普通のコンセントで使えるエアコンはある？｜コンセント形状についても解説

エアコンの新規購入や買い替えをする際に、販売店や取り付け業者から「エアコン用コンセントはありますか？」と質問されます。10年ほど前の古いエアコンから買い替える家には、エアコン専用コンセントの設置がされていない場合があるからです。

以前は普通のコンセントを使用していたケースも少なくありませんでしたが、現在は安全に対する意識の向上や、安全性に配慮する傾向へ変わりつつあります。そのため、他の家電と違いエアコンの設置には専用コンセントが必要です。こうしたエアコンのコンセントは、普通に使うものとはコンセント形状が異なります。

この記事では、専用コンセントが必要な理由や見分け方や古いコンセントの形状と、エアコンの取付工事に関してよくある疑問まで詳しく解説します。普通のコンセントで使えるエアコンはあるのかどうか、また抜く際の注意点についても解説しているので、ぜひ最後まで御覧ください。

エアコンは家電の中でも使用電力が大きいため、他の家電と同じコンセントを使用すると電力不足になる可能性があります。知らずに使用していると、配線への負荷が大きくなってブレーカーが落ちるだけでなく、配線が熱を持ち火事になる危険性もあります。

エアコンを安全に使用するためにも、専用コンセントの使用がおすすめです。専用コンセントは回路も単独で使用するため、配線に負荷をかけたり火事になったりするリスクを低減します。

エアコン専用コンセントがあっても、設置する場所とコンセントが離れている場合もあります。そのような場合は延長コードを使用しますが、延長コードもエアコン専用のものが必要です。

普通の延長コードを使用すると、コンセントと同様負荷に耐え切れず、発火する危険性があります。エアコン専用の延長コードについて知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてください。

残念ながら通常のコンセントで使えるエアコンはありません。エアコンは消費電力が大きいため普通のコンセントではすぐにブレーカーが落ちてしまいます。それだけでなく、場合によってはコンセントに接続しているほかの家電の故障や発熱、火災の原因にもなりかねません。

エアコンを普通のコンセントに繋ぐのは大変危険ですので自己判断で行わないようにしましょう。

エアコン専用コンセントは、ポイントをおさえておけば見分けられます。ここでは、具体的な見分け方についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

エアコン専用のコンセントは、エアコン設置場所の付近に位置している場合がほとんどです。なぜならエアコンは専用コードが短く、延長コードも使用できないといった特徴があるためです。

また、分電盤に「エアコン」というブレーカーがあるかによっても確認できます。ある場合はそれが専用回路なので、そこから引かれたコンセントがエアコン設置場所付近にあるかチェックしてください。

エアコンの近くにコンセントはあっても、普通のコンセントなのかエアコン専用コンセントなのか、素人にはなかなか見分けられません。また、専用コンセントには種類があり、取り付けるエアコンの消費電力や電圧によっても選択肢は変わってきます。以下に種類ごとの特徴や違いを表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

ここではエアコンを取り付ける前にチェックすべきポイントを紹介します。押さえておくと取り付けがスムーズに行えます。

• コンセントの形と電源プラグの形を確認
  エアコン専用のコンセントが付いている家が多いですが、すべてのエアコンに対応しているわけではありません。必ず、エアコンの電源プラグに対応している形か確認しましょう。
• エアコンの電圧を確認
  エアコンに限らず一般家庭用の電化製品のほとんどは100Vで動かせるようになっています。しかし、エアコンは対応畳数が広い場合だと200Vの電圧でないと動かせないものもあります。その時は電圧変更の工事が必要となるので確認しましょう。
• エアコン専用コンセントの増設を確認
  専用コンセントの増設には分電盤の改造や電線の増設など手間がかかるので費用は高めです。増設の必要があるなら多めの予算を検討する必要があります。工事には電気工事士の資格が必要となるので、必ず取り付け事業者に依頼してください。

エアコンの専用コンセントがない、もしくは合わない場合は業者に相談をしてください。工事でコンセントの取り付けができます。工事の費用や電圧の変更について説明します。

エアコンの取り付けには、専用コンセントがないと取付工事ができません。専用コンセントがあっても、新たに買い替えたエアコンに電圧やコンセント形状が合わない場合は増設工事や電圧変更工事が必要です。

電圧の変更が必要な場合は、ブレーカーの交換も必要になる場合があり、その分費用もかかります。また、エアコン専用コンセントの取り付けは電気工事士の資格を持っていないとできないため、自分で増設は不可能です。そのため、取り付け業者に相談するのをおすすめします。

また、賃貸物件の場合は事前に管理会社や大家さんの許可を取ってください。費用は業者による違いもありますが、平均相場は10,000円~20,000円です。ただし、状況によっては追加費用がかかるので事前に見積もりを出してもらいましょう。エアコンの取り付けに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

一般的に家庭用の電化製品のほとんどは100Vの電圧で動かせます。しかし、エアコンは適応畳数が広いものだと、200Vの電圧でないと動かせない場合があります。もしエアコン専用のコンセントに引かれている電圧が100Vの場合、200V対応のエアコンを取りつけたいときは電圧変更の工事が必要です。

逆に、200Vの専用コンセントに100V対応のエアコンを取り付ける場合も工事が必要です。コンセントに引かれている電圧が異なる場合は、電圧変更の工事をしてもらってください。

専用コンセントの設置は法律で義務化されているわけではありません。しかし、普通のコンセントを使用した結果トラブルや火災が起きた場合、取り付け業者の責任となる可能性があります。そのためほとんどの業者では、専用コンセントがないとエアコンの取り付けをしてくれません。

実際に、普通のコンセントでエアコンを使用した結果、火災になったケースも報告されています。すべての原因がコンセントにあるわけではありませんが、リスクが伴う以上エアコン専用コンセントの設置を強くおすすめします。

結論から言えば、他の家電でもコンセント形状が合っていれば使用できます。ただし、エアコン専用コンセントは電圧が高いため、過電流により家電が故障する可能性があります。

そのため、エアコン専用コンセントはエアコン以外の家電には使用しないでください。普通のコンセントとエアコン専用コンセントは、それぞれ分けて使用するのがおすすめです。

エアコンを長期間使用しない場合は、節電のためにコンセントを抜いておく方も多いです。節電効果はありますが、長期間コンセントを抜いた通電のない状態下では、室外機のコンプレッサー内の潤滑油が固まった状態になります。

再度通電しても、潤滑油がスムーズに行き渡るには8時間前後かかるため、コンセントを挿してすぐに使うと室外機の負担が大きくなり、劣化を早めてしまいます。なので、エアコンを再度使用する際は、コンセントを挿して8時間以上待ってから使用してください。

長期間使用しないためにコンセントを抜く場合は、たまにコンセントを挿して温めるといいです。

これからエアコンの新規購入や買い替えを検討しているのであれば、専用コンセントの有無を確認しましょう。専用コンセントの有無は、安心してエアコンを使用するためにも大切です。ご自宅に専用コンセントがない場合でも事前に手配しておけば、エアコンの取り付け時にコンセントの工事も行ってもらえます。