ホームベーカリーのよくある失敗と対処法｜膨らまないパンは食べれる？混ざらない？

手軽に出来たてのパンを味わいたくてホームベーカリーを活用している方は最近多いようです。ホームベーカリーでのパン作りは、初心者でも簡単においしいパンを焼けるのがメリットですよね。

一方で、あまり膨らまなかった・中身が全然焼けていないなど、誰もが一度は失敗の経験があるのではないでしょうか。失敗すると気持ちが落ち込むのと同時に、一体何がいけなかったのか疑問が浮かびますよね。

そこで今回は、ホームベーカリーでのよくある失敗例をあげて原因と対処法を解説します。注意点を踏まえれば、次回から失敗を防げます。また、「膨らまないパンは食べれるの？」といった疑問に応える、生焼け・混ざらない・膨らまなかったパンなどの食べ方情報も必見です。ぜひ本記事を参考にしてみてください。

パンが膨らまないのはホームベーカリーでのパン作りで一番よくある失敗です。膨らまない・膨らみが足りない原因は、どのようなものが考えられると思いますか？原因と対処法についてまとめているので、ぜひ参考にしてください。

パン生地はとても繊細なので、レシピ通りにきちんと材料を計量しなければうまく膨らみません。もし目分量でざっくり測っていたなら、それが膨らまない原因の可能性が高いです。特にイーストの量が少なかったり、塩の量が多かったりすると膨らみ方に大きく影響します。

また、市販のレシピで作ってもうまく膨らまない場合があります。最適な分量はホームベーカリーによって違うので、製造メーカーはホームベーカリーに付属するレシピを推奨している点を踏まえておきましょう。

レシピ通りに正しい手順を踏んでもうまく膨らまない場合は、生地の水分量が多すぎる点が考えられます。水分量が多くなりすぎる原因には、小麦粉が関係しています。小麦粉は湿気を吸収しやすいので、湿度の高い時期は特に湿気を多く含んでいます。

湿気を多く含んだ小麦粉を使用するとレシピ通りに作ったとしても、生地のトータルの水分量が増えてしまいがちです。水分が多すぎる生地は、触るとベトベトしてまとまらないのが特徴。このような状態ではうまく発酵できず、膨らみ方が弱くなります。

イーストは性質上、水に触れたとたんに発酵を始めます。そのため、スタートする前に水に触れるとその段階から発酵が進んでしまい、正しい工程で作れなくなるため膨らみにくくなります。

また、イーストは塩によって活性が弱まるため、塩と近づけて置くとうまく膨らみません。イーストの自動投入機能があるホームベーカリーではこのような心配はありませんが、手動投入のタイプでは入れる位置を誤ると塩や水に直接触れてしまうので注意が必要です。

パン生地の発酵温度は28℃前後が適しており、生地の温度が上がりすぎたり、逆に下がりすぎたりすると発酵がうまくいかなくなります。発酵がうまくできないと、膨らみの悪さに直結します。

特に夏場は気温の上昇により生地の温度も上がりすぎてしまい、生地が過発酵になりやすいです。過発酵になると生地がつぶれやすく膨らまない上、イースト臭も強くなってしまうので注意が必要です。

材料をしっかり計量するためにはデジタル式の計量器がおすすめです。デジタル式は0.1g単位で計量できるものもあり、何より簡単にはかれるのがメリットです。計量カップは液体をはかるときに使用するもので、粉類には向かないのでご注意ください。

砂糖や塩、イーストなどを計量スプーンではかるときは、必ずすりきりではかってください。レシピの大さじ1は、すりきり大さじ1を示しています。山盛りにしたり押しつけたりしないように気を付けましょう。

発酵を成功させるためには季節や室温によって水の温度を調節するのがおすすめです。夏場で室温が25℃以上のときは、5℃くらいの冷水を使いましょう。暑い日は小麦粉などの材料も冷蔵庫で冷やしてから使うとより安心です。

冬場に室温が10℃以下の状態で稼働させるなら、30℃のぬるま湯を使用しましょう。冷暖房で室内を調節し、適温になっている場合は水温を気にする必要はありません。室温か水温どちらかを調節しましょう。

イーストを手動で入れるタイプのホームベーカリーでは、最初に水を入れてから強力粉を覆いかぶせて、イーストと水を触れさせないようにします。塩にも触れないようにするため、強力粉の中央にくぼみを作ってその中にイーストを入れるのが一般的です。

とくに予約タイマーを使う時は材料を一緒にしておく時間が長いので、イーストと粉以外の材料が触れないよう入れる位置に十分に注意してください。

ドライイーストは湿気に弱いため、開封後は必ず冷蔵庫で保管するようにしましょう。また、開封したら長く日持ちしないため、1ヵ月程度を目安に使いきりましょう。

小麦粉も湿気を含みやすいので密閉して冷蔵庫で保管するのがおすすめです。正しく保管すれば、湿気の多い時期でも膨らみ方にさほど影響しなくなります。

外はうまく焼けているのに、切ってみると中が生焼けのケースもあります。生焼けとは生地のままで焼けていない部分が残っている状態です。レシピ通りに作ったのに、なぜ生焼けになってしまうのでしょうか？

材料の計量ミス以外で生焼けが起こる原因は、材料の分量がホームベーカリーの容量を超えているか、室温が影響している可能性が考えられます。

ホームベーカリーには機種ごとに作れる容量が決まっています。たとえば、1斤タイプのホームベーカリーで1.5斤や2斤の大きさは焼けません。容量に対して作る分量が多すぎると、十分にヒーターの熱が通らず、生焼けする原因になります。

膨らまない原因と同じく、室温が関係している可能性があります。室温が高すぎると過発酵になり、低すぎると発酵不足になります。特に、タイマーを使用すると待ち時間に材料の温度が変わってしまい、生焼けにつながる場合があります。

生焼けを防ぐにはまず、容量を超えた材料を入れないのが大切です。市販やネットのレシピを使うときは、自分のホットベーカリーと同じサイズが作れるレシピを選ぶ必要があります。

室温に関しては、機種によって取り扱い説明書に「夏場や冬場・湿気の多い時期はパンや生地がうまくできない場合があるのでタイマーの使用はおすすめしない」と記載しているものもあります。時期によってはタイマーの使用を避けた方が無難です。

できあがりの音が鳴って開けてみると、粉のままだったら茫然としてしまいますよね。パン生地がうまく混ざらずに粉のままの状態なのはなぜでしょうか？その原因と対策についご紹介します。

羽根の付け忘れ・水の入れ忘れなどのうっかりミスが考えられます。

ホームベーカリーを使用する際にパン羽根をつけ忘れるミスは意外と多いものです。羽根は毎回お手入れの際に取り外すため、前回取り外したあとパンケースと別々に保管し、そのままつけ忘れて使用してしまうミスは初心者にはありがちです。羽がないと材料が混ざらないため、粉のままになってしまう原因になります。

パン羽根の付け忘れ以外で考えられる原因は、水の入れ忘れです。水は一番最初に入れて小麦粉を投入したあとは見えなくなるため、入れ忘れたとに気づかずスタートしてしまうケースも少なくないようです。

粉のままになってしまうのは上記のようなミスが原因なので、毎回慎重に準備するのが大切です。羽根は毎回お手入れしたあとすぐ、パンケースに戻して一緒に保管しておくとつけ忘れのミスを防げます。

水や材料の入れ忘れを防ぐためには、あらかじめ必要な材料をすべて作業台にそろえ、一通り忘れているものがないかチェックしてから投入していきましょう。

ホームベーカリーで失敗して出来上がったパンをそのまま食べるのは難しいですが、捨ててしまうのはもったいないですよね。そこで、失敗したパンはリメイクして他の料理に変えるのがおすすめです。たとえば、膨らまなかったパンはフライパンにバターをひいてから焼くと、カリカリのラスクに変身します。

生焼けの場合は、フレンチトーストやピザに変えられます。また、粉のままのパンはホワイトソースと混ぜてパングラタンにリメイクできます。他の料理においしく変えられたら捨てなくて済む上、失敗して落ち込んだ気分も少し晴れて楽しめますよ。

ホームベーカリーでのパン作りにありがちな3つの失敗例をあげて解説してきました。失敗は初心者のみならず、慣れている方でもよくあります。自分にはパン作りは向いていないかも…などと落ち込まず、今回の失敗を生かして今後もパン作りを楽しみましょう！