加湿器の電気代はどのくらい？凄い？｜スチーム式や超音波式の比較も

冬は空気の乾燥が気になる季節です。肌はカサカサ、髪はパサパサと悩む方が多く見受けられます。また、空気が乾燥するとウイルスの活動が活発になるので、風邪や病気のリスクも高まります。そんな冬の乾燥対策には加湿器が欠かせません。

加湿器は、乾燥によるさまざまなトラブルから私たちの身を守るのでおすすめです。しかし、長時間付けっぱなしにしておくと電気代が凄いのではないかと気になりますよね。また、シャープや象印などさまざまなメーカーがあるので迷ってしまいます。

そこで本記事では、加湿器の種類ごとの電気代や電気代の計算方法について詳しく解説します。さらに、加熱式・スチーム式などの種類別のコスト比較や節電方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

スチーム加湿器には、ヒーターが内蔵されています。ヒーターによってタンク内の水を加熱し、沸騰させて蒸気を出す仕組みです。そのため、「蒸気式加湿器」や「加熱式加湿器」とも呼ばれます。ほかの種類の加湿器より蒸気が出るまでの時間が早いうえ、どんな気温でも加湿能力が変わりません。

ただし、スチーム式は電気代が高い傾向です。ヒーターの力だけで蒸気を出すのは、加湿器の中でもスチーム式のみです。ヒーターで水を沸騰させるときに多くの電力が必要になるので、その分電気代もかかってしまいます。

スチーム式加湿器は象印のものが有名です。また、アイリスオーヤマからも発売されています。

超音波式加湿器は、超音波の振動によって水を霧状に変化させてお部屋を加湿します。スチーム式のように水を沸騰させないので、電気代は低い傾向です。また、内部の装置が小さいため、デスクに置けるようなコンパクトなサイズのものもあります。

インテリアの一部になるようなおしゃれなデザインのものが多いのも特徴です。しかし、超音波式加湿器で使う水は沸騰したものではないので、こまめに手入れしないと雑菌が繁殖しやすくなるデメリットがあります。

液体（水）を気体（空気）に変えるのを「気化」といいます。気化式加湿器は内蔵のフィルターに水を浸み込ませ、フィルターに風をあてながら、水を水分を含んだ空気に変えます。電力を使うのは風を送るためのファンだけです。よって、電気代は比較的安い傾向にあります。

また、水を加熱しないので吹き出し口が熱くなりません。そのため、子どもやペットのいる家庭でも安心して使えます。しかし、大量の風を送って部屋を加湿するので、運転音や本体のサイズが大きいデメリットがあります。定期的なフィルター交換も必要です。

複数の方式を組み合わせたものをハイブリッドといいます。ハイブリッド加湿器には

• スチーム式+超音波式(加熱超音波式)
• スチーム式+気化式(加熱気化式)

の2種類があります。どちらもそれぞれの加湿方式を組み合わせて加湿します。

スチーム式はヒーターだけで加湿するので電気代が高くなってしまいますが、気化式や超音波式を組み合わせて少ない電力で加湿できるようになるのが特徴です。そのため、ハイブリッド式はスチーム式より電気代が安い傾向にあります。反対に、超音波式・気化式より電気代は高くなりますが、加湿能力はアップします。

以下の表は、加湿器の1時間あたりの電気代の目安です。適用畳数は洋室8畳・和室5畳、年間消費電力は1kWhあたり27円で算出しました。

ハイブリッド式加湿器は加熱時・非加熱時で消費電力が大きく変わります。加熱による加湿時間を短くすると電気代が抑えられます。

上で紹介した表の通り、電気代が最も安いのは気化式加湿器です。スチーム式と比べると約20倍もの差があります。加湿器は長時間使うので、電気代は安い方が嬉しいですよね。

また、気化式加湿器は安全性にも優れています。電気代や安全性を重視する方におすすめです。気化式加湿器はシャープやパナソニックからも発売されています。気化式加湿器については以下のリンク先の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

加湿器にかかるコストは、電気代だけではありません。電気代が安くても手入れにお金や時間がかかったり、本体価格が高かったりすると結果的にお得に感じられない場合もあります。そうならないよう、電気代以外にかかるコストを事前に把握しておきましょう。

日々の電気代は安くても、本体価格が高いと購入するときに躊躇してしまいます。上で解説した加湿器の中で、本体価格が比較的高いのはハイブリッド加湿器です。

スチーム式と超音波式・気化式の長所を組み合わせているため高機能なのですが、加湿装置も2種類備わっている分、価格も高くなります。さらに、加熱気化式の場合、フィルターも必要です。

スチーム式は加湿器内で水を沸騰させるので、内部は比較的清潔に保たれます。しかし、水を沸騰させない気化式と超音波式は、使い続けるうちに雑菌が繁殖してしまう場合もあります。よって、定期的なお手入れが必要です。

加えて、気化式はフィルターを使用するのでフィルターの交換や洗浄もしなければなりません。電気代は安いのですが、メンテナンスには手間がかかります。

加湿器のサイズは部屋の大きさに合ったものを選びましょう。加湿器は小さいものほど本体価格や消費電力は安くなります。しかし、小さな加湿器を広い部屋で使用すると、長時間フルパワーで稼働しなければならないので電気代が高くつく場合が多いです。

さらに、本体にも負担がかかるので、故障につながってしまう場合もあります。部屋の大きさにあった加湿器を使えば効率的に加湿ができて、結果的に節電になります。

こちらは加湿器を使った節電方法のご紹介です。加湿器はエアコンと併用すると節電効果がアップします。湿度が高いと体感温度が上がるため、エアコンの設定温度を下げても温かく感じられるからです。

6畳用エアコンの暖房費は、1時間あたり約3〜40円となり、設定温度を1℃下げると約10%節約できるといわれています。加湿器を使えば、お部屋の温かさはキープしたまま節電が可能です。

加湿器は使い続けていると汚れが溜まってくので、そのままにしていると加湿能力がだんだん下がっていき、電気代がかかってしまう可能性があります。雑菌が繁殖しやすくもなるので、定期的なお手入れ・メンテナンスをしましょう。

加湿器は設置する場所によって稼働状態が変わり、乾燥が続いていると設定湿度に合わせてパワフルになります。部屋全体の湿度を保つには、なるべく中心部に置くのが効果的です。消費電力を意識するなら、適切な場所に設置しましょう。

また、冷たい空気は下に降りて溜まりやすくなるため、背の高い加湿器を選ぶのもおすすめです。床より近いとフローリングなどが結露しやすいため、30cmほどの高さがあれば安心です。

睡眠時に、寝室の空気が乾燥するのではないかと気になる方もいますよね。ですが、夜間は室温や外気温が低く、室内の湿度も高い傾向にあります。そのため、眠っている間に加湿器をオフにしても昼間より乾燥している場合はほとんどありません。

夜間に加湿器の電源を切っておけば数時間分の消費電力を節約でき、結露やカビの発生も抑えられます。

加湿器は、使用方法や設置場所などを工夫すると消費電力を抑えられますが、最終的な節約方法として電力会社の変更・契約プランの見直しを実施してみるのもおすすめです。現在は、電力自由化によりセット料金でお得になるプランなどが用意されています。

この機会に契約プランや電力会社を変更したり、各会社のキャンペーンやポイントをうまく活用するなどしてみましょう。

電気代を抑えるなら加湿器を使わない方法もあります。加湿方法をいくつか見ていきます。

• 洗濯物を部屋の中で干す

濡れたタオルを干して部屋を加湿する方法もありですが、洗濯をした日はそのまま部屋の中に干せばOKです。冬は暖房をつけていれば洗濯物の水分が蒸発するため、湿度が上げられます。夏は干し過ぎると加湿しすぎてしまうため、窓を開けて調整してください。

• お風呂の扉を開けておく

お風呂に入った後、換気扇を回さずに扉を開けて置けば加湿できます。しかし、お風呂が部屋から離れていると、あまり効果はありません。ワンルームなどお風呂場が近い場合に使える方法です。

• 植物を育てる

植物は葉から水分を出しています。蒸散と言われ根から吸った水を葉の気孔から水蒸気として放出します。また、部屋の中に植物を置いて水をあげることで湿度は上がります。

• お湯を沸かす

キッチンでお湯を沸かすと加湿効果があります。お風呂と同じでキッチンと部屋が近い場合に効果的な方法です。

これまで電気を使う加湿器について取り上げてきましたが、実は電気を使わない加湿器もあります。その名も「エコ加湿器」です。加湿器に入れた水が自然に気化するので、「自然気化式加湿器」ともいいます。ここでは、エコ加湿器の種類とデメリットについて解説します。

エコ加湿器には紙製と陶器製があります。紙製はペーパー加湿器とも呼ばれ、紙に水を浸透させて使います。一方、陶器加湿器は素焼きの陶器でできており、使い方はペーパー加湿器と同じです。紙や陶器に浸み込んだ水がゆっくり気化していくので、お部屋を優しく加湿できます。

両方ともサイズはコンパクトなものが多いです。電気を使わないだけでなく音や蒸気も出ないので、オフィスのデスクやベッド周りでも活躍します。

エコ加湿器はサイズが小さく電気も使わないので、部屋全体の加湿はできません。また、こまめな手入れは必要ありませんが、手入れを怠るとカビが生えてしまう場合もあります。そのほかにも、ペーパー加湿器に使うペーパーは、1年程度での交換が必要になります。

加湿能力だけを見ると電気を使う加湿器の方がはるかに優れていますが、手の届く範囲を加湿する程度なら十分効果を発揮するので、狭い範囲での使用におすすめです。

加湿器は種類によって電気代が異なります。電気代が安いのは気化式ですが、加湿能力や本体価格、メンテナンス面にも違いがあるので、どの加湿器を選ぶべきか一概には答えられません。加湿器ごとの特徴を理解して、ぜひ自分にあった加湿器を選んでください。