ワインセラー付き冷蔵庫はある？おすすめ小型ワインセラー5選を紹介｜日本製は？

ワインの美味しさを保つためには、温度や湿度が管理できるワインセラーで保管するのをおすすめします。別々に取りに行くのは面倒なので、ワインと一緒におつまみを保管できるような冷蔵庫があればいいのに、と思った経験はありませんか？

実際にワインセラー付き冷蔵庫があるのかについては、現在のところ日本製はなく、リープヘルの業務用しかお取り扱いがありません。かつては家庭用も出回っていましたが、家庭用の商品は中古やネットオークションでも入手困難なものになりました。

この記事では、現在お取り扱いのある業務用ワインセラー付き冷蔵庫を紹介します。そのほかにも、ワインセラーと冷蔵庫の違いや、通常の冷蔵庫をワインセラー代わりとして使用するのをあまりおすすめできない理由、狭い自宅でも美味しいワインを楽しめるおすすめの小型ワインセラーをご紹介してきます。

ここでは、現在取り扱いのあるワインセラー付き冷蔵庫をご紹介します。業務用なので、家庭に置くのは現実的ではないかもしれませんが、気になる方はぜひ参考にしてください。

現在唯一取り扱いのある業務用ワインセラー付き冷蔵庫は、LIEBHERR(リープヘル)の製品です。価格は100万円台と、家庭用に使うにはおすすめできない高級冷蔵庫ですが、業務用としては十分に食品を保存しておける大型モデルです。ワインセラーがついているので、ワインの提供をするお店にもおすすめできます。

ツナシマ商事が輸入・販売するワインセラー付き冷蔵庫にアスコがあります。価格は100万円以上と大変高価ですが、ステンレス製で高級感があり、ワインセラー・冷蔵庫をはじめ、冷凍庫もついています。また、ワインセラーは中が見える仕様になっており、40本ほどのワインが収納可能です。気になる方はぜひチェックしてください。

ワインセラーと普通の冷蔵庫はまったく違います。そもそもワインセラーをワインを保管するためするために、普通の冷蔵庫はさまざまな食品を保管するために開発されたものです。それぞれが持つ特性は、以下の通りです。

【ワインセラー】

• 庫内温度は約10～15℃
• 夏は冷やし、冬は温めるといった使い方も可能
• ドアにはガラスを採用し、ドアを開けずに中を確認できる
• 商品によっては加湿機能を搭載している
• 機械の振動が少なくなるように設計されている

【普通の冷蔵庫】

• 庫内温度は約1～3℃
• 食材を温められない
• ドアは不透明な素材を採用しているものがほとんど
• 湿度が低く、加湿機能はない
• 機械の振動についてはほとんど考慮されていない

ワインセラー付き冷蔵庫の冷却力は、あまり期待しすぎないのをおすすめします。そもそもワインセラーはペルチェ式（ペルチェ素子という電子による吸熱方法）、冷蔵庫はコンプレッサー式（冷媒を利用した吸熱方法）と、採用されている冷却方式がまったく異なるものです。

ワインセラー付き冷蔵庫はワインの保管を優先するため、ペルチェ式を採用しています。ペルチェ式は振動は少ないのが利点ですが、冷却力が弱いのが特徴です。よって、ワインセラー付き冷蔵庫には、普通の食品を安全に保管するだけの冷却力はありません。

以下のリンク先では冷蔵庫と併用しておける小型のワインセラー5選をご紹介しています。狭い部屋にも設置しやすいのでぜひご覧ください。

ワインを自宅で飲む方の中には、冷蔵庫もワインセラーも同じだと思っている方もいるかもしれません。しかし実際冷蔵庫とワインセラーにはさまざまな点において違いがあります。ここでは、ワインセラーと冷蔵庫の違いのほか、冷蔵庫でワインを保存するべきではない理由や適切な保存方法をご紹介します。

ワインを普通の冷蔵庫で保管すると、確実に劣化していきます。その日に開栓して飲み切るのならまだいいのですが、長期間の保存は絶対にやめてください。その理由を以下に列挙します。

• ワインには温度が低すぎる（約3～6℃）
• 乾燥のためコルクが壊れて空気が侵入する
• ドアの開閉を頻繁に行うので、温度が変化しやすい
• モーターの運転やドアの開閉で振動が発生する
• 他の食品の臭いが移る

どうしても普通の冷蔵庫に保管したい場合は、野菜室の方が比較的安心です。しかし、機械の振動や、ドアの開閉による温度変化の問題・ほかの食品からの臭い移りの問題はなくなりませんので、やはりおすすめできません。

上記でご紹介してきたように、普通の冷蔵庫はワインを保管する目的では作られていないので、ワインを普通の冷蔵庫で保管するのはおすすめできません。ここではワインの正統な保管方法と、冷蔵庫での保管が適さない理由を解説します。

ワインは瓶に詰められてからも発酵し続けるものです。長期間放置している間にどんどん風味が変わっていきます。よって、ワインを長期間おいしい状態で保管するには、発酵を促進させない環境が必要です。ワインの保管に適した環境の条件を以下に列挙します。

• 温度は12～15℃で一定している
• 湿度は65～80％で一定している
• 振動が起こらない
• 日光が当たらない

ワインの本場である欧米諸国では、ワインセラーは地下室に作られます。日本の家屋であれば、床下収納が比較的ワインセラーに近い環境です。また、ワインは日光だけでなく、蛍光灯の光も苦手としています。

ワインは開封すると、酸素に触れるためどんどん酸化します。開栓したその日に飲み切るのが理想ですが、大きいボトルだとどうしても飲み残しがちです。開封したワインをできる限りおいしい状態で保存する方法を、以下に列挙します。

• 普通の冷蔵庫に保管する
• ボトル全体を新聞紙などでくるんで遮光する
• ボトルは立てた状態にする
• 抜いたコルクを差すなど、栓をしておく（スクリュー栓がおすすめ）

開栓したワインは新品より低い温度で保管しないと、酵母が活発になってどんどん発酵が進みます。また酸素の影響を少しでも減らしたいなら、真空ポンプや窒素ガスで使ってボトル内の空気を調整しましょう。小さい容器に移し替えて、密閉するのもいい方法です。

ワインセラー付き冷蔵庫は、家庭向けのものが販売されていないのが現実です。ワインの質と食品の安全を守りながら同じ部屋に置くなら、小型冷温庫とワインセラーを一緒に購入するのをおすすめします。2台持ちでも小型の商品を選べば、設置スペースに困りません。

冷温庫とは夏は保冷・冬は保温と切り替えて使える、冷蔵庫よりコンパクトで低価格な家電製品です。冷却方式はワインセラーと同じペルチェ式を採用しています。設定できる温度の範囲は商品によって違いますが、低温については氷点下の温度から設定できるものもあります。

ワインセラーと冷温庫は同じ部屋に置きましょう。ワインはワインセラーで保管します。冷温庫の温度は常時、普通の冷蔵庫と同じぐらい（1～3℃）に設定して食品の保管に使ってください。以下の記事ではおすすめの保温庫について特集しています。参考にしてください。

ワインセラー付き冷蔵庫が存在しなくなった現在でも工夫すれば、ワインとおつまみを同じ部屋で保管するのが可能です。家庭用ワインセラーと、現在入手しやすい冷蔵機器を併用して、おいしいワインを快適に楽しめる環境作りをしましょう。