軽くて持ち運びしやすいキャンプに合うカップといえば、チタンカップです。チタンカップは軽量で頑丈、落としたりぶつけたりしても破損しづらく、保温性も高いのでアウトドアにぴったりです。しかし「高いし本当に必要？チタンじゃなくてもいいのでは？」と考える方もいます。

チタンカップは陶器やプラスチックとは性質が異なり、調理に使える直火対応や保温保冷機能の高いおしゃれなデザインのものまで多種多様です。持ち手を折り畳みスタッキングできるもの・フタ付きですぐにお湯が沸かせるものなど用途に合わせて選べます。

今回はそんなチタンカップのおすすめや人気のブランドを紹介します。日本製の商品や焼き色を入れる方法やメリット・デメリット、また臭いについても解説するので、チタンカップが気になっている方は参考にしてください。

チタンカップは軽いので、登山者やソロキャンパーが「軽量化のために使っている」と思っている方は多いですよね。実はチタンカップの魅力はそれだけではありません。チタンカップのメリットを以下にご紹介します。

• 軽量で丈夫
• 金属アレルギーがなくサビに強い
• 熱伝導率が低いため持ち手が熱くなりにくく、保温性・保冷性がいい

まず重さはステンレスの6割程度、しかも丈夫です。多少雑に扱ったり、落としたりしても割れにくいのでアウトドアでの利用に向いています。チタンは耐食性が高いため金属アレルギーを起こしにくく、サビに強いので長持ちします。

また熱伝導率が低いため、温かい・冷たい温度をキープしてくれます。持ち手や飲み口が熱くなりにくいため、飲みやすいです。

「チタンカップは臭い」といったうわさがあったり、高価格だったりして買うのをためらってしまうこともありますよね。チタンカップを使いこなすためにも、デメリットを知っておきましょう。以下がチタンカップのデメリットです。

• 不純物やオイルなどを使用している安価なチタンマグは、臭いと感じる場合がある
• 汚れやすく、食器用中性洗剤では汚れが落ちにくい
• シングルは直火に使え、ダブルは使えないので直火調理は注意
• チタン鉱石の需要が高く、高価格

臭いが気になる方は多少高価でも信頼のある製品を購入しましょう。汚れや臭いが気になる場合はメラミンスポンジでのお手入れがおすすめです。また、チタンは金属なので、電子レンジでの使用はできません。チタンの特徴をおさえてつきあっていきたいですね。

チタンカップには1層でできているシングルタイプと2層式のダブルタイプがあります。直火調理を優先するか、保温保冷力が高いものがいいかは用途によるため、特徴を詳しく紹介していくので参考にしてください。

「冷えた飲み物を温め直したい」「スープを作ってみたい」そんな方にはシングルタイプをおすすめします。シングルタイプは直火で使えるため、焚き火やガスバーナーで加熱でき、スープやお味噌汁を温めて飲めます。特に飲み口が広く深さもあるロッキータイプは、調理に便利です。

また、シングルタイプは1層の外壁でできているので、軽量になっています。ダブルタイプと比較して約40％も軽量なので、軽さを求める方におすすめです。

飲み物専用に使うなら保温・保冷効果が高い2層式のダブルタイプがおすすめです。夏も冬も適温でキープできるため快適な飲み心地です。また、空気をはさんで2層になっているので、氷を入れても結露ができにくくなっています。

飲み口が2層で厚いので、口当たりがいいのもポイントです。ただし、直火で使うと壊れる危険性が高いため、直火では絶対使用しないでください。

チタンカップは100〜800mlのサイズがあり、用途によって使い分けられます。重さも幅があり、一般的なものは50～100g前後、登山用なら20〜30gほどの超軽量タイプがおすすめです。

• 200〜300ml・・・ドリンク用に合うサイズ。コーヒーやコーンスープに最適。
• 400〜500ml・・・具だくさんのスープやカップ麺に。器に移さずそのまま食べられる
• 500ml以上・・・人数の多いキャンプやパスタなど茹でるのにも便利

ブランドによってさらに使いやすい機能がついたものがあります。計量カップの代用になるメモリ付きや、スタッキングして持ち運びしやすいものなど、プラス機能をチェックしましょう。

料理をするのに使うなら目盛り付きやフタ付きは便利です。目盛りがあれば炊飯する際の水分量が測れます。料理は目分量でも作れますが、「このくらいでいいかな」と迷いながら作るより正確で楽に調理ができますよね。

フタ付きのメリットといえば、保温や保冷が長くキープできる点。素早く沸騰するので燃料・時間ともに節約できます。吹きこぼれ対策には密閉性の高いシリコンの蓋がおすすめです。またフタを閉めれば虫や炭も入らず衛生的です。

何かと荷物が増えるキャンプでは極力荷物は減らしたいですよね。取っ手が折り畳めるものはかさばらず、お皿などとの重ね置きが可能です。さらにスタッキングできれば、重ねて収納できてコンパクトになり持ち運びに便利です。

1975年日本で誕生したモンベルは登山用品からキャンプ用品全般の商品開発を行っているアウトドアブランドです。特に日本の山や気候、日本人に合った機能的な商品を得意とします。登山に特化した高機能なアイテムが人気です。

モンベルのチタンサーモマグは、ステンレスより丈夫でアルミに似た軽量さが魅力。耐久性・耐食性が高いのでサビにも強く長く愛用できます。ハンドルが折り畳めるのでコンパクトで持ち運びも楽です。

金属加工の町、新潟県三条市発SUSは世界でも数少ないチタンに特化したチタンウェアブランドです。美しく機能性の高い、純チタン真空タンブラーやボウルは逸品として世界で認められてます。高価なのもうなずけます。

SUSのチタンカップは実用性と美を兼ね備えたもの。保温保冷力が高く、氷を入れても結露しないため、アイスコーヒーや冷えた冷酒にぴったりです。薄い飲み口で口当たりも抜群なので、自宅でじっくり味わうのにもおすすめです。

スノーピークは1958年新潟県燕三条で生まれたキャンプ・アウトドア用品を開発・製造・販売するアウトドアブランドです。シンプルなデザインで職人技が作り上げる高性能な製品は、おしゃれなキャンパーに大変人気があります。

スノーピークのチタニウムを採用した軽量チタンカップは、ソロキャンパーからファミリーキャンプまで汎用性が高く、さまざまなシーンで使えます。スタッキングしやすい形状で、コンパクトに持ち運べるのも魅力です。

アウトドアアイテムのチタン製といえばチタンマニアと言えるほど、多くのチタン製品を揃える日本のブランドです。チタンマニアにはこだわり抜いたチタンアイテムが揃っています。

チタンマグは300〜750mlまでの5サイズの展開で、すべてフタがついているので保温保冷効果にすぐれています。超軽量なのに丈夫で、直火対応しています。スタッキングして専用の収納袋に納められるので、持ち運びも大変スムーズです。

鮮やかで美しいグラデーションのチタンブルーに焼き色を入れる方法を紹介します。焼き入れできるのはシングルタイプのみなので、確認してから始めましょう。

必要な道具

• チタンカップ（シングル）
• キャンプ用バーナー
• シリコンオフ
• 手袋（ビニール・レザー）
• ペンチ

手順

• ビニール手袋をつけ、カップの外側・内側・底面・持ち手にシリコンオフを吹きかけ、脱脂（汚れ・手垢を取る作業）する
• 2回繰り返し完全に汚れを落とす
• レザー手袋をして、持ち手をペンチで掴む
• バーナーの炎は強めで、底面全体に小さな円を描きながら当てる
• 1分ほどで底面が黄色くなるので、そのまま3〜4分炎を当て続けると側面も色が変わる
• 好みのグラデーションになるまでトータルで7〜8分くらい続けるといい
• 紫色・茶色・黄色の美しいグラデーションになる

チタンカップに蓄積した黒ずみ汚れは、台所用洗剤では落ちません。一番簡単なのは、メラニンスポンジでこする方法です。これなら簡単に汚れを落とせますが、研磨によって目に見えない細かな傷がつくので、汚れが付きやすくなるといったデメリットもあります。

傷が気になる場合は重曹が効果的です。水1カップに重曹大さじ1杯の割合で鍋に入れて火にかけ、煮立ったところにチタンカップを入れて煮沸します。外側・内側を一気にきれいにできるのでおすすめです。時間は20分程度が目安ですが、落ちにくい場合は少し長めにしてみてください。

チタンカップは軽くて丈夫で耐久性が高いキャンプギアです。飲料用と直火調理に併用できるシングルも、保温保冷に特化したダブルもどちらも魅力的。お気に入りのチタンカップを手に入れてアウトドアをもっと楽しみましょう。