ミシンのワット数について徹底解説！種類、特徴も併せてご紹介

ミシンを買おうと思ってお店やネットで探していると、商品紹介の欄にミシンのワット数が記載されていることがありますよね。同じ価格帯のミシンでもワット数が違うことがあります。ミシンのワット数は何を表す数値なのでしょうか？ワット数が違うと性能にも違いが出るのでしょうか？

本記事では、ミシンのワット数についてさまざまな観点から解説します。ワット数が表すものやワット数による価格の違い、気になるミシンの電気代についても詳しく説明します。ワット数のことがわかると、ミシンについての理解が深まりますよ。

さらにミシンの種類・大きさについても解説します。ワット数が同じでも種類や大きさが違うとできることが異なるのです。ワット数やミシンの種類・大きさの特徴を知って、自分に合ったミシンを選びましょう。

ミシンのワット数は、ミシンを動かすモーターの力の強さを表しています。生地が重なって厚くなった部分を縫うとき、針が刺さらなかったり布がスムーズに送れなかったりしたことはありませんか？ワット数が小さいミシンはモーターの力が弱いので、厚みのある生地を縫うときにトラブルが起きやすいのです。

ワット数の大きいミシンならモーターの力が強く、厚みのある生地でも比較的楽に縫うことができますよ。また、取扱説明書などに記載されているワット数にはランプのワット数も含まれています。記載のワット数からランプのワット数を引いた値が、モーターのワット数＝ミシンのパワーの大きさになります。

安価なミシンの消費電力は60ワット程度だと言われています。価格帯で言うと、50000円以下のミシンは60ワット以下のものが多くなります。マスクやぞうきん、子どもの入園入学グッズを作る程度であれば十分なパワーです。

デニムの裾上げなど、厚みのある生地が重なる部分を縫うにはパワーが弱いと感じるかもしれません。初心者〜ときどき趣味で洋裁を楽しみたい方におすすめです。

50000円以上の高価なミシンの消費電力は80ワット程度のものが多いです。パワーが強いと聞くと、厚い生地でもスイスイ縫えるイメージがありますね。しかしそれだけではありません。パワーが強いというのは、さまざまな素材に対応できる力があるということなのです。

80ワットのミシンなら厚い生地はもちろん、シフォンのような薄くて縫いにくい生地でも安定して縫うことができます。日常的にミシンを使いたい人におすすめです。

職業ミシンは洋裁の仕事をしている方が使うミシンで、消費電力は95ワットほどです。職業ミシンは家庭でも使えます。本格的に洋裁を楽しみたい方は、職業ミシンがあると作れる作品の幅が広がって楽しいでしょう。

縫製工場で使う工業ミシンともなると、消費電力は250ワットとさらにハイパワーになります。毎日何時間も高速で動き続けるので大きな力が必要になるんですね。

たまにしか使わないから安いミシンでいいか…という考え方には注意が必要です。確かに、1年に数回しか使わないものに何万円もかけるのはもったいない気がしますよね。しかし10000円以下の安いミシンの中には、消費電力が30ワット以下とかなり低いものも存在します。

ワット数が低いと縫うパワーも弱いので、ちょっとしたことで不具合が起こりやすいのです。うまく扱えず、使うのが億劫になってしまうことも。たまにしか使わなくても、ある程度のパワーがあるミシンの方が楽しく作業できますよ。

ワットとは消費電力を表す数値です。ワット数が高いほど消費電力も多くなります。つまり、電気代が高くなるということですね。そこで気になるのが、ミシンの電気代。ミシンにはどれくらいの電気代がかかるのでしょうか？電気代の計算方法をご紹介します。

電気代は「消費電力(kW)×使用時間×使用日数×電力会社の電気料金単価」で計算できます。kWとは、ワットの1000倍の単位です。電気料金単価は電力会社によって異なりますが、今回は大手10社の平均値である26円で計算します。計算式を使って実際に計算してみましょう。

たとえば、60ワット(0.06kW)のミシンを1日1時間、10日間使用した場合の計算式は0.06kW×1日×10日×26円＝15.6円となり、10日間での電気代は15.6円と算出できます。

ミシンが60ワットや80ワットの電力を消費するのは、ミシンが実際に動いているときです。コンセントにつないでいるだけなら待機電力はかかりますが、取扱説明書に記載されている電力は使いません。また、スイッチを入れてランプが点灯しているときはランプの電力のみが消費されます。

ミシンでぞうきんを縫うのにかかる時間は、長くても数分程度。そう考えると、ミシンにかかる電気代はあまり高くないことがわかりますね。

自分に最適なミシンを選ぶためには、ミシンの種類や大きさについても理解する必要があります。ミシンは種類や大きさによって特徴が大きく異なるからです。ここでは、ミシンの種類・大きさごとの特徴を解説します。

電動ミシンは昔からあるタイプのミシンで、針をモーターの力で動かします。下で解説する電子ミシン・コンピュータミシンと比べてミシン内部の構造がシンプルなため、安い価格帯のものも多く出ています。壊れにくく長く使えるのも特長です。

シンプルな構造、というと扱いも簡単なように感じますが、実は扱いが一番難しいのが電動ミシンなのです。電動ミシンは速度が遅いとパワーが弱く、速いとパワーも強くなります。そのため、ゆっくり縫うとパワー不足できれいに縫えないことも。速度調節にもコツが必要なので、ミシンの操作に慣れている人におすすめです。

電子ミシンは、針を電子回路によって動かすミシンです。ミシンの動きをストップさせると、針が必ず一番上で止まるようになっています。電動ミシンと違って速度によってパワーが変わらないので、速度が遅くても安定したパワーで縫い進めることができます。

高速で縫うときも、縫いはじめはゆっくり進むため安心です。ジグザグ縫いやボタンホールなどステッチの種類も豊富で、小物〜洋服まで幅広い作品が作れます。自動糸通し機能など、便利な機能がついているものも。コンピュータミシンと比べると、比較的安価で購入できます。

コンピュータミシンは、コンピュータによって針を動かすミシンです。電子ミシンより細かい制御ができるので、縫い目の幅を細かい間隔で変更できたり、刺繍など複雑な模様を縫えたりと多彩な縫い方ができます。現在もっとも多く販売されている種類です。

厚い生地を安定して縫えるパワーもあります。また針の軸がブレにくいので、段差がある場所でもきれいに縫えます。自動糸切り機能やエラー自動停止機能など、嬉しい機能もたくさん。初心者から上級者まで満足できるミシンです。

ロックミシンは布の端がほつれないようにする「かがり縫い」をするときに使うミシンです。生地の端がTシャツやスウェットなど、縦横に伸びる生地を縫い合わせるときにも使われます。上でご紹介したミシンでも布端がほつれにくくなる縫い方ができますが、ロックミシンの方が丈夫に美しく仕上がります。

ロックミシンはかがり縫い専用のミシンなので、直線縫いなど他のミシンでできる縫い方ができません。しかし機能が少ない分パワーがあり、速いスピードできれいに縫えます。既製品のような仕上がりを求める方におすすめです。

本体の幅が38cm以下のミシンです。コンパクトミシンは小さいだけでなく軽いので、出し入れが楽にできます。機能もシンプルでリーズナブルな製品が多くみられます。しかし、軽くて小さい分パワーも弱く、使い続けると不具合が起こりやすくなることも。

子どもや高齢者など軽さを重視する方やミシンの作業スペース・収納場所が狭い場合におすすめです。 2台目のサブミシンとして使用するのもいいでしょう。

レギュラーサイズのミシンは、本体の幅が40cm程度で、現在もっとも多く流通している大きさのミシンです。コンパクトミシンと大きさがあまり変わりませんが、レギュラーサイズの方が重量があって安定感があります。

とは言え持ち運びが不便なほど重くはないので、女性でも無理なく出し入れ可能です。バッグなどの小物や子ども服をきれいに縫えるパワーもあります。ミシンを初めて買う方におすすめのサイズです。

本体の幅が45cmほどの大きさのミシンです。大きくて重たいので安定感があり、大きいものを縫っていてもミシンがぐらつきません。パワーも強く、薄いものから厚いものまできれいに仕上げることができます。

デメリットとしては広い作業スペース・収納場所が必要になることや、持ち運びが不便なことが挙げられます。雑貨〜洋服まで幅広く洋裁を楽しみたい方におすすめです。

ミシンを買うとき値段や機能だけに目を向けてしまいがちですが、ワット数も意外と大事なポイントです。ミシンの使用頻度や作りたいものによって選ぶべきワット数は異なるので、どのように使うかを考えて自分に合ったワット数のミシンを選んでくださいね。