アネロイド式血圧計とは？特徴や仕組みを解説！使い方やメリットも

血圧を測る際に自分の手で測れる・より正確なデータが欲しいと考えている方もいるのではないでしょうか。高精度な血圧計の一つに水銀血圧計がありますが、水銀を扱うのは不安ですよね。

そこでおすすめしたいのがアネロイド式血圧計です。アネロイド式血圧計は水銀を使わずに、水銀血圧計と同等の精度で血圧を測定できる優れもので、近年軽量化や耐衝撃性など、看護学生などが実践の場で使いやすいような改良がされています。

この記事では、アネロイド式血圧計の特徴・構造・使い方・使用上の注意からおすすめ商品まで詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

名前にもある｢アネロイド｣は、ギリシャ語で｢液体を使わない｣という意味を持ちます。水銀を使用しないため、落ち着いて取り扱うことが可能です。それでいて水銀と変わらない測定精度であり、軽量化や耐衝撃性により使い勝手も良くなってきています。

自分で脈の音を聞くので、静かな測定場所を選んだ上で知識と技術を持っていればより正確な数値を測れる点がメリットです。しかし逆を言えば知識と技術がなければ扱いづらく、別で聴診器を用意しなければいけないため慣れが必要なのも確かです。

アネロイド式血圧計は、本体・カフ・ゴム球から構成された血圧計です。カフを腕に巻いて膨らませると加圧により動脈が閉塞し、その後に空気を抜くと血液が再度流れ始めます。その流れ始めた血液による血管音を、聴診器で聞きながら文字盤の指針を見て測定する仕組みです。

ちなみにカフというのは、腕を加圧するために用いられる膨らませるための袋のことを差します。カフにはチューブとその先にゴム球が付いており、そのゴム球を使うことでカフの加圧調整を行います。

前提として、アネロイド式血圧計は聴診器がないと測定が出来ません。また、カフ内の空気を増やしすぎて過度な加圧を掛けたり、2分以上の長時間の加圧はNGです。これらの注意事項を守らないと、測定結果に誤差が生じる可能性が高いので気をつけましょう。

加えて、MRI装置との併用もしてはいけません。さらに定期的なアネロイド式血圧計の点検も必要であり、適切な使用や保管を行わないと誤差が大きくなってしまいます。その結果、修理・廃棄になるケースも少なくないです。

そしてアネロイド式血圧計自体ある程度の知識が必要なので、知識を持たない人が一般家庭に置くのは現実的ではありません。アネロイド式血圧計について、入念に調べた上での購入が推奨されます。

アネロイド式血圧計にはさまざまな商品がありますが、看護師など医療従事者に広く使用されているメーカーは「ケンツメディコ」です。アネロイド式血圧計で人気が高いメーカーは他にもあり、コンパクトさを求める方には「アズワン」が愛用されています。

また、聴診器一体で使い勝手がいい「フォーカルコーポレーション」や、精度の高さが魅力の「三恵」などもおすすめです。

アネロイド式血圧計の使い方を順番に解説します。

1. カフ下端がひじ上2～3cmのところにくるよう、肩とひじの中間あたりにカフを上腕に置く。
2. 上腕動脈の上に2本の指を置き、インデックスマークの矢印が直接上腕動脈上となるようにカフを巻く。この時カフは心臓と同じ高さに巻く。
3. リリースバルブを時計回りに回し、密閉する。
4. カフを送気球で予想される収縮期血圧より20～30mm高めの値まで加圧する。
5. 聴診器を耳に装着した後、カフ下、上腕動脈上に直接チェストピースをしっかり置く。バルブをリリースする前に血管音が聞こえる場合、カフを血管音が聞こえなくなるまで加圧する。
6. バルブを反時計回りに回し、毎秒2～3mmHgバルブをリリースする。コロトコフ音が聞こえ始めた時の最高血圧値と聞こえなくなった時の最低血圧値を読み取る。

このように細かい調節などが必要なので、何回か使ってみて慣れる必要があります。

扱いが難しいアネロイド式血圧計ですが、知識や技術を心得ていれば使いこなせるようになります。水銀が含まれていないのも嬉しいですね。しかし、購入前には必ずアネロイド式血圧計に関しての知識を取り入れておきましょう。