故障？エアコンの室外機トラブルの対処法｜異音騒音対策・掃除方法

屋外に設置してあるため普段はあまり気にならない室外機ですが、窓を開けたときや外に出た際、騒音レベルの稼働音に驚いたという方もいるのではないでしょうか。あまりにうるさいとご近所に迷惑をかけていないか心配になりますよね。

このように、意外とエアコン本体よりも室外機に関する悩みを持つケースは多いです。運転音の他にも、室外機の掃除方法が分からず雨ざらしで汚れがひどくなっていたり、故障を疑うような症状が見られたりと早めの対処が必要な場合もあります。

そこで今回は、室外機に関する悩みで多い騒音・掃除方法・故障の3点に焦点を絞り、その原因や正しい対処法をご紹介します。室外機はむやみに触れると怪我や事故に繋がりかねないので、正しい方法を知り安全に扱いましょう。

エアコンから出る冷風は室内機の中で作られて部屋に送り出しているというイメージを持つ方が多いですが、実際には部屋の中の熱を取り除くことで部屋の温度を下げています。そして、この熱のやりとりに欠かせないのが室外機なのです。

室内機が回収した部屋の熱は、室内機と室外機を繋ぐパイプを流れる冷媒ガスによって室外機へと運ばれます。ここでポイントとなるのが、室外機に搭載されている熱交換器というパーツです。熱交換器は冷媒ガスを循環させる働きがあるため、回収した熱を屋外へ排出します。

こうして冷えた冷媒ガスを室内機に送り出し、部屋に放出することでさらに部屋の温度を下げるという仕組みになっています。室外機は部屋を設定温度に近づけるために重要な役割を果たしているので、室内機と同じく定期的なお手入れが大切なのです。

まずは室外機の悩みとして多い騒音について見ていきます。運転音が大きくなる原因や適切な対処法を確認しましょう。

室外機の音は部屋の中からはあまり聞こえないため、音が大きくても放置してしまうケースが多いです。しかし、室外機の騒音を放置すべきでないことには理由があります。

室外機の稼働音が大きくなってきたときは、室外機自体の汚れや周囲に置いてあるものによって空気の流れが悪くなっていることがあります。実は周辺の空気の流れこそ、室外機の冷媒ガスの流れや熱交換機の働きに大きく関わっています。

周辺の空気の流れが悪くなれば、それだけ冷媒ガスを送ったり熱のやり取りをしたりするのに余計なエネルギーが必要となります。真夏や真冬はパワーが追い付かず、エアコンの利きが悪くなることもあるので注意しましょう。

稼働音が大きくなってしまうくらい周辺の空気の流れが悪いときは、エアコンを稼働してもなかなか設定温度に達しないことがあります。そのようなときは、さらに設定温度を上げたり下げたりしますよね。

設定温度が室温から離れるほど、エアコンはさらにパワーを使って設定温度に近づけようとします。このような悪循環に陥ってしまうと、当然ですが電気代もかさみます。最近なぜか電気代が上がったという場合には、室外機を見直してください。

アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる、もしくは隣家との距離が近い場合には室外機の騒音が元でトラブルになるケースもあります。自分ではあまり気にならない場合でも、周囲の音は気になるものです。

万が一トラブルになってしまうと、集合住宅の場合には管理会社を間に挟んで対応してもらうことができますが、持ち家の場合には自己責任で対応しなければなりません。周りに迷惑をかけないためにも早めに対処しましょう。

室外機の騒音や異音の主な原因には、汚れや振動、経年劣化などがあります。ここでは、騒音の原因について詳しく見ていきます。

室外機から大きな音が頻繁に聞こえる場合には、室外機本体や周囲が汚れていないか確認しましょう。室外機に汚れが溜まっているとパーツの動きが悪くなったり空気の流れが阻害されたりして、余計なパワーを必要としてしまいます。

室外機を設置してある場所の環境にもよりますが、風の強い地域や砂埃の多い地域に住んでいる場合には、特に定期的なお手入れを心がけてください。

エアコンを運転したときにモーター音に加えてガタガタという音を伴っている場合には、室外機が土台にしっかり固定されていない可能性があります。室外機は稼働と同時に小さな振動を発しますが、安定した場所に設置していないとその振動が何倍にもなって伝わります。

また、土台の素材が硬い場合にも大きな振動音を発することがあります。通常のモーター音に加えて振動音が発生すると、窓を閉めていても聞こえるくらいの大きな音になるため、できるだけ早く改善しましょう。

エアコンの室外機は大きな羽根の他にもコンプレッサーやモーターなど、内部は複雑な構造で作られています。どの家電でも同じですが、各パーツにはそれぞれ寿命があり、どれか1つが劣化しても正常な稼働ができなくなります。

使用年数がある程度経過しており、掃除や土台を見直しても騒音・異音が改善されない場合には、寿命や経年劣化を疑いましょう。

ここまで室外機の騒音について疑われる原因を見てきました。次は、それらの原因に合った適切な対処法について解説します。

室外機を設置してから何年も掃除をしていなかったり、見るからに砂やゴミで汚れていたりする場合には、お手入れ不足で騒音が発生しているかもしれません。

室外機の内部は複雑な構造になっているため、掃除をするには専門業者に依頼するほうがいいですが、周辺の掃除なら誰でも簡単に行うことができます。

お手入れをする具体的な場所は、室外機の外側や周辺、裏側のフィンやドレンホースなどです。歯ブラシやほうき、雑巾があれば簡単に掃除できるので、ぜひ下の掃除方法を参考にして行ってください。

室外機からカタカタという振動が発生している場合には、土台をしっかり固定することで解決するかもしれません。室外機を設置する土台となる部分には、振動を吸収して音を抑えられるようにあまり硬くない素材を用いることをおすすめします。

また、室外機と土台の間に防振ゴムを挟むのも効果的です。防振ゴムはインターネットやホームセンターで簡単に手に入る、カッターで切るだけで加工できる便利なアイテムです。

室外機からガラガラ、キュルキュルという異音やガゴンガゴンという大きな音が聞こえる場合には、内部の部品が劣化して正常に稼働していない可能性があります。経年劣化や故障の場合には自分で解決することは難しいため、専門業者やメーカーに相談しましょう。

故障している場合には修理や部品の交換で解決できるかもしれません。ですが、購入から10年程度経過している場合には同じ部品が手に入らないこともあるので、買い替えも検討してください。

室外機が効率よく稼働すれば無駄な電気代がかからず、エアコンの利きもよくなる可能性があります。ここでは簡単に試せる取り扱いのポイントを紹介します。

室外機の周辺がすっきり片付いていると、空気が流れやすくなり熱を放出する効率もよくなります。そのため、室外機の前や半径20cm以内には物を置かないようにしましょう。

エアコンの取扱説明書を見ると、室外機を設置するときに前方や後方をどのくらい空けるべきか記載されていることが多いです。わからない場合にはメーカーのサイトを参考にしたり問い合わせたりして適切な位置に設置してください。

夏場の室外機に直射日光が当たり続けている状態や、地面に反射した日光の熱を受けている状態では、室外機の周りの温度が上昇し室外機が熱を効率的に放出できなくなります。そのまま使い続けるとエアコンの利きが悪くなるだけでなく、無駄な電気代がかかってしまいます。

そのようなときにおすすめなのが室外機カバーです。カバーには日よけだけを目的としたものや目隠し、汚れ防止までできるものなど、さまざまなタイプがあります。カバーをつける際は放熱の妨げにならないように注意してください。

室外機を掃除したいと思っても、どこまで分解していいのか、水洗いできるのかなど、分からないことが多くてなかなか取り掛かれないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、室外機の正しい掃除方法について解説します。

自分でできる室外機掃除の範囲は、周辺やフィン、ドレンホースなど、主に外回りのみです。中まで掃除したいという方も多いと思いますが、室外機の内部には電気関係の部品があり、分解するには危険が伴います。

また、誤った掃除方法で洗浄してしまうと、発火や破損の危険性もあるので、内部の掃除は自分では行わず専門の業者に依頼しましょう。

エアコンの室外機は汚れやゴミ詰まりなどがないほうが周辺の空気の通りや、熱交換の効率もよくなります。そのため、室外機の掃除はエアコンを本格的に使い始める前に行うのが理想です。

地域によって気候はだいぶ異なるため一概には言えませんが、目安としては冷房を使い始める前の5～6月、暖房を使い始める前の10～11月がおすすめです。

掃除の頻度は室外機の汚れやすさにもよりますが1～2年に1回程度は行いましょう。ただし、1年経っていなくても見るからに汚れている場合には掃除が必要です。

ここでは室外機の具体的な掃除方法をご紹介します。各パーツごとに解説するので、取扱説明書を見てパーツの位置を確認しつつ掃除をしましょう。

室外機の上部や風の吹き出し口である網の部分は特に砂や埃で汚れやすい部分です。上部はほうきで砂や埃を落としてから雑巾で拭くと綺麗になります。

また、表面は網の間にゴミが挟まっていたり頑固な砂汚れがこべりついていたりすることも多いので、まずは歯ブラシや掃除機を使って大まかに汚れを落としましょう。

室外機は雨ざらしになることを想定して設計されているので、軽く水洗いしても構いません。汚れが落ちない場合には、内部に水が入らないように注意しながら洗浄しましょう。汚れが落ちたら雑巾で仕上げ拭きします。

フィンとは、室外機の裏面や側面にある薄い金属板のことをいい、熱の交換を行う役割があります。フィンに汚れが溜まっていると稼働効率が下がり無駄な電気代がかかってしまうので、ゴミが詰まっている場合にはブラシをつけた掃除機で吸い取りましょう。

ただし、フィンは柔らかいアルミ製なので強く触ると簡単に変形したり折れたりしてしまいます。大きな変形は故障の原因にもなるので、掃除をするときは丁寧に取り扱いましょう。また、金属で手を切らないように注意してください。フィンの掃除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

ドレンホースはエアコンの内部で結露が発生した場合に、水分を外に排出するためのホースです。ドレンホースにゴミや汚れが詰まっていると水が排出できず、室内機からの水漏れや故障の原因にもなります。

ドレンホースの詰まりとして多いのが、クモの巣や枯れ葉などです。中を覗いてみて詰まっているときは、割り箸や細い棒を使って届く範囲で取り除きましょう。

室外機の周囲に物が置いてあったり枯れ葉やホコリがあったりすると、空気の流れが悪くなり動作効率が低下します。周囲に物を置いている場合には他の場所に移動しましょう。

また、壁と室外機の間にクモの巣が張っている場合にはほうきで払います。枯れ葉やホコリも天候によっては数日で溜まってしまう場合もあるので、こまめに取り除いてください。

室外機の掃除をするときは、予期せぬ稼働で怪我をすることを防ぐためあらかじめプラグを抜いてから開始します。また、室外機の内部には電気系統のパーツが数多く格納されているため、それらに触れないように注意しましょう。

感電を防ぐためにも安易に分解しないでください。室外機の外側は水に濡れても問題ありませんが、誤って内部に水が入らないようにしましょう。あくまでも雨が降ったときに濡れる程度を意識して行うことが重要です。

エアコンを運転しているのに室外機が動いていない、ということがたまに見受けられます。そのようなときでも全てが故障というわけではないので落ち着いて原因を探りましょう。

エアコンの室外機は、異常に熱を持つと保護装置が働いてシステム保護のために自動的に運転を停止することがあります。

特に夏場は外気温が高くなるので、それに加えて室外機に直射日光が当たっていたり、周囲の風通しが悪かったりすると室外機に熱が溜まってしまいます。

室外機が動かないトラブルが夏場に起こった場合には、室外機周辺の片づけや掃除を行い、フィンの風通しを改善しましょう。その後再起動をして室外機が動けば、保護装置が原因です。

エアコンが暖房運転するときは、室内機に熱を送り出すため、冷媒ガスの作用によって室外機のフィンを氷点下まで冷やしています。このとき、雨や雪がフィンに付着してしまうと、水分はそのまま凍りついてしまいます。

フィンに氷がつくと、氷を解かすためにいったん暖房運転を停止して霜取り運転をすることがあります。寒冷地に住んでいる場合や悪天候と寒さが重なった場合には、霜取り運転をしていないか10分ほど様子を見ましょう。

寒冷地や一時的な寒波の影響を受けた場合には、室外機の外に排出されるはずの水が室外機の中で凍ってしまうことがあります。氷が大きくなり、室外機のファンに当たると、暖房運転を停止してエラーコードを表示します。

このようになったときは、熱湯を室外機の底面に流し込むことで運転が再開するケースが多いです。しかし、頻繁に凍り付いてしまう場合には寒冷地に適した仕様のエアコンに買い替えたり、雪よけのカバーをつけたりして工夫しましょう。

室外機だけでなく室内機も急に動かなくなったという場合には、リモコンの電池切れや故障を疑ってみましょう。リモコンの液晶には運転中の表示があっても、その内容が本体に伝わっていないことも多いです。

また、冷房時に室温がエアコンの設定温度よりも低くなったときや、暖房時に室温が設定温度より高くなった場合には、室内機が運転し続けていても室外機だけが停止することがあります。これはエアコン制御による正常な運転なので、心配はいりません。

ここまで、室外機が動かなくなる原因について見てきましたが、どの項目にも当てはまらない場合にはコンプレッサーやモーターを動かすための基盤が故障しているかもしれません。

故障している場合には、エアコン本体にエラーコードが出たり、室外機だけでなく室内機も動かなくなったりと故障のサインが見られることも多いです。故障が疑われる場合にはメーカーのサポートや専門業者に相談しましょう。

基盤の故障の場合、自分で修理することは難しく、専門業者に依頼するのが一般的です。ただし、修理を依頼すると修理代だけでなく出張費や部品代も請求されるので、本当に故障しているのか事前に確認する必要があります。

修理を依頼するときの気になる料金をまとめたので参考にしてください。

室外機に関する悩みは、騒音や掃除の仕方、故障などさまざまなものがありますが、どの問題でもできるだけ早く原因を突き止め、解決に向けて動き出すことが大切です。記事の内容を参考にして正しい対処法を知り、室外機の悩みを解決しましょう。