訪れた海外での発見などを綴った作品が目立ちます。思い出を語るように展開され、本が苦手なかたでも楽しく読み進められるのも、ヤマザキマリのエッセイの特徴です。

また、本の虫である彼女だからこその説得力は、読んでいて気持ちがいいほど。ハッキリと物を言う姿に勇気をもらったという読者も少なくありません。

ヤマザキマリの漫画は、読みながら彼女の芸術センスに触れられるのが魅力。また、リアルな異国文化を肌で感じることもできます。疲れているとき、悩みを抱えているとき、ヤマザキマリのパワフルな作品に元気をもらいましょう。