歯ぎしり用マウスピースおすすめ10選！実際に効果あるの？デメリットは？

皆さんは、成人のおよそ8割が就寝時に歯ぎしりをしているという事実をご存知でしょうか？実は、その中でも自分の歯ぎしりを自覚できているのはわずか1割ほどと言われています。歯ぎしりや食いしばりによる健康への影響はさまざまです。

場合によっては顎まわりの筋肉が大きくなり、エラを張っているかのように顔が変わってしまうなんてことも。歯ぎしりに気がついた際には、早めに改善することが大切です。

市販の歯ぎしり用のマウスピースはスポーツ用や矯正用とは違い、薬局やドン・キホーテ、ロフトなどで手軽に購入が可能です。ここではそんな歯ぎしり用マウスピースの効果を含め、おすすめ商品や購入時に役立つ選び方をご紹介していきます。

歯ぎしりは、歯の摩耗をはじめとした口内トラブル、さらに身体的にも良くない影響を及ぼします。歯ぎしりによる歯の負担を軽減するマウスピースには、歯ぎしりの不快な音を消す以外にも、以下の効果が期待できます。

最大で100キロの負荷がかかるとも言われる歯ぎしり。これほどの負荷がかかると、歯がすり減ってしまい、かみ合わせが悪くなったり、知覚過敏になったりする恐れがあります。また、歯ぎしりの負荷によって詰め物が取れたり、セラミックなどの被せ物が割れてしまうことも…。

マウスピースは、歯と歯の間のクッションの役割を果たし、歯ぎしりによる歯の負担を軽減してくれる効果があります。

強い力で歯ぎしりすると、歯や歯茎だけではなく下顎にも負担がかかります。下顎は顎を動かす顎関節（がくかんせつ）と繋がっているため、強い負荷をかけると顎関節症の原因になるとも言われています。

顎関節症とは、顎を動かす筋肉が痛んだり、口の開け閉めで音がしたり、口を大きく開けられないという症状です。マウスピースは顎への負担を減らすため、このような顎関節症の予防になります。

無意識の歯ぎしりによって、朝起きた時に「肩が痛い」「こめかみが痛い」と感じる方も多いです。歯ぎしりは、咬筋（咬む筋肉）やその周りの筋肉にも過剰に負荷がかかるため、肩こりや頭痛、背中の痛みなどの症状が出ることもあります。マウスピースの装着で歯の負担が軽くなると、このような肩こりや頭痛、背中の痛みの軽減にも繋がります。

マウスピースを購入する際、まず悩むのが「市販か歯医者で作るか」ですよね。

歯医者でつくる歯ぎしり用マウスピースは、しっかり型を取って作るので、自分の歯や歯茎にフィットするという点が最大の魅力です。ただ、出来上がるまでに時間がかかるのがネック。また、価格は保険が適用される場合で2500円~5000円前後、加えて初診料や検査料がかかります。

その点、市販のマウスピースは1000円~2000円前後と安価な製品が多く、費用を抑えることができます。型取りの時間もかからず、手軽に使うことができるのも人気の理由です。

歯ぎしり用マウスピースは、夜寝ている間をはじめ、日中気になるときにも使えます。歯医者でつくるタイプのマウスピースはそのまま装着するだけですが、市販品の中には「自分で型を取るもの」があります。ここでは、その使い方とお手入れ方法をご紹介します。

市販の歯ぎしり用マウスピースには「成型（歯型を取る）タイプ」と「型取り不要タイプ」「奥歯だけ固定するタイプ」の3つがあります。

自分の歯並びに合わせたマウスピースをつくる成型タイプ。作り方は簡単です。マウスピースを70~80℃の熱湯につけて20秒~30秒程度温め、箸などで掴んで水で冷やします。その後、口の中に入れて上下の歯をしっかり10秒程度噛み、型を取って完成です。（時間や温め方は製品によって異なります）

EVA樹脂やシリコン素材などの柔らかい素材で作られているため、余分な部分をハサミでカットしてサイズ調整できます。自分の歯ならびに合わせて型を取るため、ピタッと装着しやすく、寝ている間も違和感なく使えるのがメリットです。ただ、耐久性は既に成型されたタイプよりも劣ります。

型取り不要で、そのまま装着するだけで使えるタイプ。即席で使えるため「型取りが面倒」という方におすすめです。成型タイプよりもハードな素材を使用しており、耐久性があって強い歯ぎしりでも破損しにくいというメリットがあります。

ただ、自分の歯に合わないと期待通りの効果が得られなかったり、かえって歯ぎしりが悪化したりすることも。またハードな素材を使用しているため、着用時の違和感が大きいという点もデメリットです。

マウスピースの多くは歯全体をカバーするタイプですが、歯茎に当たって違和感を感じてしまう方も多いです。奥歯だけでをカバーする奥歯専用のマウスピースならば、歯茎に当たらないので、装着時の違和感なく使用することができます。成型が不要なタイプと同じく型取りの手間もありません。

ただ、寝ている間に外れてしまうこともあります。マウスピースが舌の下に入り、しっかり固定できるかどうかを確認しておきましょう。

マウスピースは口の中に入れるもの。しっかりお手入れしないと菌が付着したり、嫌なニオイが発生したりすることもあります。こまめに洗浄し、必要に応じて交換しましょう。

お手軽な方法としては、歯磨きと同じように歯ブラシでのブラッシングがおすすめです。ただ、研磨剤入りの歯磨き粉はNG！マウスピースに細かい傷をつけてしまい、カビや菌の温床になってしまう危険があります。また同様の理由で、ゴシゴシと激しく磨くのもNG！ブラッシングは優しく行いましょう。

雑菌が気になる方は、マウスピース専用の洗浄液や中性洗剤で洗うのも効果的です。熱いお湯だとピースが変形してしまうので、必ずぬるま湯で洗い流しましょう。

歯ぎしり用マウスピースを選ぶときのポイントは「タイプ」と「素材」と「構造」です。痛みの少なさや求める装着感に合わせて選びましょう。

先ほど紹介した通り、マウスピースには以下の3つのタイプがあります。

• お湯に浸けて歯型を成型するタイプ
• 歯型の成型が不要なタイプ
• 奥歯のみを固定するタイプ

装着感やフィット感を重視するなら、お湯につけて歯型を成型するタイプのマウスピースがおすすめです。型取る手間が面倒な方は成型不要ですぐに装着できるタイプや、奥歯を固定するタイプが良いでしょう。

ただ、サイズが合わないマウスピースを無理に使用するとかえって症状が悪化してしまうことも。「サイズが合わない」と感じた場合は、すぐに使用を止めましょう。

素材は歯ぎしり用マウスピースの「装着感」を決めるポイント。特に使用されているのは弾力性のあるEVA樹脂とシリコンの二つです。

ハードタイプとも呼ばれるプラスチック製マウスピースは頑丈で、激しい歯ぎしりでも壊れにくいという特徴があります。ただし頑丈なぶん素材が硬いので、装着時に違和感を覚える方も多く、慣れるまで時間がかかります。そのため、市販で売られているマウスピースはほとんどが以下の2つ（EVA樹脂・シリコン）です。

先ほど紹介した「成型するタイプ」で使用されることの多いEVA樹脂。熱に対する強さが後述するシリコン素材よりも弱いため、お湯で成型するタイプでよく使用されています。軽量で弾力性があり装着時の違和感が少ない点に加えて、耐久性が高く色褪せにくい・劣化しにくい点もメリットです。

また、EVA樹脂は赤ちゃんの玩具にも使われる素材で、人体に有害な環境ホルモンを含まないことも特長のひとつ。塩素を含まないので、焼却してもダイオキシンが発生しません。安全性が高く、リサイクルも可能なエコ素材です。

蒸気透過性が高いシリコン素材。マウスピースに限らずさまざまな医療機器に使用されている身近な素材のひとつです。EVA樹脂と同じく弾力性があり、口に入れたときの違和感がないのが特徴。また、耐久性の高さも魅力です。

マウスピースで用いられるのは主にEVA樹脂素材とシリコン素材です。「柔らかくて弾力性があり、耐久性が高い」という点でEVA樹脂素材とシリコン素材は似ていますが、大きく異なるのが耐熱性。シリコン素材は熱に強いため、成型不要なタイプや奥歯を固定するタイプでよく使用されています。

奥歯専用を除き、多くのマウスピースは歯全体をカバーしますが、寝ている間にズレてしまうことも。衝撃を吸収する支圧が前歯、両奥歯に分散した3点支圧分散タイプならば、歯全体をカバーするタイプよりもフィット感が高く、歯茎に当たる違和感も感じにくいです。

また、奥歯だけでなく前歯もカバーすることで、ズレを気にすることなく使用できます。

奥歯専用のマウスピースを選ぶときに注目してほしいのが奥歯部分の構造です。特に食いしばりにお悩みの方は、奥歯部分が二重構造になっているものや、歯圧を吸収して分散してくれるウェーブ状のもの（歯圧吸収構造）がおすすめ。波形状が圧を分散して、歯や顎への負担を軽減してくれます。二重構造も歯圧吸収構造も丈夫なので、奥歯を力んでも壊れにくいという特徴もあります。

市販のマウスピースのデメリットは、歯医者よりも精度が劣るという点です。市販のマウスピースでも自分の歯をかたどることはできますが、やはり専門の機械で作ったマウスピースの方が、自分の歯に違和感なくフィットします。

自分の歯に合わない市販のマウスピースを使い続けていると、かえって歯や顎を痛めたり、歯並びが悪くなることも。買ったマウスピースが「歯に合わないな」「噛み合わせが悪い」と感じた場合は、無理に使い続けず使用をやめましょう。

「なぜ寝ている間に歯ぎしりしてしまうのか？」という明確な理由は解明されていませんが、ストレスや歯並び・タバコやアルコール・逆流性食道炎が関与していると指摘されています。なかでも有力なのがストレス！集中しているとき、無意識に歯ぎしりしてしまうのもこのストレスが原因です。肉体的・精神的に蓄積されたストレスを、歯ぎしりで発散していると考えられています。

仕事や勉強のストレスを軽減するのは難しいですが、睡眠や食事などの生活習慣を見直して、ストレスの溜まりにくい習慣を身に付けるよう心掛けましょう。具体的な方法としては

• 毎日の適度な運動
• 毎朝すぐに太陽の光を浴びる
• タンパク質・ビタミン・ミネラルを摂る
• 寝る前にリラックスして、睡眠の質を上げる

などが、ストレスの溜まらない生活習慣と言われています。特に浅い睡眠は寝ている間の歯ぎしりの原因です。「寝る前はブルーライトを浴びない」「温かい飲み物でリラックスする」「早めに布団に入って寝る」など工夫しましょう。

今回は歯ぎしり対策におすすめのマウスピースをご紹介してきました。マウスピースは「成型タイプ」「型取り不要タイプ」「奥歯固定タイプ」の種類を中心に、サイズや形状を考慮して、自分の歯に合ったものを選びましょう。実際に使ってみてサイズが合わなかった場合や歯に違和感を感じた場合は、はやめに歯科医院を受診してください。