ドラム式洗濯機の水抜き方法｜パナソニック・日立の水抜き手順・水が抜けないときは？

引っ越し・買い替えの際には、洗濯機の水抜きが必要です。水抜きとは、洗濯機に溜まった水を排水する作業で、洗濯機を移動させる際の水漏れを防いでくれます。また、北海道や東北などの寒冷地では冬場の凍結を防ぐといった役割もあります。

この水抜きは、基本的に引っ越し業者の方が行ってくれますが、道具を揃えれば自分で行うのも可能です。ただし、ドラム式洗濯機と縦型洗濯機では水抜き方法が若干異なるため、よく理解してから行いましょう。

今回は、そんなセルフ水抜き方法をイチから紹介していきます。また、パナソニックや日立などメーカ別の水抜き方法、水が抜けない時の原因についても解説しますので、「引っ越し費用を抑えたい！」と思っている方は必見です。

ドラム式洗濯機の水抜きをする前に、タオル・ドライバー・水受けを用意してください。ドライバーは給水栓や口金のネジを外すときに必要です。ホースやフィルターの水が漏れないよう、水受け（洗面器でも可）があると安心です。

水受けがあっても周囲が濡れるので、タオルや雑巾を用意しておきましょう。また、口金やネジをなくさないよう、ビニール袋に入れ本体に貼り付けておくと安心です。

必要な道具を揃えたら、最初に給水ホースの水抜きを行います。多くの場合は、給水ホースを取り付けている蛇口を開いたままにしておくので、ホースを外す前に蛇口をしっかりと閉めるのが大切です。

1. 蛇口を閉める
2. 洗濯機のフタを閉め「スタートボタン」を押す
3. 30秒後にスイッチを切る

洗濯機を回す際は洗濯物が入っていない状態にしてください。30秒ほど回せば給水ホース内に残っている水が抜けるので、第1段階は終了です。

給水ホースの水抜きが終わったら、次は糸くずフィルターの水抜きをします（メーカーによっては排水フィルターと呼ぶ場合も）。糸くずフィルターはドラム式洗濯機の下部に設置されています。水受けを用意してから、糸くずフィルターのつまみを引き出し水抜きをしましょう。

糸くずフィルターを一気に引き出すと水が溢れてくる場合があるので、ゆっくり行うようにしてください。糸くずフィルターの水が抜けたら、フィルターをタオルでよく拭いて乾かしてから元に戻します。濡れたままだとカビが生える可能性があるので注意してください。

給水ホース・糸くずフィルター（排水フィルター）の水抜きを終えてから、排水ホースの水抜きをします。まずは、排水口に差し込んである排水ホースを取り外しましょう。このとき水が出てくるので水受けを用意してから外すのをおすすめします。

外しただけでは排水ホース内の水が抜けきれていない場合があるので、ホースを傾けるか洗濯機に衝撃を与えないよう少しだけ傾けて、排水ホース内の水をすべて抜きます。水が抜けたらホース掛けに排水ホースを掛けて完了です。

ドラム内は脱水をすれば水抜きができます。水抜き後に水の音がする場合がありますが、ドラムのバランスを取るために内部に入っている水の音の可能性があります。目視で確認できる範囲で水が抜けていれば問題ありません。

ドラム内の水抜きをする場合は、給水ホースの水抜き後に行いましょう。また、ドラム式洗濯機の水抜き手順はメーカーごとに異なります。各メーカーの水抜き手順は以下のリンクから確認してください。

引っ越しし以外の水抜きでドラム内に水が溜まったまま排水できない場合や、洗濯の途中で洗濯物が入った状態で故障した場合は、糸くずフィルターの詰まりが原因で流れない可能性があります。

糸くずフィルターは週に1回を目安に掃除しましょう。また、目詰まりが原因で水が流れにくくなる場合があるため、排水フィルターの掃除もあわせて行ってください。ほかにも、排水ホースが折れていたり位置が高くなっていたりすると水が流れないため、排水ホースの状態もチェックしましょう。排水口が詰まっている場合は、排水口を掃除してください。

なおドラム式洗濯機には、回転のバランスを保つためドラム外側の部品に特殊な水溶液が入っています。水溶液はドラム外側に密閉されているため、洗濯槽内に漏れることはありません。よって、使用後に水が残る・衣類に付着するといった心配も不要です。

冬の特に寒い日は、洗濯機が凍結する可能性もあります。このような場合は、洗濯機の後ろ側を毛布などで覆って凍結しないように保温しましょう。もし凍結してしまった場合は、蛇口やホースを40℃程度のお湯に浸して溶かしましょう。お湯が熱すぎると故障の原因になるので、注意してください。

ドラム式洗濯機を運ぶときは、固定ネジを取り付け、水平に運びましょう。注意点を守らないと故障の原因につながるので、注意してください。

ドラム式洗濯機の洗濯槽は浮いた状態です。そのまま動かすとドラムに衝撃が加わり故障の原因になる場合があります。固定ネジとはドラム式洗濯槽を運ぶ際に、ドラムが動かないよう固定するものです。引っ越しで洗濯槽を運ぶ場合は必ず固定ネジを取り付けてください。

ドラム式洗濯機は工場から出荷される際には、固定ネジが付いた状態です。購入後自宅に運び取り付けてもらうときに、業者の方から固定ネジを外して保管しておくよう注意されますが忘れてしまいがちです。

固定ネジは取扱説明書と一緒に保管しておきましょう。なくしてしまった場合はメーカーに問い合わせて取り寄せてください。引っ越しまでに間に合わない場合は、毛布や衣類を詰めて対処できます。

ドラム式洗濯機の構造上、大きく傾けたり横向きにしたりするとドラムに負荷がかかり故障の原因になりかねません。引っ越しで運ぶ際は傾きに注意しながら、水平に運ぶようにしてください。引っ越し業者ならコツを心得ているので安心ですが、自分で持ち運ぶような場合は注意が必要です。

ドラム式洗濯機は縦型洗濯機に比べるとサイズも大きく重さもあるので、ドアや階段を通る場合には傾きが大きくならないよう慎重に運ぶのが大切です。

洗濯機の工程は洗い・すすぎ・排水・脱水・乾燥といった手順を踏むのが一般的です。もしも排水だけしたい場合は排水から脱水に切り替わるタイミングで一時停止、もしくは終了しましょう。

一例として、東芝TW-127X7/X8/X9・XPシリーズの場合は洗濯開始の前に洗い・すすぎの工程を個別にオン・オフ設定できます。洗い・すすぎの工程をオフに設定すれば、排水の動作から開始できるため便利です。

ドラム式洗濯を運搬する場合は、事前に水抜きと固定ネジの取り付けが必要です。どちらもセルフで行えますが、難しいと判断した場合は業者に依頼する選択肢があります。引っ越し業者なら取り外し・水抜き・運搬と、新居への取り付けまでやってもらえるので、安心したい方はぜひ引っ越し業者に相談してみてください。