絲山秋子の小説おすすめ10選|人気の芥川賞作家!短編も人気

絲山秋子は2006年出版の『沖で待つ』で第134回芥川賞を受賞した実力派作家です。日常の中に潜む喜びや物悲しさなどを描いており、特に30代以上の働く女性から絶大な人気を集めています。ここでは、絲山秋子のプロフィール・代表作・おすすめ10選などを紹介します。

2023/08/10 更新

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「沖で待つ」 筋には触れないでおくけれど、この言葉を作中で読んだときの、なんとも言えない響きに、やられた。 意味もなく、泣きそうになった。不意打ちのように、深く揺られた。 決して恋愛にはならない男女を描くところは絲山さんらしいが、それだけではなく、大事な瞬間が過去になってしまっていく時間の経過を描くところも、絲山さんならではな気がする。 この本には「勤労感謝の日」「沖で待つ」「みなみのしまのぶんたろう」の3つが収録されている。 表題作と「勤労感謝の日」は、女性総合職という立場で働いてきた女性たちの、あの時とその後を描いている。 私より幾つか年上の先輩たちの体験談を聞いているような気分になった。

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「自分の知っている過去と少しでも違っている他人の表現を指摘し、責めるのはなぜだろう」というフレーズがとても印象に残った。すれ違いが重なることで蓄えられる信頼もあると知った。距離が近いからといって心理的な距離が近いわけではないし、遠いからといって離れているわけではないのだ。

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絲山さんの本を初めて読んだが、軽く続く文章がとても心地よく、 他の作品も読んでみたいと思わせる作品だった。 部分部分、若干サービス過剰ではと感じるエピソードもあったが、 人と人、男性と女性の微妙な関わりをとてもうまく表現していると思う。 同時収録の「第七障害」は少女漫画のようなストーリーだが、面白く読んだ。 通勤のほんの少しの時間で読み切れてしまう文庫でここまで楽しめるものに久しぶりに出会った。

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この二編、時間をおいて読んだせいか印象が全く異なる。違う作家が書いた作品に感じた。 共通しているのは淡々と進んでいく中に感じるかすかな感情の熱。

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東京から群馬県高崎市に戻ってきた宇田川静生、三十代独身神主見習いの仕事と長期アルバイトに人生を削る日々の中、東京出身の工房経営者と出会う。自由で奔放な生活は憧れでもあったのか、宇田川はその空気に馴染むが……。 地方都市の美しさと、そこで生き抜くことの厳しさを、緩急ある文章で味わえる。 (中略) 考えて、考えて、「過去が過去になっていく」(p268)。これって、つまり漸進ってことだ。 人へのたゆまぬ対峙が人生を形づくってゆく。納得の谷崎潤一郎賞受賞作だ。

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とにもかくにも現実味がすごい。 書き割り感が全然なく、ウェットなのに読みやすい。その点に著者の腕が光る。 欠けた部分を各々抱える小松とうさちゃんとみどりが交錯し合う。その混ざり具合が心地よい。 人間の悲哀が程よく滲み出ている。 その後のくらげの話も小松とうさちゃんの掌編も何か刺さる。 もろもろあって、くたびれた人向けですね。沁みますよ。

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ミステリーのような、恋愛小説のような、純文学のような、つかみどころのない素敵な小説です。 2人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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心に傷を負い、ヤドカリのように敦賀の町に隠居している河野。人々の孤独に寄り添うファンタジーという人知を超えた存在。河野の同期で友人の片桐。 出会って別れて傷を抱えて生きていく日常。 絲山さんの物語はわりと淡々と進んでいくんだけど、文章に余計な装飾が少なくリズムがあって読みやすい。 そして絲山さんの作品を読むと、ハッとなる一文に出会うことが多い。その一文が物語を印象付け余韻を残す。 この作品でも河野と片桐と澤田の孤独についての会話が印象に残りました。

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花ちゃんとなごやん、二人の逃亡の旅は、精神の病を患ったことのない読者にも少なからず、自分の心や体が思い通りにならない辛さを体験させてくれる。しかし、決して暗くならず、なぜか前にしか進まない。生きる力を見せてくれる。

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著者の作品は、いくつも読んだが、今までは、同年代ということもあり、かなり感情移入しつつ読めて良い意味で心がざわめく感じがあったが、この作品はどちらかというと、安定感のある読後感。 確かな技術で構築された、とでもいうか、読んでいて、高崎の町のことや、主人公とその周りの人たちとの関係もとてもリアルに感じるのだけれど、ざわめきはしなかった。 主人公の性格のせいもあるのか。。。 実際に、高崎周辺に住み、高崎のFMにも出演している著者ならではのリアルか? 映画にもなるそうだ。 現役の小説家を読む楽しみには、次の作品を待つことができることもあるな、と改めて思っている。

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