アイロンの使い方の基本｜小学生でもできる！スチームや当て布の有無も

アイロンは使い方を誤ると、衣類を変質させる原因になったり、シワになったりします。きちんとアイロンがかかった衣類は見た目がきれいで着心地も段違いです。

しかし、アイロンがけは小中高などの学校以外では、誰かから教えてもらう機会があまりないため、正しい使い方を知らない方も多いですよね。また、何が必要になるのか分からない方もいるかもしれません。

そこで今回は、事前準備から仕上げ方法まで順を追って詳しくご紹介します。気になる衣類別のお手入れ方法も紹介しますので、正しいアイロンの使い方を覚えましょう。

アイロンがけに準備するものは以下の5点です。

• アイロン
• 当て布
• アイロン台（アイロンマット）
• 霧吹き（ドライアイロンの場合）
• アイロン剤・スプレーのり

上記5点のうち、当て布はわざわざ専用品を購入する必要はなく、家にある大きめのハンカチや手ぬぐいで代用できます。ただし、色の濃いものはアイロンの温度で色落ちして衣類に移る場合があるので、白色のものが理想的です。

シワが酷いからと、いきなりアイロンがけするのはやめましょう。衣類によってはアイロンがけ禁止のものがあるため、まずはアイロンがOKかどうかチェックしてください。

チェック方法は、衣類に付いている洗濯表示のタグです。洗濯表示のアイロンの絵が描かれている部分に「×印が付いている」ものはアイロンをかけてはいけません。アイロンに慣れている方は見なくても分かるかもしれませんが、心配な方はアイロンをかける前に必ず確認するようにしましょう。

ほとんどのアイロンは「低・中・高」の3段階で温度調節ができるようになっています。高温の方がシワが伸びやすいと思われるかもしれませんが、実は衣類には最適な温度があり、間違った温度設定では衣類が傷む可能性があります。

アイロンの温度設定は洗濯表示のタグに「・」の数で記載されています。「・」は低（80～120℃）・「・・」は中（140～160℃）・「・・・」は高（180～210℃）です。この表示は2016年12月以降に製造されたものにあり、それ以前のものはアイロンマークの中に低・中・高と記載されています。

まずは、電源を入れてアイロンが温まるのを待ちます。そのあと衣服にアイロンをかけるときは、はじめは細かいパーツ部分から徐々に広いパーツにかけていきます。

具体的な順番は、襟・肩ヨーク・カフス・袖口・身ごろです。身ごろは範囲が広いので、右身ごろ・右脇・後ろ身ごろ・左脇・左身ごろのように、流れるようにかけていくのがおすすめです。

アイロンは滑らせる動作が基本的な動きとなります。シワを伸ばすためには、直線的に動かしてください。直線では範囲が狭いからといってジグザグに動かすのはNGです。ジグザグは確かに広範囲にかけられますが、その動きのせいで新たなシワができる場合もあります。

また、力の入れすぎでもシワになる場合があるので、なるべく力を入れずに動かしてください。アイロンを動かす時は「滑らせる」・「力を入れすぎない」、この2点を意識してください。

アイロンをかける時は、アイロンを持っていない方の手で衣類を引っ張りながらかけるようにしましょう。衣類を引っ張る時は布地の向きに注意が必要です。

布地を実際に引っ張ってみると、伸びる方向と伸びにくい方向があります。その際に、伸びる方向に引っ張ってアイロンをかけると仕上がりが歪んでしまうので、伸びにくい方向に引っ張るようにしてください。

衣類のシワを伸ばしたいとき、水なしではうまく伸ばせません。そのため、スチームアイロンを持っている方はスチーム機能を、そうでない方は霧吹きを使って衣類を湿らせてからアイロンをかけるのがおすすめです。

霧吹きを用意するのが面倒な方は、洗濯後の半乾き状態でかける手もあります。シャツなどを洗濯が終わった段階で上下に振って大きなシワを伸ばし、手で軽くはたいてシワを伸ばすとアイロンが楽になり時短も可能です。

アイロンをかけた直後にたたむと折ジワが付くので、ハンガーにかけて熱を冷ましてから片付けるようにしましょう。どうしてもシワが伸びない方は、水分を含ませた状態でアイロンをかけてください。

ここからは、ドライアイロンとスチームアイロンについてご紹介します。シワを伸ばす点では共通していますが、特徴や適した素材が異なりますので、使い分けられるように覚えておきましょう。

ドライアイロンは、スチームを使わず高温のかけ面とアイロンの重さでプレスするアイロンです。スチーム機能はありませんが、霧吹きを使えばスチームアイロンと似たような使い方が可能です。昔から使われていた製品ですが、現在でも幅広いラインナップがあります。

シワをしっかりと伸ばしたい時によく使われており、ワイシャツ・ハンカチ・シーツなどに使用されています。ドライアイロンに適した素材は綿・麻・ポリエステルなどです。パリッとした質感を出したい衣類はドライアイロンがおすすめです。

スチームアイロンは、蒸気の力を使ってシワを伸ばすアイロンで、消臭効果にも期待ができます。最近ではドライよりもスチームのほうが主流になってきており、商品も多く展開中です。

スチームアイロンを使うとふんわりと仕上がります。適した素材は、ウール・カシミヤ・薄手の綿製品などです。ズボンやスカートの折り目が付けやすいのが魅力ですが、素材によってはシワが伸びにくいデメリットもあります。

ワイシャツは面積の小さい部分からパーツごとに分けてアイロンをかけるのが基本です。まず最初に、襟・肩ヨーク・カフス部分をシャツの裏からかけていきます。その後、袖口・右身ごろ・右脇・後ろ身ごろ・左脇・左身ごろとパーツに分けてかけます。

アイロンを持っていない手でしっかりと引っ張りながら、まっすぐにアイロンを動してください。これなら、シワが起きにくく取れやすいです。また、ワイシャツはボタンが多いので、引っかからないように気を付けるのもポイントです。

スーツは、洗濯表示を見て、どの温度でかけるのがいいか、当て布は必要かをチェックしましょう。まずは、霧吹きなどを使ってスーツに水分を含ませます。その後は肩・袖口・背中・前身ごろへとかけていき、最後に襟をかけたら完了です。

スーツは立体感を意識しながらかけていくのをおすすめします。シワが取れ、形が整ったらハンガーにかけて衣類の熱を冷ましておくのが重要です。

ニットやセーターのシワを取るには、スチームアイロンのスチームを利用します。シワを伸ばしたい部分にスチームだけを約10秒間当てて蒸気をたっぷりと吸わせ、乾くのを待てば完了です。

「アイロンのかけ面は衣類に触れさせない」・「衣類から1cmほど浮かせて蒸気を当てる」、この2点を意識しておきましょう。

パンツのアイロンのかけ方は、まずは裏地の股下の前後をかけ、次に左右をかけていきます。その後、表にして腰回りをかけ、股下部分を前後・左右とかけます。最後に片足ずつ縫い目を合わせてプレスすれば完了です。腰回り部分をかける時はアイロン台の角の部分を利用してかけると立体的に仕上げられます。

スカートはプリーツ・フリル・フレアなど種類が多く、それぞれでかけ方が異なってくるため、アイロンがけの難易度はやや高めです。

基本的なかけ方は、裏地があるかチェックして裏地があれば裏側からかけます。アイロン台を使う場合はスカートをアイロン台に履かせるように入れて、裾からウエスト部分に向けてアイロンをかけていきます。スカートを回しながら全体にかけたら、表にしてもう1度かければ完了です。

アイロンは知らないうちに汚れが溜まっているものです。汚れた状態でアイロンをかけると衣類に汚れが付いてしまうため、定期的にお手入れしてください。

基本的には、かけ面を水分を含ませたタオルなどで拭くだけでOKですが、焦げ付きなどは取れにくい場合があります。そんなときは中性洗剤を使ったり、アイロンを温めたりすると取りやすくなります。

また、スチームアイロンは基本的に1回で水を使い切るか、1回使うごとに水を捨てて乾かしてください。さらに、スチームアイロンはかけ面のスチーム孔も汚れている場合があるため、綿棒や爪楊枝を使って汚れを取り除いておきましょう。

アイロンをかけ終わってシワがキレイに伸ばせたら、片付けたくなりますが、すぐにたたんで片付けるのはおすすめしません。

アイロンがけが終わってすぐにたたむと、衣類に熱や水分が残っている場合があり、またすぐにシワができてしまいます。そうならないためにも、アイロンがけが済んだ衣類はハンガーにかけて、熱や水分が抜けるのを待ちましょう。

しっかりと熱や水分が抜ければ、シワにならずに形をキープできます。

アイロンの使い方や使う時のコツについてご紹介しました。シワがしっかり伸びた衣類を着ると、清潔感が漂い、印象も変わってきます。アイロンは正しく使えば長く使えるものなので、当記事を参考にして使い方をマスターしてください。