洗濯機アース線の取り付け方｜つけないといけない？ネジ式の付け方も

「どこまで意味があるかわからないし、洗濯機にアース線を取り付ける必要ないですよね」などの質問をたまに耳にします。アースの付け方がわからないと、取り付けが面倒ですよね。実は、アースをつけない状態で洗濯機を使用するのは大変危険です。

屋外や水気のある場所で使用する電化製品には、アース線の取り付けが法律で義務付けられています。洗濯機はこうした場所で使う電化製品ですので、アースの取り付けが不可欠です。ただ、アース線取り付け口も、2種類あるので取り付け方がわかりにくいですよね。

今回は、洗濯機を正しく安全に使うためのアース線について紹介します。ネジ式やネジなしのワンタッチ式など、取り付け口の種類ごとに解説します。「アース線はつけないといけない？」と思っている方や、取り付け方がわからない方も必見です。

最近の洗濯機は、外箱がプラスチック製である場合が多いです。そのため「触っても感電しないし、アース線を取り付けなくても大丈夫」と自己判断でアース線の取り付けを省こうとする方がいます。

しかし、考えてみてください。洗った後の洗濯物を取り出すときは、必ず洗濯機に手を入れれます。もし洗濯機が何らかの理由で帯電していた場合、濡れた洗濯物を伝って人体に電気が流れ、感電事故につながる危険もあります。

洗濯機の場合、たとえ外箱がプラスチック製であっても感電のリスクがないとは言えません。だからこそ、万が一の事故を防ぐためにも洗濯機にアースの取り付けは必須となります。

電化製品は、故障による漏電や摩擦による静電気の蓄積などで、帯電する場合があります。アースが取り付けられていると、電気がアース線を伝って地面(Earth)に流れます。これがアースと名付けられている理由です。

また、アース線は人間の身体よりも電気が流れやすいので、電気は優先してアース線を流れていき、人体にはほとんど流れません。万が一、電化製品に漏電や帯電が発生しても、正しくアースが取り付けられていれば、感電するリスクを回避できるように考えられているのです。

水気がある場所で使用する機器で、金属箱を使用している場合はアースの取り付けが義務付けられています。表面がプラスチック製の機器でも内部に手を入れる場合などは、感電の可能性があります。事故を防ぐためにアースは必ずつけないといけません。

洗濯機はまさしく、水気がある場所で使用する機器です。そして外箱がプラスチック製であっても、洗濯物の出し入れの際に内部に手を入れる必要があります。洗濯機を安全に運用するためにも、正しくアース線を取り付け、万が一の感電事故をしっかり防ぎましょう。

ネジ式の特徴は何と言っても、アースの取り付け部分にネジが付いている点です。一度ネジを緩めてアースの銅線部分を巻き付け、ネジを締めてアース線をしっかり固定するのが特徴です。アースの取り付けには一度ネジを緩める必要があるので、事前にドライバーを準備しておきましょう。

ワンタッチ式の場合、コンセント側のカバーを外すと、小さな穴と小さなボタンが見つかると思います。ワンタッチ式は、その名の通りワンタッチでアース線の取り付け・取り外しが完了します。やり方さえ分かれば扱い方は非常に簡単です。

カバーが外しにくい場合は、ドライバーの力を借りて軽く引っ掛けると開けやすくなります。なかなか固くて開けにくい場合は試してみてください。

ネジ式の場合は、次の手順でアース線を取り付けましょう。

1. アース線の先端のプラスチック皮を約1.5cm剥ぐ
2. 銅線の先端をねじって一本の束のような状態にしておく
3. ドライバーでネジを緩め、アース線の銅線部分をネジに巻き付ける
4. ドライバーでネジを締め、アース線を固定したらカバーを閉じる

ネジ式の場合、アースの銅線を固定するネジが緩いと途中で外れてしまう可能性がありますので、しっかりネジを締めてアースの銅線を固定しましょう。

ワンタッチ式の場合は、次の手順でアース線を取り付けましょう。

1. アース線の先端のプラスチック皮を約1.5cm剥ぐ
2. 銅線の先端をねじって一本の束のような状態にしておく
3. アース線の銅線部分を、コンセント側にある小さな穴の中に押し込む
4. 軽く引っ張って簡単に抜けないかを確認
5. 最後にカバーを閉じたら完了

ワンタッチ式の場合、銅線部分を急に押し込もうとすると銅線が途中で曲がって正しく接続できない場合があります。なるべくゆっくりと銅線を穴の中に押し込むのがコツです。

ネジ式の取り外し方は次の通りです。

1. ドライバーでネジを緩める
2. 十分にネジを緩めたら、アース線を取り外す

長年使われているコンセントの場合、ネジの周囲に汚れが溜まっているときがあります。ネジとアース線の間に汚れがはさまると、正しくアースが接続されなくなる場合も。続けて新しいアース線を取り付けるときは、一度汚れをよく拭いておきましょう。

ワンタッチ式の取り外し方は次の通りです。

1. カバーを開けて中の小さなボタンを押す
2. ボタンを押したまま、アース線を引き抜く

このとき無理にアース線を引き抜くと、アース線が途中で切れてしまいます。ワンタッチ式の場合は、必ずしっかりボタンを押しながらアース線を引き抜きましょう。

洗濯機側のアースは、以下のように取り外します。

1. 洗濯機側のアース線が取り付けられているネジをドライバーで緩める
2. ネジが十分にゆるんだらアース線を取り外す
3. 最後にドライバーでネジを締める

アース線の長さが足りないなどの理由で洗濯機のアース線を交換するなら、ネジにアース線の銅線部分を巻き付けてからネジを締めましょう。

洗濯機アース線の取り付け・取り外しにおける主な注意点は下記の3点です。参考にお役立てください。

ベランダなどの屋外にコンセントがある場合や、賃貸マンション・アパートでは、アースの接続口が見つからないときがあります。接続口がないなら、アースの接続口を新設しましょう。アース付きのコンセントに変えるには電気工事士の資格が必要なため、素人ではできません。

アースの接続口新設には、専門の業者に依頼する必要があります。また、「市販の感電対策グッズでアースの代用になるのでは？」と誤解されている方がいます。実際は、感電対策グッズはアースの代用品になりません。

感電対策グッズは「漏電を検知すると電気を止める遮断器」です。つまり、漏電を検知するまで作動しません。人体に電気が流れて「ビリッ！」ときたときに、初めて電気を遮断するのでは遅すぎます。安全に電化製品を使用するために、他で代用するのではなく、アースを取り付けましょう。

アース線の延長(アース線同士の接続)工事を行うには、電気工事士の資格が必要になります。自己判断で、アース線同士の接続はできません。安易に銅線の付け足しを行うと、正しく接地されない場合もあり非常に危険です。

このような場合は、お買い上げの販売店または電気工事店に依頼するか、長さが十分に足りるアース線を別途購入して付け替えましょう。延長用のアース線は、ホームセンターや家電量販でも購入できます。ただし、作業前には必ずコンセントを抜いてください。

漏電していなければ触っても感電しません。ただし、剥き出しになった銅線が水場に近い場合は危険です。銅線部分に水がかかってサビてしまい、正しく接地されなくなる恐れがあります。この場合は放置しておくと危険ですので、アース線を新品のものと交換しましょう。

コンセントの差し込み口にすでに他のアース線が指してある場合は、複数のアース線を取り付けても問題ありません。コンセントのアース端子に他の家電のアース線が刺さっていると、アース線端子の増設を考える人が多いともいます。

アース端子は、漏電した電流を地中に流すためのものです。常に電流が流れているわけではないので、複数のアース線を1つのアース端子に取り付けられます。ただし、アース線の数が多すぎると1つの端子に正しく取り付けるのは難しいで、アース端子の増設を検討しましょう。

結論から述べると、アース線の取り付けが禁止されている場所・箇所は存在します。まず、爆発のおそれがあるガス管のような火気に近づけるのは厳禁です。避雷針・電話のアース線なども、落雷時に感電・火災の危険があるためNG。樹脂製である水道管にもつけないよう定められています。

アース線はいわば洗濯機にとってのシートベルトのようなもので、自分と家族の命を守る重大な「責任」です。洗濯機に正しくアースを取り付けて、毎日使う電化製品を「安全運転」していきましょう。洗濯機の故障でお困りの方はこちらをチェックしてください。